島田晴雄の発言 (予算委員会公聴会)
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○島田公述人 私も、所得格差と経済変動の関係をずっと統計的にも研究しているんですけれども、これは、長期で見ても、中期で見ても、短期で見ても、ほぼ共通の傾向性が見られます。
長期で見ますと、経済発展するときは、停滞していますから格差が広がるんですけれども、しばらくたつと格差が縮んでまいります。あるいは、景気変動でもそうで、景気が悪化すると格差が拡大する。
理由は共通の理由なんですが、経済が停滞しているときというのは需要が少なくなりますから、競争条件の恵まれない労働者の方はうんと賃金、所得が落ちていくんですね。経済が発展してまいりますと、需要がどんどんふえてきて労働力が不足になりますから、枯渇してまいりますので、恵まれない方もそこの給料や所得が上がってくるので格差が縮む。これは共通法則だと思います。ですから、成長こそが格差を縮める最大の戦略だ、これはもうはっきり踏まえておいてよろしいと思うんです。
ただ、先ほど同時に申し上げたのは、しかし、世の中というのはそう単純じゃありませんで、いろいろな制度的、構造的理由で、そういう機会からこぼれる人がいるんですね。それをセーフティーネット、生活保護、最低賃金その他で支えていくのが近代国家です。
私がさっき、ぜひ先生方に頑張っていただきたいと思ったのは、だれがどのようにこぼれて、どんなところに苦しんでいるんだというデータが、実はまことに不十分なんです。統計が、労働力調査というのがありますけれども、これは、そういうことを発見できるような質問項目が入っておりません。特別調査というのがあって、時々有効な質問が入ることがあるんですけれども、もっとこれは、常時おやりになった方がいいし、就業構造基本調査というのは数年置きでございます。いろいろなものが数年置きですから、実態がよくわからないんですね。業務統計は、失業保険、雇用保険をもらっている人は確実に調べますけれども、縁が切れるともうわからない。
ですから、こぼれる方々が安心して暮らしていくということは非常に重要なので、どうなっているんだというのをやはりしっかり、大して予算はかからないんですから、本気でやっていただきたい。これは、来月、再来月に結果が出るというものじゃありませんけれども、政治ですから、来月、再来月に何か言わなきゃいかぬ、選挙もあることですし、そういうのはわかりますけれども、しかし、それと同時に、しっかり腰を据えた横綱相撲はとっておいてもらいたい。近代国家ですから、頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。