高橋和夫の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(高橋和夫君) 御質問ありがとうございます。
 まず、聞かれなかったことから申し上げたいんですけれども、私、実家が北九州でして、釜山と向かい合っているんですけれども、釜山に行きますともう本当に町じゅうが渋谷のように繁栄していましてどうしてかなと思わざるを得ないわけです。実は、どうしてかなと思った日本の港湾関係者がかなり多いようで、実名は出しませんけれども、ある市の港湾関係者がシンガポールの港湾関係者にコンサルを依頼して、お金を払って、どういうアドバイスがありますかといったら、シンガポール側はこうやってこうやってこうやってこうやれば日本の港も生き返りますよという案を出したら、日本側は、あっ、それは政治的にできないからもう結構ですという答えが返ってきたとシンガポールのある外務省の方がおっしゃっていましたけれども、かなりこれは政治的決断という部分があるのかなというような気がいたします。
 承った質問の第一問目で、イスラムの過激派対策どうしたらいいのかということなんですけれども、まあもはや過激派になってしまった人たちは多分何をやっても心を入れ替えたりはしないと思うんで、問題はこれから過激派がどうやったら増えないかと、どうやったら過激派の宣伝が功を奏さないかということなんですけれども、いろいろあると思うんですが、一つはやはりパレスチナ問題だと思います。実際、アラビア語のアル・ジャジーラテレビを見ていますと、毎日毎日パレスチナの方がいじめられている、抑圧されているという映像が流れていて、イスラエルはひどいことをしているというのがアラブ、イスラム世界の共通認識で、何でこんなことがまかり通るんだというと、それはアメリカが支持しているからだと。ああ、じゃ、ビンラーディンの言うとおりだ、アメリカというのはひどい国だなということがすんなり中東の人たちの心の中に入っていくという構図があるわけで、もちろんこの問題の解決策が一朝一夜にして出てくるわけではないんですけれども、例えばクリントン大統領のときはかなりのところまでアメリカの努力の姿が見えて、そんなに状況は悪化しなかったということがあるんで、やはりこの問題をどうするかということが、これが片付けばすべて片付くという問題ではないんですけれども、かなり大きな問題かなというように思っております。
 それから、イラクの情勢なんですけれども、確かにイラクという国、スンニ派、シーア派、クルド人、交ざって住んでいるところがありますから、イラクという国を割ってしまうとなればそこをだれが取るかということで大変な問題が起こってくるわけですけれども、同時に、このままではどうにもならないというのが現状でして、恐らく、まあ私の読みというのは当たったことがないんですけれど、私の読みは、民主党の大統領が出てくれば、オバマさんにしろクリントンさんにしろエドワーズさんにしろ、みんなイラクからある意味で、全面撤退とか即時撤退とかは言いませんけど、一部撤退とか段階的撤退とかいうことをおっしゃっていますから、アメリカはイラクが分裂していくという現実を受け入れざるを得ないんじゃないかなという気がします。
 例えば今、台湾と中国、中華人民共和国政府と中華民国政府を見れば、もう明らかに台湾は実質上独立しているわけですけれど、みんなはそれは、台湾は独立していないというふりをして何とか世の中回っているわけで、イラクでも同じことで、クルド人、シーア派、スンニ派が三つの国に分かれて、でも一つの国のようなふりをして、だましだましやっていくということは私は可能性として十分可能なんじゃないかなというか、それ以外にオプションがなくて、結局そこに落ちていかざるを得ないんじゃないかなという、そんな印象を抱いております。

発言情報

speech_id: 116614308X00320070425_015

発言者: 高橋和夫

speaker_id: 16204

日付: 2007-04-25

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会