森本敏の発言 (外交防衛委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(森本敏君) 私が八〇年代、ワシントンの日本大使館に勤務している間、いつも日本から議員の先生がおいでになる際、国防省を訪問し、国防省で必要なブリーフィングを行う。これはほとんどDIAとCIAの担当官が出てきてブリーフィングを行うのですが、事前に国防省から大使館の方に、今度来る議員にどの程度話したらよいのか、ちょっと率直に聞くということを必ず言ってこられるわけです。で、いや、もう十分お話しくださいとか、ここの分野についてはちょっとセンシティブなので少し程度してくださいとかということを申し上げるわけです。というのは、アメリカの日本を知っている担当者は、全部日本の立法府の方に秘密保護の法的義務が掛かっていないということを知っていて、CIA、DIAのクラシファイドのブリーフィングを行うときに、やっぱりその情報がどういう状態で出ていくかということに彼らは一定の基準がなく非常に迷うわけです。
 これは恐ろしく難しい問題で、日米同盟関係を将来危うくする原因の一つとなりかねないと思いますので、私は、議員に一律に機密保護を適用するという考え方は私は取りません。どういう考え方かというと、ある秘密というものに接した者、これは議員であれスタッフであれ企業の人であれ、その秘密というものに接した者が機密の保護の義務を負うということでなければ、だれでもかれでも議員にだけ秘密保護の義務を与えるというのは、これは適切ではないと考えます。
 しかし、議員の方々ほとんどはそういう秘密に接する機会が多いわけで、私は末席ながら役人を三十年やってきたのですが、やっぱり役人の場合も、はっきり申し上げると、議員の先生に呼ばれて説明をするときに、どの程度話すかということについては上司の許可を取って説明に来るわけであります。こういうことをしているのでは、本当に立法府が政策の議論をしていただくということにはならないわけで、先生御指摘のように、例えばアメリカにあるような情報特別委員会のようなものを設け、そこの議事録はデリートされた秘密部分であって、その中で行われる審議はすべて秘に関するブリーフィングが行われ政策が議論されるという方法は、その秘密に接する者に秘密を守る義務を規定するということによって初めて可能となるわけで、私のわずかな経験では、ミサイル防衛をアメリカが日本の議員に説明しようとしたときに非常に深刻な問題が起きて、アメリカの中でクリアされていないこの秘密を日本の国会に持ってきて各政党に説明するということにアメリカは非常にちゅうちょしたわけです。
 ということは、本当の技術的な秘密部分を説明を受けずにミサイル防衛の技術的評価をするというのは、本当のところはどだい無理な話でありまして、そういった政策を真に議論していただくためには、これは別に議員だけではなく、議員のスタッフであれ、今申し上げたように、企業の人であれ、すべてその秘密に接した人にその秘密を守る義務を課するという、ある種の機密保護法を設けるということによって秘密公聴会もでき、情報委員会も設置でき、あるいは国会議事録に別のバージョンをつくるということもできるわけで、すべてが公開バージョンという中で政策を議論していただくのには、今はともかく余り大きな問題は起きていませんけれども、将来、国家が非常に緊急事態になったときに、これは国として機能しなくなるということなのではないかということを、念頭にあって先ほど申し上げた次第です。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 116513950X00920061212_023

発言者: 森本敏

speaker_id: 34495

日付: 2006-12-12

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会