佐藤雄平の発言 (国際問題に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○佐藤雄平君 民主党の佐藤雄平でございます。
 まず、それぞれ皆さんの今御意見を聞かせていただきまして、本当に感銘しております。今のそれぞれのお話は、私はもう極めてフォーマルな外交の一環の中であろうと。そういうふうな中で、この調査会で私も一度申し上げさせていただきましたけれども、外交というのは国益と国益がある意味ではぶつかる、場合によっては犬猿な感じになる。そういうふうなときに、文化、芸術、この外交というのも極めて大事であろうなと、そんな思いをしております。
 今日、公明党の浮島先生おられますけれども、この八年の中で私もモスクワと北京に行ってまいりました。いかに文化、芸術が大事であるかなということをまざまざと実は見せ付けられてきました。
 四年前、モスクワに行って、たまたまボリショイ劇場で、あそこでオペラを観劇する機会があったんです。ずっとあそこ、もう三百年も前の大変な劇場の中、これ三千人ぐらい入るんですけれども、ずっと見回したらば、もうほとんどの人が実はヨーロッパからいわゆる宿泊しながらオペラを聴きに来ている、見に来ている。その状況を見ると、やっぱり思想、主義以上に、芸術文化というのは正に超越しているなと。あそこに来てオペラ、バレエを見ていくと、やっぱり一つの気持ちになって、それがそれぞれ国と国の大きなきずなになっていくんだろうと、そんな思いをしました。
 その直後、また中国に行く機会があったんですけれども、あのときはそれこそ外務省が機能を果たしていないときでございまして、北京に行きましたら、実は宇多田ヒカルのCDが三千枚売れていると。これはもう大変な、宇多田ヒカルさんがあのときの外務大臣よりもはるかに外務大臣の役割を果たしているかなと思ったぐらい、これはやっぱり日本の歌を中国の人民が歌ってくれるというのは、いつの間にか体の中で日本を理解していることになるんであろうかなと、そんなことを思いながら、フォーマルな外交と同時に人民外交の重要性を改めて感じてまいりました。
 そしてもう一つは、ロシアとのいわゆる北方四島との問題でありますけれども、委員長をさせていただいて、これは五年前ですかね、国後、択捉に行かせていただきました。あのとき、なかなかやっぱりこれ日本に帰属するというのは大変だなと思うのは幾つかあったんですけれども、択捉島に行って択捉島を一周したんです。そうしたら、あそこには河川が全部で七つ河川がありまして、その河口のところを視察をするとゲートがあるんです、門があるんです。何でここにゲートがあるんですかと聞いたら、サケとマスが遡上し過ぎて滞積して腐ってしまうんだね、ですから入口規制をしているんです。
 そういうふうな中で、あそこに行っている人たちはみんなロシアの東側の人が出稼ぎで、ウクライナからも行っていると言っていましたけれども、要するにロシアの東側の正にドル箱になっている。これはなかなか、我が外交で頑張っても帰属するには大変なことだなと思いながら、子供たちといろんな交歓会を実はしたんです。そうしたら、子供たちにその話をすると、子供たちはみんなじいちゃんの時代からもう住んでいると言うんですね。じいちゃんの時代から住んでいる。場合によっては三世の方がもういるんです。ですから、これが返ってきたとき、これはもうその子供たちはどういうふうな日本に対する印象になるかというふうなことになったら、もう我が国が取られたということになってしまうのかなと、その今の択捉島にいる、四島にいる子供たちからすれば。
 それで、その子供たちのどういうふうな教育をしているかということで歴史の話をずっと聞いたんです。そうしたら、その子供たちは、クリル諸島というのはもう昔からロシアの領土であると、我が国であるというふうな認識、歴史で教えてもらっていると。
 そんなとき、先進国首脳会議があって、その次の年でしたかね、これがロシアが初めて参加をしたんです。あのとき、私はやっぱり日本の外務省として最も大事なことは、先進国であるんであれば歴史の共有が必要であろうと。歴史をきちっとお互いに理解しなかったら、これはもう四島なんて返ってくるはずもありませんし、またある意味では、中国と韓国の問題についても歴史のお互いの理解の違いがある。そんなことを考えると、やっぱり教育の中での一つの統一した見解というのが外交の中でこれから必要であろうなと。
 そういうふうな意味でも、私は、国連の役割というのはそれぞれ通商外交とかいろいろ軍事的なことはあるでしょうけれども、しかしながら文化、芸術、それから歴史の共有、こういうふうなことがこれからの外交のある意味では前提となる、共有しなければならない、そんな基礎になるかなと思うところであります。
 以上。

発言情報

speech_id: 116414308X00620060419_013

発言者: 佐藤雄平

speaker_id: 18323

日付: 2006-04-19

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会