阿部正俊の発言 (厚生労働委員会)

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○阿部正俊君 ありがとうございました。どうぞ意欲的に、全体的な枠組みをきちっと踏まえていただきまして、オープンにかつ公正にやっていただくということが大事なのかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 さて、具体的な話で、今回、児童手当法の一部改正が盛り込まれておりますが、これは私の後に予定されております、特に児童手当につきましては渡辺先生からまた詳しくお取り上げいただけるんじゃないかと思いますので、それは私は少し離れますが、むしろ次世代支援政策と私は言いたいんです。少子化対策というのはどうも大人の現実に、我々の論理ではないかなと。我々の将来の年金が心配だから子供を多くつくっておこうやとか、あるいは生産力が落ちるからもっと子供多くないと困るよとか、これじゃないんじゃないかなと。
 本来、子供は自分で育つんですよ。確かに、産むのは大人です。生まれた子供は、それは乳飲み子はともかくとして、僕は中学生ぐらいからもう大人と同じ扱いにしていいんじゃないかなと。だからむしろ私は、言葉じりではございませんけれども、子育てではなくて子育ちではないかと。一字違うんです。「て」と「ち」の違いだけですけど、えらく違うんじゃないかなと。別な言い方しますと、我が国の状況を考えますと、自分に照らしても反省すべき点が少なくないんでございますが、やはり子の親離れと親の子離れができてないという面がないかなというふうに思うんです。
 子育てといいますと、いかにも何か母親の責任みたいになっちゃうような気がするんですね。小学校五、六年ぐらいになってもまだやっぱり何かそんな感じで、しかも三世代、世帯同居なんて減っているものですから、不安で不安でしようがなくなってくる、責任がある。だから、あとはもう子供産むのが面倒くさいことならば、それはむしろ子供なんかつくらないで優雅な生活した方がええという話になってしまう。ということじゃなくて、世帯として子供を産むか産まないかを決めるんじゃなくて、そうじゃないんです、私が言うのは。世代として、大人の世代がこれから育つ世代、あるいはまだ生まれてもこない世代に対して未来を持った社会と財政を用意するというのが我々の責任じゃないか。
 それからしますと、例えば悪いこと言いますと、今度も何とかテロ対策船とか、あるいは昔何とかエンゼルプランとかやってた、数千億円。一方で、三十兆円ぐらいの国債を発行してツケ回ししてる。これはどうなんだろうかと。まず、ツケを回さないこと、それからいい環境を用意すること、それさえまずやることが先決じゃないかなと思います。お金上げることだけで済む話じゃないだろうというふうに私は思います。したがって、子育てではなくて子育ちということで問題を考えてみてもらったら有り難いなと。
 児童家庭局長さん、あなたはその仕事ですよ。未来の子供たちから見て今の大人に対して発言していくこと、これがあなたの仕事だと僕は思うんです。でなかったら、児童家庭局というのは外しなさい。そう思います。大人の論理だけで今考えていないかということをむしろ反省してみてもらいたい。
 今回だったって、小泉さんの、三十兆円切ったのかもしれませんけれども、やっぱり先送りでしょう。六十年間の国債ですからね。六十年間の子供たちまで使うものを我々が使っているわけです。これは世代として間違いじゃないでしょうか。これは自民党が悪いとかなんとか言えるかもしれませんけれども、世代として考えたらやっぱり、私は世代として、大人の世代として落第だなと思います。だから、極端に言うと、教育基本法の改正も賛成ですが、その第一条には、私は、借りた金は返すと書いてください。プライマリーバランスなんという格好いいことを言ってて、どうも返さない人が多いんじゃないかなという気がするんだけど。どうもこれじゃ政治としては私は落第じゃないかなと思うんですね、経済的にはそれでバランス、しばらくしのげるかもしれませんけれども。そんなふうな感じいたしますが。まあ余り余計なことばっかりしてても駄目ですけど。
 それからすると、私は、少子化対策というよりも、児童手当のあれももちろん大切なことですが、同時に、社会システムとして次の世代に対して本当に子育ち、自分で育つ環境ができているのかねということを考えてみると、例えばよく言われる女性の就業形態、子供は女性からしか生まれませんので、子供がきちっと生まれて育つ環境ができているというようなことを考えると、就業のMカーブなんというのはもうとんでもない話なんじゃないかなと思うんですね。これ余り改善されたという話も聞きません。育児休業ということも、取得率もどの程度なのか、どの程度進んで、そのために経済界も含めてどう協力したのかということについては見えてきてない。
 これじゃやっぱり私は次世代支援政策にはならないんではないかというふうに思うんですね。少子化対策というような言葉はやめましょうよ。大人の論理じゃないですか、それは。次世代の、どういうふうに育てられる、育つ環境が用意できるかという発想で物事考えてもらいたい。
 したがって、例えば女性の就業のいわゆるMカーブ、妊娠・離職、あるいは就職・就業、出産・離職・就業、子育て・離職・就業というようなことがやっぱり直されないと本物の次世代支援政策にはならないんじゃないか、借金を増やさないことはもちろんのことでございますけれども。
 この辺について、ひとつ御所見をちょうだいしたいと思います。

発言情報

speech_id: 116414260X00720060329_017

発言者: 阿部正俊

speaker_id: 13814

日付: 2006-03-29

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会