保岡興治の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)

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○保岡委員 一昨年及び昨年の海外派遣による調査あるいは文献調査によりますと、諸外国においては、それぞれの国の特性に応じてではございますが、一般的国民投票制度というものを法体系の中に組み入れている例も少なくないのでございます。しかし、現行憲法は国会を国の唯一の立法機関であると規定して、基本的に議会制民主主義を採用しており、これらを補完するものとしての直接民主主義の制度は、わずかに最高裁判所の裁判官の国民審査、地方自治特別法における住民投票、そして憲法改正国民投票の場合に限定されています。
 一般的国民投票制度は、民主党御提案のようにその効果が諮問的なものであるとしましても、事実上の拘束力があり得ることは否定できない。この憲法の定める議会制民主主義の根幹にかかわる重大な問題でありまして、むしろ憲法改正事項そのものではないかとの懸念も払拭できないものでございます。また、そもそも国民投票が必要的な要件とされておって、かつ、その結果に法的拘束力がある憲法改正国民投票と、任意で諮問的な効果が想定される一般的な国民投票とでは、その本質を全く異にするものであることなどにもかんがみますと、今回は憲法改正国民投票法制に限定して制度設計するのが適当であると考えております。
 もっとも、一般的国民投票制度といっても、その対象を広く国政上の重要問題一般とするのではなくて、個別の憲法問題に限定した諮問的、予備的国民投票制度については、議会制民主主義の例外として国民投票を要する旨を定めている憲法九十六条に関連するものとして、比喩的に言えば、憲法九十六条の周辺に位置するものと言うこともできます。ただ、発議の形式や議決要件など、その具体的な制度設計についてはまだまだ議論が必要で、今直ちに本法律案に明記する段階に達しておらないので、慎重な検討が必要ではないかと思います。
 そこで、このような憲法改正問題についての国民投票制度の是非について、本法によって創設される憲法審査会において今後検討すべき重要事項の一つとして附則に明記する修正をしたところでございます。
 なお、この論点については、昨年十二月十四日に、民主党提出者から、対象に一定の限定を加える案、憲法改正に係る予備的国民投票に限定する案、このような限定的な国民投票法案について、憲法審査会の所管とすることを前提に、その是非や具体的制度設計についての検討条項を附則に明記する案を党内で議論し、結論を得たい旨の御発言がございました。今回の与党修正案は、民主党が検討している、今最後に申し上げた案の一つを採用したものでございます。
 以上です。

発言情報

speech_id: 116604968X00420070329_006

発言者: 保岡興治

speaker_id: 16198

日付: 2007-03-29

院: 衆議院

会議名: 日本国憲法に関する調査特別委員会