田中直毅の発言 (予算委員会公聴会)

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○田中公述人 私、経済予測の仕事を一九七〇年代に入ってから民間の研究所でやっておりまして、公共事業を積み上げるやり方で景気がよくなるというチャネル、その因果関係が崩れているんじゃないかというふうに思ったのは、一九七〇年代の後半でございます。
 これは、時の政府が景気が悪いからといって公共事業をふやされるんですが、いろいろな計算の仕方がございます。公共事業がふえることによって例えば資材に対する発注がふえる、そうしたら景気はよくなるではないか、これはその当時の代表的な見解なんですが、しかし、実際にはなかなか思ったほど景気が立ち上がってこないという事実がある。
 その中で、やはり経済の仕組みはグローバルな仕組み、変動相場制を通じて世界につながった場合に、一たんは確かに景気がよくなる局面があるんですが、それが、従来思っていたよりは金利が高くなるということになると、やはり為替レートの動きを通じて減殺されるというのが現実に起きているという観察が、もう七〇年代の後半でそういう観察結果に至らざるを得ないということでございました。
 それ以来、私は、いわゆるケインズ型の景気対応はまずいと。それは、財政赤字をふやすのみであって、国債の発行残高がふえるばかりであって、景気を刺激することにつながる要素は非常に小さくなっているというふうに思いまして、それ以来、そういう論文を書くようになっております。
 どうも、残念ながら、九〇年代に入りましてもそういう政策が続く。
 例えばですが、連立与党の中で、建設業者の人たちが仕事がなくなったという声が入ってくると、仕事を出してやれ、それが景気対策だぞという考え方がやはり非常に強かったと思うんですが、それは、確かにその分野だけについて言えば、そこは仕事が余分に出ますから、仕事はある程度回るようになります。しかし、それが日本経済全体には回ってこないというには、別の影響のチャネルが働いているということでございますので。
 私は、国会の先生方のお仕事の中で、そういう形で、地元から景気が悪いというお話が入ってきたら、これは何とかして予算を拡大して政府が仕事を配らなければいけないというふうに、それだけで対応されると結果としてはうまくいかないというふうに思っておりまして、これを選挙民の方々、地元の方々にどうやって説明するんだという非常に難しい課題があるんですが、これは相当難しい話なんですが、やはり政府が直接仕事を与えるというのはよほどのことだと。政府が直接、特定の分野を選んで職場をふやすという形に乗り込むことがすべて拒否されると私は思いませんが、それはよほどの非常時だということで、多少景気が悪いからとかお金の回りが悪いからといって政府支出を拡大するというのは、もうやめるべき時期に来ているという説得をしていただけないものかと。多分それは選挙民に伝わる、その真意は伝わるのではないかと、済みません、勝手に憶測しておるんですが、思っております。もし間違っておりましたら御指摘を。

発言情報

speech_id: 116405262X00120060224_019

発言者: 田中直毅

speaker_id: 8956

日付: 2006-02-24

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会