若月秀夫の発言 (教育基本法に関する特別委員会)
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○若月参考人 児童生徒中心主義の克服ということでございます。
せんだって、これはある地方都市でございますけれども、ある授業を見ました。そこでは、いじめをどうするかというのが子供たちの議題でありました。本来であれば、教師が指導をする、教師が適切に指導するべきなんですが、そこでは、子供に話し合わせて、子供たちでその解決をさせるんだという授業をやっておりました。
もちろん、子供たち自身に考えさせる、子供たちにみんなで協力をさせる、これは基本であります。しかし、子供たちに解決をさせるべき問題なんだろうか。授業が終わった後、なぜ、先生、もう少し、この場合、いいものはいい、だめなものはだめなんだということを明確に言わないんだ、こういうことを申し上げました。ここに教師の、今、一つのちゅうちょがあります。
要するに、子供の主体性とか、子供はもちろんすばらしい、エレン・ケイの二十世紀は児童生徒の世紀だと高らかにうたった本がありますが、あれをそのまま受けて、とにかく子供の言うとおりに、子供の言ったことを第一義にということで、指導とか教育というものがかなり後退した実例がございました。そういった意味で、この具体的な例だけではなく、ほかの学習の面でもそうであります。
それから、規範意識の面でもそうであります。本来、私たち大人が、文化として、習慣として、日本の伝統として伝えていくべきものまでも、子供たちにすべて考えさせ、子供たちが納得しないんだったならば、それを無理に押しつけることは、これはいかがなものかといったような教育的な風潮というか風土が、戦後の日本の学校教育の中には間違いなくはびこってしまったので、それに対して、むしろ、いら立ちを感じていたり、歯がゆさを感じている教師も最近多々出てきているというのが現状である、こんな認識でございます。