津田弥太郎の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)
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○津田弥太郎君 津田です。
基本的に和田議員の意見表明に賛同をするわけですが、そうすると若干、北岡議員の意見に反論する形になるわけでございますが、私はまあここ、今日の議員の中では一番最近まで製造業の現場に近いところにいた人間として、率直に今の格差の問題を含めてどういう状況になっているかということを指摘をしながら、問題提起をしたいというふうに思っております。
日本経済は活力を取り戻しつつあるというふうに北岡議員もおっしゃったわけですが、経済が活力を取り戻しているというのは、企業の決算が黒字になっているというところで、まあ大体はそういう表現になるだろうと思うんです。どういう内容で黒字になっているかというところまではなかなか問わない。しかし、その中を見ていきますと、黒字になるために企業はどういう経営をしているかというと、人件費を大幅に引き下げる、そのことによって黒字を出すというやり方を実はやる。
この小泉政権下において、労働の規制緩和がたくさん行われました。特に、製造業における派遣労働が認められるようになって、製造業において、特にここは雇用吸収力が大変多いわけですが、比較をすれば。その職場において、派遣労働を中心としたいわゆる安い労働力が大幅に増加をした。むしろ、その募集内容を見ると、地方によっては、地域によっては正規従業員はどこも募集してないと、派遣しか募集をしてないという状況があるわけで、結果的に、正規従業員として働きたいけれども派遣で働くしかないというそういう状況になっている中で、実は企業が黒字化をしてきた。
経営にとってみれば、それは大変喜ばしいことかもしれませんが、イザナギ景気のように、これは皆さん思い起こしていただければお分かりのように、給料もどんどこどんどこ上がったわけであります、あのときは。しかし、今日のこの景気の回復というのは、働く人たちの労働条件は全然良くなってないわけであります。つまり、アメリカの経済がよく言われておりますジョブレスグロースという言い方をされておりますけれども、日本の場合も正に同じような状況になってきていると思えるわけであります。
また最近、正規雇用が少し増えてきたというのは、正に二〇〇七年問題を本当に経営者も深刻に考えるようになったからこそ採用を始めたんであって、結局、行ってこいの関係であって拡大とは言えないわけであります。その証拠は、厚生年金の加入者が増えているかどうかです。厚生年金の加入者が本当に増えてきているんだったらば、これは間違いなく正規従業員が増えてきているというふうに見ることができるわけであります。しかし、そちらはそうじゃない。つまり、こういう状況では極めて深刻な状況、つまりこの調査会のテーマであります多様化する雇用への対応という点で大変大きな問題点があるということが結論になるのではないのかな、そんな気がしてならないわけであります。
先ほど、若い方が結婚したくても結婚できないという問題がございました。これはこういうことなんです。年収が百五十万とか二百万、この男女が、二人合わせれば何とか三百万とか、まあせいぜい四百万になる。それだったらまあ何とか暮らせるかもしれないけれども、子供ができたときどうなるか。非正規で働いている人たちが子供ができたときに、育児休業が使えるのか、産前産後の休暇がもらえるのか、もらえないんです。だから、結婚できないんです。こういう状況を小泉改革がもたらしているという、これは大変大きな問題点であります。
働く立場からすれば、厚生年金と健康保険と雇用保険、この三保険というのはまあある面ではもう自らの生命線に近い問題であります。しかし、派遣、パートを始め、多くの非正規の人たちはこの三つの保険がないんです。また、この保険料をもし払ったとして、残りで本当に生活がしていけるかどうか。そういう状況ですから結婚はできない、ましてや子供をつくるということもなかなかできない、私はそんな状況ではないのかなと。
これから正に、和田議員がセーフティーネットの問題も取り上げられましたけれども、このことにこれから取り組む必要が大変あるのではないかということを指摘をさせていただきたいと思います。
以上です。