安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 池田元久議員にお答えをいたします。
 いわゆる格差問題についての考え方についてお尋ねがありました。
 私は、努力した人と汗を流した人が報われ、達成感を感じる社会にしていくことが重要と考えており、単純に、人々の努力の違い、能力の違いに目をつぶって、結果平等を目指すような社会をつくろうとは思っておりません。
 ただ、重要なことは、格差が不公正、不公平な原因の結果生まれたものであってはならないということであります。また、努力が成果に結びつくことを阻害している要因があれば、それを取り除くことが重要であると考えております。
 我が国の所得格差を示す指標であるジニ係数は、長期的には緩やかな上昇を示していますが、これは、高齢者世帯の増加という人口動態要因、あるいは世帯人員数の縮小などの家族形態の変化要因などが寄与している部分が大きいと考えられます。
 他方、世代内の格差を見ると、高齢者層の所得格差が最近低下してきている一方で、二十歳代、三十歳代で格差の拡大度合いが大きくなっています。
 その背景としては、フリーターといった若年層の非正規雇用者の増加など、雇用形態が多様化していることも影響していると考えられます。こうした非正規雇用者の増加が将来の格差拡大につながるおそれがあることから、注意が必要であると考えられます。
 成長が続いても非正規雇用者等が取り残されることはないのか、また、私がとろうとする政策の道筋をわかりやすく示せとのお尋ねがありました。
 安定した経済成長を続けることで、経済社会の各層に雇用拡大や所得の増加という形で経済成長の成果を広く行き渡らせるというメカニズムは、現在の景気局面においても引き続き有効であると考えています。
 したがって、今後重要なことは、日本経済に新たな活力を取り入れ、安定した経済成長を続けることであります。このため、まずは、革新的な技術、製品、サービスなどを生み出すイノベーションと、アジアなどの世界の活力を我が国に取り入れるオープンな姿勢により、起業や設備投資の促進等を通じ、生産性を向上させ、成長力の強化を進めるとともに経済全体の底上げを図っていきます。また、種々の施策によってこれを補強します。
 具体的には、正規労働者との均衡処遇を進めていくためのパートタイム労働法の見直しや、セーフティーネットとして十分に機能するようにするための最低賃金制度の見直しを行います。非正規雇用の状態で正規職員になりたいと思っている方々が正規雇用にかわっていけるよう、新たな就職・能力開発支援などを行います。
 また、雇用情勢が特に厳しい地域に重点を置いて、雇用に前向きに取り組む企業を支援するほか、地域資源を活用した中小企業の新事業展開への支援、地方の魅力を生かして活力を引き出すため、頑張る地方応援プログラムや農業の戦略産業化等を進めます。
 さらに、働く人の観点から成長を考えるという意味で、今回、働く人全体の所得、生活水準を引き上げつつ、格差の固定化を防ぐことを目指す成長力底上げ戦略を取りまとめたところであります。
 今後、官民一体となって政策の具体化に向けて取り組んでまいります。これにより、我々が今進めている新成長戦略は、だれも置いていかない成長であるということを示してまいります。(拍手)
 財政健全化との関係につきましては、今後とも、経済成長を維持しながら、国民負担の最小化を第一の目標に、歳出歳入一体改革に正面から取り組んでまいります。
 こうした取り組みを進め、二〇一〇年代半ばに向け、債務残高の対GDP比率を安定的に引き下げることを目指し、まずは二〇一一年度には、国と地方を合わせた基礎的財政収支を確実に黒字化します。
 このように、成長力強化と財政健全化の双方を車の両輪とするバランスのよい経済財政運営を一貫性を持って継続的に行ってまいります。
 租税政策と格差是正に関してお尋ねがありました。
 定率減税は、平成十一年当時に景気対策として導入された暫定的な負担軽減措置であり、こうした導入の経緯や経済状況の改善を踏まえ、半減、廃止をしたものであります。
 また、平成十九年度税制改正においては、我が国経済の成長基盤を整備する観点から減価償却制度の抜本的な見直しを行うとともに、住宅・土地税制の見直しなど国民生活に配慮した措置を講じています。これにより、経済の活性化が図られ、さらには家計部門にも好ましい影響があるものと考えられます。
 いずれにせよ、さきに述べたように、今後重要なことは、日本経済に新たな活力を取り入れ、安定した経済成長を続けることによって、経済社会の各層に雇用拡大や所得の増加という形で経済成長の成果を広く行き渡らせることであると考えています。
 このため、まずは、イノベーションとオープンな姿勢により成長力の強化を進め、経済全体の底上げを図ってまいります。
 日本経団連の御提言、法人税及び消費税についてのお尋ねがありました。
 御指摘の提言は、税制改革についての経済界としての一つの御意見と承知しております。
 いずれにせよ、本年秋以降、本格的な議論を行い、十九年度を目途に、社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しなどを踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでまいります。
 こうした税制改革に向けた検討の中では、御指摘の法人税や消費税も含め、各税目がそれぞれ果たすべき役割を見据えながら、税体系全体のあり方を検討する必要があると考えております。
 認定NPO法人制度についてのお尋ねがありました。
 認定NPO法人制度については、NPO法人制度の発足後、日が浅いこともあり、財政基盤の脆弱な小規模なNPO法人が多いことから、こうしたNPO法人にとって認定要件が複雑であり、また申請手続の負担が重いとの御指摘がありました。
 こうした御指摘を踏まえ、平成十八年度税制改正において、認定要件について、小規模NPO法人に対する簡易な判定方式を創設するとともに、申請手続の負担軽減等の見直しを行ったところであります。さらに、公益法人制度改革に伴い、寄附金税制全般の見直しを図る中で、総合的な検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、認定NPO法人の認定は、国税の優遇措置について全国一律の基準で認定するものであることから、諸外国における実態等を踏まえ、国税庁長官が認定する制度としております。認定に当たっては、客観、明確な数値基準によるものとしており、国税庁が認定権限を持っていることに無理があるとの御指摘は当たらないと考えております。
 道路特定財源の見直しについてお尋ねがありました。
 道路特定財源については、昨年九月の所信表明で述べた方針のとおり、昨年十二月に「道路特定財源の見直しに関する具体策」を決定したところであります。
 これは、暫定税率期間の終了に一年先立って具体的な見直しを決定したものであり、特に、揮発油税を含め、二十年の通常国会において所要の法改正を行い、税収全額を道路整備に充てることを義務づけているこれまでの仕組みを五十年ぶりに改めることとしており、先送りや骨抜きといった御批判は全く当たらないと考えております。
 私の内閣の政権担当能力についてのお尋ねがありました。
 取り組むべき課題があれば、放置することなく、必要な政策を議論すべきであり、目の前の政治課題に対して直ちに行動を起こすのが私の内閣の政治姿勢であります。
 その議論の過程においては、さまざまな立場から活発な議論をいただくことが、政治運営に活力を生み、真に国民の負託にこたえる道であると信じております。その上で、いかなる政策も、最終的には総理である私が決断を行います。今後とも、決断と行動で政権運営に当たってまいります。
 民主党の皆様に私の政権運営能力に心配をしていただく必要はないと思います。民主党の皆様は、民主党の政権担当運営について御心配をいただければと、このように思っております。(拍手)
    〔国務大臣尾身幸次君登壇〕

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2007-02-20

院: 衆議院

会議名: 本会議