伊藤元重の発言 (内閣委員会)
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○伊藤参考人 委員がおっしゃるとおりでございまして、例えば、少し具体的なイメージを、これは日本のシンクタンクの例でございませんけれども、参考になると思いますので、二つほど私のよく存じ上げているケースを申します。
一つは、アメリカのボストンにナショナル・ビューロー・オブ・エコノミック・リサーチ、NBERというのがございまして、ここは、極端に言うと、ほとんど中には事務スタッフ程度しかいないんですね、もちろん、それはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども。ただ、近くにハーバード、それからMIT等々の有力な学校があって、そういうところから、いわば、例えば財政問題であれば財政の専門家でありますとか、あるいは貿易問題であれば貿易の専門家を呼んできて、それでネットワークをつくってプロジェクトを始める。ある一年とか二年の間に成果を出して、その時々の重要な問題について問題発信をする。
これは恐らく二つの効果があって、一つは、成果そのものが非常に大切であるというだけじゃなくて、ともすると、例えば大学の研究者の場合であると学問分野にどうしても入りがちなんですけれども、そういう人たちのいわば能力を政策問題とか現実の問題に引っ張り込むという意義があったと思うんです。日本は、残念ながら、まだそういう機能を果たすところが比較的少ないということがあるので、もしNIRAがそういう役割を果たせればいいなと。
それからもう一つ、私が非常に関心を持っている研究所は、例えば、民主党系でいうとブルッキングス研究所、それから共和党系でいうとアメリカン・エンタープライズというんだと思いますけれども、ここは、例えば我々の仲間なんかの若い研究者あるいは政府の関係の方が、そういう本務から離れて二年とかそこにいて何かテーマを持ってやる。そこである意味でいうと力を蓄えていただいて、その後の、いわば次の政治あるいは行政、研究の中でそれを生かしていただくという形で、大きなネットワークをつくる一つの結節点になる。
日本の場合にも、やはり日々の仕事の中でじっくり問題を考えることがなかなか難しくなっているこのごろですから、もしNIRAみたいなところで二年しっかり研究していただいて、もちろん成果は出していただかなきゃいけないと思うんですけれども、そういう形で人材の結節点になるようなことになれれば大変すばらしいというふうに思っております。