渕上貞雄の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)
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○渕上貞雄君 社会民主党の渕上貞雄です。
「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」について、これまで多くの参考人の方から意見表明がありましたが、残念ながら、意見の多くは使用者の立場に立ったものが多かったように思います。
多様化する雇用という議題からすれば、やはり働く者からの意見表明をもう少し多く聞く必要があったのではないかと思います。
さて、小泉内閣が発足をしてから五年が経過をいたしました。景気回復の兆しが見えてきたと、自ら強力に進めて、市場競争主義による構造改革路線の成果を強調する小泉首相ですが、各種データを見る限りでは、賃金や資産の格差が拡大をしているだけでなく、勝ち組、負け組といった社会構造の二極化が進み、職業選択の自由や教育の機会の均等など、これまでの日本社会の発展の基礎となったものが崩れつつあるように見えます。
総務省の労働力調査によりますと、正社員数は、一九九七年の三千八百十二万人、七六・八%をピークに減少に転じ、〇五年には三千三百七十四万人、六七・四%にまで下がっています。一方、パートや派遣、契約社員など非正規労働者は、九七年、千百五十二万人、二三・二%だったものが、〇五年には千六百三十三万人、三二・六%へと急増をしています。
OECDが昨年二月に発表しましたレポートによりますと、二〇〇〇年時点の日本の所得格差を表す指数、ジニ係数は調査した二十五か国中で十番目に高く、日本社会は格差が大きくなっていることを明らかにしています。また、貧困率、全世帯の平均収入の半分以下しか収入のない世帯の割合は一五・三%と、先進国の中では米国とアイスランドに次いで三番目に高いという結果が出ています。
この影響は教育現場にも現れています。経済的な理由で給食費、修学旅行費など就学援助を受ける児童生徒は、東京、大阪でともに四人に一人の割合となり、全国的に見ても、〇四年度は〇〇年度と比べて四割近く増加をしています。また、貯蓄率ゼロ世帯が〇四年度には二三・八%になったほか、自殺者はこの数年三万人以上で推移をしています。
これらは、改革なくして成長なし、民間にできることは民間にの名の下に、経済・金融市場を始め労働分野などの規制緩和を推し進めてきた結果であると言えます。
私はここで幾つかの提言をしたいと思います。
まず第一番目は、男女雇用機会均等法を男女雇用平等法にすることです。
一九八六年に施行された男女雇用機会均等法は、九七年の改正、九九年施行後も様々抜け道があり、事実上格差も依然として残るなど、実効性に乏しいものになっています。今国会において予定されています男女雇用機会均等法を男女雇用平等法に変えていくべきと考えます。
次に、育児休業・介護休業法の改正であります。
すべての労働者、とりわけ現実に重い家族的責任を担いつつ仕事との両立に努力をしている女性労働者の権利保障を更に手厚くするために、育児・介護休業法を改正をし、雇用の継続の実効性を確保することが必要と考えます。また、働く人たちからの要望の強い家族の看護休暇制度やつわり休暇制度の確立も必要と思われます。
三点目は、パート・派遣労働対策です。
雇用構造の変化を踏まえつつ、同一価値労働同一賃金原則を含む均等待遇原則を法に盛り込むべきです。また、多様な就業形態の存在が労働条件の切下げや権利の劣悪化をもたらすこと等ないように、一定の期間を経過した派遣労働者は正社員化すべきと考えます。さらに、若年世代のキャリア・スキルアップ支援をするため、有給のインターンシップ制度なども有効と考えます。
四点目は、障害者の就業の機会、就業率の向上です。
障害者雇用促進法で法定雇用率が制度化されたにもかかわらず、民間企業の障害者雇用は一向に進んでいません。この状況を改善するために、未達成納付金を大幅に引き上げるなど、民間企業も積極的に障害者を雇用するような施策を講ずるべきだと考えます。
以上、数点にわたって提言をしましたが、これらの施策の実効の上からも、年金制度を始めとする社会保障制度の改善が必要と考えています。
最後になりましたが、この間、調査会をリードしていただきました会長始め、理事並びに運営を支えてくれました委員部、調査室の皆さんの御協力に感謝とお礼を申し上げまして、意見表明といたします。御清聴ありがとうございました。