森本敏の発言 (外交防衛委員会)

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○参考人(森本敏君) 高野議員の御指摘のとおり、集団的自衛権という問題を正面から取り上げてこれを可能にするためには、憲法問題になるというのは明らかで、私は憲法をきちっと、正攻法で憲法問題を処理をして集団的自衛権を行使できるようにすべきだという考え方、立場を取っています。
 ところで、それでは御指摘のように、集団的自衛権を自衛隊が行使できるというときになった場合、自衛隊の集団的自衛権行使というのは当然のことながら領域の外で行うわけですから、領域の中で集団的自衛権というのは原則ないわけですから、領域の外で自衛隊が行う活動に何らかの制約要因か歯止めを付けるべきだという考え方を私は取らないんです。取らないんです。どうしてかというと、いかなる国の軍隊といえども、どこか活動すべき領域だとか地域というようなものが制約をされている部隊があるのかというと、私は国内法においてそういう縛りが掛かっている軍隊はないと思います。
 ところが、例えば北大西洋条約はその第五条で、北米大陸及び欧州における北大西洋条約加盟国の一若しくは二以上の国に対する武力攻撃があった場合、すべての国に対する攻撃とみなして、これはみなし行為なんですが、みなして集団防衛をするという集団防衛条約になっているわけで、あくまで北大西洋条約が発動するのは、条約をそのまま素直に読めば、北米及び欧州のNATO国に対する武力攻撃であって、例えばユーゴ紛争のように、ユーゴの中でAとBの部族が争うということは、これは北大西洋条約加盟国に対する武力攻撃が明示的にあるわけではないので、北大西洋条約をそのまま発動してNATO軍を正規に出すということができないわけです。こういう場合には、したがってNATO条約、いわゆる北大西洋条約に基づいてNATOが活動できる領域というのは制約はあるわけですけれども、例えばいかなる、アメリカ軍であれ中国軍であれロシア軍であれ、世界じゅうのいかなるところにでも出れるというのが原則です。私は、集団的自衛権を行使した場合に、日本の自衛隊をどこどこまでは行っていいとか、どこまでは行って悪いとかというような制約要因を掛けるべきではないと思います。
 ただ、一つだけ、我が国が、その場合、将来一般法という形でこの問題が議論される際、どうしても入れていただきたいなと思うファクターというか要因というのは、我が国のクリティカルな国益を追求するに必要な、もうそれしかないという我が国のそれもクリティカルな国益を、その国益を定義しないといけないことは当然のことながら、国益を重視して、その国益を追求するところであれば、たとえそれがどこであっても出るべきだし、あるいは我が国の周辺であっても国益でないところには出るべきではないし、あくまで判断の基準は地域ではなく国益であるべきだという考え方を取っていますので、地理的範囲に基づいてこの集団的自衛権行使に制約要因を掛けることには反対です。

発言情報

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発言者: 森本敏

speaker_id: 34495

日付: 2006-12-12

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会