島田晴雄の発言 (予算委員会公聴会)
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○島田公述人 ありがとうございます。
私は、成長こそが格差を縮小していく最大の戦略だと申し上げましたけれども、今般もう長期成長段階に入ってきて、緩やかですが、数年前は失業者は三百万人を超えておったわけですけれども、今は二百二十万人ぐらいですから、明らかに雇用機会がふえてきて、それは長期的に必ず格差を縮小していく結果につながるわけですね。そういうことで、これは基本で踏まえておく必要があると思います。
ただ、もう何度も繰り返し申し上げましたけれども、構造的、制度的、あるいはその他の条件で、経済機会に恵まれない人たちというのがどうしても出てくるんですね。セーフティーネットとして生活保護を受けておられる方が百七十万人ほどおられますけれども、それの実態をどう把握するかということで、実態把握はできるのかできないのか。私はできると思います。
労働力調査というのを毎月やっているわけですね。これが一番、我々は基本に使う調査ですけれども、数万件の世帯に順繰りに、いろいろローテーションしてサンプルをとっているわけですが、これに質問を、生活状況に関する質問あるいは雇用保険の受給状態に関する質問、二問ぐらい入れていただければ、いろいろなものがつながって見えてくるんですね。それから就業構造基本調査とか、一番ベーシックなのは国勢調査がありますけれども、これはインターバルが長いものですから、やはり機動的な調査に質問を工夫するといろいろなことの実態がわかるので、ぜひそれはやっていただきたいと思うのです。
それで、フリーターの定義がどうのこうのというのは余り生産的な議論じゃないんですけれども、しかし、かなりはっきりしていることは、バブル崩壊、デフレの中で、就職氷河期という時期があったわけです。十年ぐらい、とても若い人が苦労した時期がありました。このときに、雇用できなくてこぼれた人たちがいらっしゃるわけですね。フリーターと言われている人の中には管理が嫌だという人もいまして、それは相当数いるんでしょうけれども。いい雇用の機会につこうと思ったけれども、こぼれてどうしてもつけない。つけないまま、日本の雇用制度の、労働市場の状況の中ですと、ずっとこの人たちは恵まれないですね。
私は昔アメリカにいたときに、大不況のときに労働市場に出た人たちのコーホート分析というのをやりましたけれども、アメリカのような市場ですら一生不利になるんですよね。ですから、日本のような労働市場だともっと不利になると思いますので、どんな状況なのか、どういうふうにしたら再雇用できるのかというあたりは、しっかり一回研究する、これは不可能じゃないと思います。サンプリング調査でもいろいろなことができますから、ぜひおやりになって。
それから、氷河期にたまたま、たまたまというか運よく就職できた人は数が少ないんですね。成長が始まったものですから、今度はこの方々は、残業が延びるわ、サービス残業だとすり切れています。このままだと、貴重な労働力、家庭生活もまともに営めないような人が出てきていますから、この辺もしっかり調査しておいた方がいいのですね。
そういう、やはり対象をしっかり確認した上で最も有効な戦略を組むというのは、これは一カ月や二カ月じゃ出てこないと思いますけれども、労働力がどんどん減っていくという非常に大きな歴史的な展望にあるわけですから、もう宝ですから、やはり多少時間がかかっても、短期、中期、長期の戦略でしっかりやることが可能だと思います。よろしくお願いしたいと思います。