島田晴雄の発言 (予算委員会公聴会)
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○島田公述人 日本がバブル崩壊後、厳しいデフレを脱却しようという中で、企業が自己改革をして力をつけて、国際競争、これから日本の市場は飽和してまいりますから、成長分はほとんど海外に求めなきゃいかぬというような厳しい状況の中で、企業が頑張ってきたわけですね。
そうしますと、やはり中国のような国を見ますと、大変技術が進んできておりますけれども、依然として賃金は日本よりも二十分の一以下だ、そういうところと競争しなきゃならないわけですから、安易に賃上げできないという状況で来ているわけですね。その中でまた雇用も絞ってきているものですから、雇用不安もあって、なかなか家計が消費を、かつてのように出ていくということは難しい状況ですけれども、これは回復してくるのに相当時間がかかると思うんですね。徐々に徐々に、経済全体がよくなっていきませんと簡単にいかない。
もう一つ私は重要なことがあると思うのは、実は、人口が高齢化していまして、ますます多くの方々が高齢者、あるいは定年退職してまいりますよね。ことし六十を迎える方は二百二十六万人ですけれども、前後十年ぐらいを見ますと、定年退職される方は千万人ぐらいになってくるわけですね。そのうちの半分以上の方が大都市に住んでおられる。この方々の消費能力というのは非常に大きいんですね。ところが、この方々は、生活を安定し、安心したい、老後に備えたいといったときに、実は物価とか所得の多寡ということよりも、この人たちにちょうどいい多様な生活サービスの選択の余地が少ないんですね。
これは、日本は製造業は非常に頑張ってきましたけれども、生活産業、生活サービスというのはある意味では非常におくれていて、大部分が官製市場と言われるような単一的なものですから、人々の志向がもう非常に多様に、ライフスタイルが多様になっているときに、それでは不十分だ。これが私はある意味では構造的に、今後の高齢成熟社会の消費の力をもっと高めていくためには、そこの供給をもっともっと豊かにする必要があるんじゃないか。
これは何かというと、やはり規制改革なんですね。医療だとか介護だとか、いろいろなところに民間企業の創意工夫がたくさん入る、あるいは外国からの投資もどんどん入って、こんな楽しい生活ができるんですよということを鼓舞していくということが、高齢成熟社会の新しい消費を高めていく根本的な一つの方向になるんじゃないか。ケインズの時代の考え方に我々はとらわれ過ぎていて、勤労者、所得、消費、こうなっていますけれども、勤労していない方の消費というのはもっともっと大きい可能性があるので、ぜひ構造的なシステム改革を考えていただきたいと思います。