北城恪太郎の発言 (少子高齢社会に関する調査会)
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○参考人(北城恪太郎君) まず、少子化の問題については、いろいろな提言が出ておりますが、結果としてはなかなか成果を上げてない。これは、簡単な政策で一つこれを行えば成果が出るというものではなくて、いろいろな対策が必要だと思います。それは、経済的な問題、それから価値観の問題も含めて対応しなければならないと思うんですが、ただ、その中でまず子供を産み育てたいという人たちがいると、現実に。その人たちの制約を取ることがまず第一番の優先順位ではないか。子供を産む、産まないというのはそれぞれの家庭の価値判断ですが、そういう人たちの価値を変えていただくこともまた必要ですが、なかなかそれをすぐに政策として実行するのは難しいと思いますので、そういう意味では、まず子育てをしたいという人たちに対する支援策を充実する必要があると。
で、現実にそれが十分できているかというと、先ほどの保育園の提供についても、多くの子育てをしている、まあ私どもの社員も保育園の問題が一番大きいと。会社の近くに、あるいは会社の中に保育園というのも一つなんですが、なかなかそこまで子供を連れていくことが難しいので、自分の家の近くで自由に預けたいけれども、なかなか待機児童の問題もあるし、それから柔軟性ですか、勤務時間が少し延びたときにも対応してもらえないというようなことで、やはり保育園の問題をまず解決すべき。
それから、先ほどいろいろ連合の方からもお話ありました経済的な支援、出産費用の支援あるいは育児手当の充実。これは、育児手当等に関しては、これから財政が厳しい中で高齢者への年金その他の給付とどういうバランスをしていくかという検討は必要だと思いますが、急激な少子化は非常に大きな問題だとすれば、財政的にも政策的にも優先順位を高める必要があるんではないか。
それから、企業の側としても、持続して勤務できる体制をつくらない限り、なかなか職場復帰そのものは難しいですから、したがって持続して勤務をするというような価値観を持つ必要がある。それは企業のトップが持ちませんとなかなか企業の経営は変わりませんので、企業のトップに対する啓蒙活動がまだまだ十分いっていないんではないかというように思います。
それから、安定した雇用、特に若年層の雇用の問題ですが、これは企業の立場とそれから若者の考え方と両方に問題があると思いますが、企業の立場からすれば、本来若者の採用はしていきたいと。ところが、日本の労働慣行、非常に固定的で、処遇が高齢者になるに従って給与が上がっていくと、単調にですね。なおかつ、十分な成果を上げなくても、成果に応じた処遇であれば高齢者でも十分定年まで働いていただけるんですが、いろんな理由で成果以上の処遇を得ている高齢者の方が会社に残ってしまうと、その高齢者の雇用を守るために若年の採用を抑えたというのが企業の側にあると。特に、景気が悪かった段階で高齢者の雇用を守るために若年を採用しなかったという問題があるんで、ここら辺は、成果に応じて処遇をさしていただく形であれば、若年に限らず高齢者の雇用も推進ができると我々は思っています。
一方、若者の意識としては、まず正社員で働くということが重要だというのを、これは教育あるいは家庭の中で価値観として与えていただきたいと。要するに、自分に合った仕事がなければその仕事が見付かるまで家にいていいというような価値観で親が子供に話しますとニート、フリーターになるおそれもありますし、まず仕事に就いてみなければ本当に仕事の面白さは分からないので、まず正社員として就職すると、何が何でも就職するという価値観を学生時代に与えていく必要がある。日本は豊かになってしまったために、親が正社員で働くことを子供に求めていない、あるいは学校教育でもそういう価値観を与えてないというふうに思うんで、そういう意味では、子供に対する職業観ということの教育の中で対応していく必要があると私は思っています。