加藤勝信の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)
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○加藤(勝)議員 私どもの提案させていただいております百九条に今の御指摘の各文言が入っているわけでありますが、一つ一つ順番に御説明をさせていただきたいと思います。
まず、「組織により」という要件は、複数の行為者の間で、指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動するということであります。例えば、仕事帰りの職場仲間が居酒屋で憲法談義を展開し上司が飲み代を支払った場合は、「組織により」という要件には該当しないと考えております。
また、「多数の」という要件は、必ずしも何人以上が多数に当たるかは一概に言うことはできませんが、その行為がなされた具体的状況に応じて多くの者を対象とするということであり、その趣旨は、社会常識で許容される範囲を逸脱する悪質な行為を処罰しようというものであります。
「勧誘し」という要件は、外形的な積極的勧誘行為を要することを要件としたものであり、その勧誘行為と財物、役務との結びつきを条文上要求することにより、罰則が科される行為を明確にして、萎縮効果を排除するために設けられたものであります。勧誘行為に至らない、単なる意見表明、憲法談義があっただけではこの要件には該当いたしません。
「報酬として」という要件は、公職選挙法における買収罪の要件として、解釈上、報酬性、対価性が要件とされていることから、万が一にも拡大解釈されるなどの疑義が生じることのないよう、条文上明記することとしたものであります。
「影響を与えるに足りる」という要件は、投票行動に影響を与えるに足りるだけの一定以上の価値、すなわち、社会的に相当な財貨性を有するもののみを対象とするという意味であります。この要件は、国民投票運動に随伴して配布されることが社会通念上許容されるビラ、うちわ、ティッシュなどのように著しく価値の低い財物の配布行為を買収罪の対象から排除するために設けたものであります。