和田ひろ子の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)

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○和田ひろ子君 民主党・新緑風会の和田ひろ子でございます。
 本調査会では、成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応について、昨年に引き続いて調査を続けてまいりました。本年は、格差の問題、二〇〇七年問題と高齢者雇用、女性雇用などを中心に調査いたしましたので、これらの点につきまして私どもの意見を述べさせていただきます。
 第一に、格差問題についてでございます。
 我が国は、グローバル化の進展やIT革命といった社会状況の変化やバブル崩壊後の長期間にわたる経済の低迷に加え、構造改革の失政により社会の各方面にわたってゆがみ、ひずみが生じてきており、これらを背景として、経済所得格差、教育格差、地域格差といった様々な格差問題が発生しております。
 まず、経済所得格差問題ですが、生活保護受給世帯や貯蓄なし世帯の急増など、各種統計からも格差が拡大していることが明らかになっておりますが、とりわけ大きな問題点は、若年層において格差が拡大していることではないかと考えます。若年層における格差拡大の理由は、正規社員と非正規社員の間に生じる賃金格差が原因と言われております。
 バブル崩壊後、各企業は人件費を圧縮するため、正規社員の雇用を抑制し、非正規社員の雇用を増加させてきました。そのあおりを受けて、個人の能力の有無にかかわらずフリーターとなった若者が失業の不安やリスクを感じたまま低賃金に甘んじている現実がございます。ニートも含めて、これらの若者は将来に不安を抱えているため結婚もできないなどの影響も生じており、その社会的損失は決して少なくありません。今後は、できるだけ多くの若者が正規社員として雇用され、その経済所得格差を縮小していく必要があるのではないでしょうか。
 そのためには、行政においては若者向けの教育訓練の充実をより一層図ること、企業においては非正規社員を積極的に正規社員として登用することが不可欠と考えます。さらに、同一価値労働同一賃金の原則を踏まえて、正規、非正規雇用間の賃金格差の解消を目指すべきであると思います。そのほか、自らのライフスタイルに応じた多様な働き方を可能とする短時間正規社員制度の普及を図ることも必要と考えております。
 次に、教育格差ですが、近年、就学援助受給者数が増加しております。その一方で、幼児期から学習塾に通うなど多額な教育費を支出する家庭もあります。子供はどこの家庭に生まれてくるか選択できませんから、子供は等しく生まれ等しく育つべき国の宝であります。にもかかわらず、現実には教育の機会の平等が子供たちに与えられておりません。この背景には、所得再配分の政策がうまく機能していないことがあると思われます。
 政府においては、教育格差の是正の観点からも税制面や社会保障面に関する所得再配分の在り方について検討する必要があると考えますし、具体的には奨学金制度の一層の充実が不可欠だと思います。
 また、地域格差の問題ですが、東海地方など大都市圏を中心に景気は回復傾向を示しておりますが、地方においては依然として厳しい状況にあります。早急に地方経済を活性化させ、我が国のすべての地域の景気を好転させるべく、更なる地方分権の推進、税制の在り方などについて検討する必要があると思われます。
 第二に、二〇〇七年問題と高齢者雇用について申し述べます。
 今日、団塊の世代が六十歳定年を迎えるいわゆる二〇〇七年問題がクローズアップされております。この問題は、メリット、デメリットの双方を含んでおり、メリットとしては、団塊の世代の退職による欠員の若年層の採用に充てることができること、団塊の世代が地域社会に戻りNPO活動などで能力を発揮できることなどがあり、デメリットとしては、製造業を中心に若者への技術伝承が円滑に進められるかということなどが挙げられます。
 私は、メリットの方にも視点を向け、この問題を前向きにとらえていく必要があると思います。それが大切なことだとも考えました。
 次に、高齢者雇用ですが、本年四月より改正高齢者雇用安定法が施行されました。六十五歳までの高齢者雇用を確保するため、事業主は、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかの措置を講ずることとなりましたが、大多数の企業は継続雇用制度の導入を選択しているようであります。しかしながら、継続雇用制度は、労使協定により継続雇用の対象者の基準を定めることとされ、加えて経過措置として、協議が不調のときは就業規則等で基準を定めることができることとなっております。
 各企業においては、継続雇用を希望する高齢者がすべて雇用されるべく適正な基準を定め、決して事業主が恣意的に継続雇用を排除できるような基準を定めないように注視していかなければなりません。
 また、少子高齢化の進展に伴い労働人口が減少する中、我が国の活力を維持し経済的な成長を維持していくためには、これまで以上に高齢者の方々に働いていただかなければなりません。そのためには、高齢者のニーズに即した職務や待遇を企業サイドも用意する必要があります。具体的には、高齢者の能力を生かせるアドバイザー的な職務の創出、短時間勤務の導入などを積極的に進めてほしいと思います。そして、将来的には、高齢者が年齢によって差別されることなくその能力を十分に発揮して働くことができる社会、エージフリー社会を目指していく必要があると考えます。
 最後に、女性の雇用について。
 我が国の女性雇用者の割合は約四割に達するなど、女性の労働市場への進出は進んでおります。また、いわゆるM字カーブも以前に比べフラット化が進み、三十代の労働力率も増加傾向にあります。しかしながら、男女間の賃金格差が依然として大きく、また女性はパートタイム労働者が多いという状況にあります。
 我が国における男女間の賃金格差は先進国の中でも目立っており、今般の男女雇用機会均等法改正の趣旨を踏まえつつ、男女間の賃金格差の是正に是非とも取り組むべきであると思います。
 今後は、我が国の労働力人口を確保する観点から、女性の労働率を高めつつ女性の雇用状況を改善していかなければなりません。そのためには仕事と家庭の両立を図ることが可能となるよう、育児休業制度、保育所整備などの充実強化が不可欠であります。
 各企業は、次世代育成支援対策推進法に基づき行動計画を策定し、育児や介護を支援するための制度の導入を進めておりますが、企業サイドから見てもこうした取組は優秀な人材確保につながるはずであり、決してマイナスにはならないのであり、一層の積極的な取組が期待されます。
 その一方で、制度が創設されたとしても、これが十分に活用されなければ意味がありません。例えば、我が国の男性の育児休業の取得率は一%にも達しておりません。この数字から、男性が働き女性が子育てを行うという意識が我が国においていまだ根強いことがうかがえます。仕事と家庭の両立を支援する制度を整備すると同時に、男女の役割分担の意識も変えていくことが必要ではないでしょうか。
 最後に、我が党といたしましては、格差のない社会、すべての雇用者が生き生きと働ける社会づくりに向けて最大限努力することをお約束して、意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 和田ひろ子

speaker_id: 13242

日付: 2006-05-10

院: 参議院

会議名: 経済・産業・雇用に関する調査会