田中和徳の発言 (予算委員会)
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○田中(和)委員 自由民主党の田中和徳でございます。
私の座右の銘は、意思あるところ道ありという言葉であります。この言葉は、英国のカティーサーク号という船のボディーに彫られた言葉を和訳したものだと言われております。小泉総理は、まさしく、意思あるところに道あり、数々の荒波を越えて、改革の成果を上げるために必死で頑張ってこられました。
私は、川崎選出の議員でありますけれども、長年にわたりまして中選挙区時代は小泉総理が選挙区とされ、御活躍された舞台でもありました。先輩の姿を拝するときに、大変私も感銘をしておりますし、またこれからもひとつぜひ元気で頑張っていただきたいものだな、このように期待をしております。よろしくお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。
今般の凶悪犯罪ともいうべき耐震偽装事件、そしてその後、対象物件の調査によって発覚した大手の施工業者の不良工事疑惑などに端を発した建設、建築全般に関しての不安や不信が、今国民の間に大きく広がっております。耐震偽装による被害者の方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、急がれる国民のこれらの不安、不信を払拭するためのシステム構築についてお伺いをしてまいりたいと思います。
例えば、耐震偽装により全国で初めて建築基準法九条第一項の使用禁止命令を受け、引っ越しを余儀なくされる、私の地元の二十三戸が生活しているグランドステージ川崎大師の建てかえ費用は、都市再生機構も見積もりをしたようでありますけれども、総工費が高いということで、他のゼネコンで見積もりがなされました。六億円であります。そこで、被害者は建築資金の融資を受けるために銀行と協議をしたわけでありますけれども、銀行より示された融資の上限額が三億円でありまして、それ以上は無理と言われ、仮に建築費が六億円としたら、残りの三億円が不足になることが判明をいたしております。
被害者の方々より相談も受けましたけれども、差額の捻出の見通しは全く立っておらず、本来ならば、瑕疵担保責任に基づき、このマンションを販売したヒューザーは当然に一〇〇%の支払う責任があるわけでありますし、また、重大な違法行為を犯した建築設計事務所も当然に支払いの責任があります。しかし、財力不足のため、支払ってくれる見通しが全く立ちません。
当然に、事前に当該建築物の建築確認をして、また建築の許可をし、完成後の検査済証を発行した責任のある地方自治体も、民間の指定確認検査機関に委託したとはいえ、判例でも明らかなように重大な責任があるのであります。また、故意による耐震偽装の物件を建設した施工業者にも不良工事の賠償責任もあわせてあり、被害者の皆さんは、この支払い能力のある両者に賠償請求をせざるを得ないと言っている状況にあります。
しかし、税金より支払う自治体はもちろんのこと、施工業者も、賠償の割合や金額が不明確なままでは支払いはできず、裁判になれば、和解しない限り、最終的な判決が出るまでには十年近くの長い年月を要します。
グランドステージ川崎大師の被害者は、今、先行きの見通しが立たず途方に暮れており、夜も眠れない日々を過ごしておられます。我が自由民主党にも要望書が提出をされております。マイホームはあきらめ、借金だけが残るという最悪の事態だけは何とかしたいと考えるのは当然であります。
以上、一例を挙げました。
確かに、政府の迅速な対応により、先日可決された補正予算において引っ越しや解体を含めた建てかえに五十億円、耐震診断に三十億円、合計八十億円が予算化されるなど、これから一定の対策は講じられることになっておりますが、これだけでは到底、被害を受けた人たちの不安、不信をぬぐい去るには至っておりません。
被害の実態の解明はこれから刻一刻と進んでいくと思いますが、政府としても、被害者の方々の救済を最優先として取り組まれますよう、私からも強く要望しておきたいと思います。
日本は世界に冠たる先進国として繁栄を築いてきましたが、建設業は、我が国のGDPの六・七%を占める主要産業であるとともに、そこで働く人々の数も約六百万人と、全労働力人口の約九%に上っております。建設業の我が国経済に及ぼす影響を考えますと、自己責任を求めながらも、政府が指導力を発揮してセーフティーネットの構築を急がなければならないと考えます。分譲マンションや建て売り住宅などの住宅の買い控え、ありとあらゆる建築物の発注のためらい等が生じて、やっと回復の芽が出てきた景気にも著しい悪影響を及ぼすのではないかと私も危惧しております。
そこで、その対策として、第一に、今回のような不心得者が出ないようにするための関係法令の徹底した罰則の強化、第二に、事前の建築確認や完成の検査を行う行政機関や指定確認検査機関の賠償責任制度の明確化、第三に、完成後、大臣の認定した機関がもう一度審査を行い、十年間の保証制度になっております住宅の品質確保の促進等に関する法律とあわせて、現在一割程度の活用しかない住宅の性能表示制度を改正し、一般の建築物にも活用できるようにすること、第四に、物件を担保にとり融資した金融機関の責任の明確化や損害保険制度の検討などが考えられるのではないかと思います。
いずれにしても、国の強いリーダーシップが求められるわけでありますけれども、まず、総理のお考えをお伺いしたいと思います。