寺島実郎の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(寺島実郎君) 金融ということでいえば、最近実感しているのが、世界の金融、大きく流れ変わってきていると。一つは、ロシアのオイルマネーと中東のオイルマネーがアメリカ及び欧州、特にロンドンの金融市場に流れ込んでいて、それが必要以上のドル高とかあるいはポンド高というものの背景にある構図になっていると。
それから、中東のオイルマネー、アジアの例えばマレーシア、シンガポール辺りにイスラム金融という仕組みの中で流れ込んできていると。そういう流れが金融という世界をかなり変えていると。
おっしゃるように、為替、特に中国の元が非常に大きなかぎだと思いますけれども、中国、次第に国際金融の世界に目覚めてきていて、ポートフォリオのバランスからいって、ここのところへ来て、ユーロに外貨準備のあれをシフトし始めているというような動向も確認できますし、段階的にやっぱり理解が深まってきているんだなという部分がありますけど、我々、今中国と向き合っていて、元をただ輸出のために安く持ちこたえていりゃいいというものじゃないんだと。ちょうど石油価格の高騰というのが、元を必要以上に安く持ちこたえているものだから、中国にとってもボディーに効いているんですね、そのことが。
したがって、日本の教訓として、七三年、七九年の石油危機を乗り切れた理由というのは、産業力を付けて、円という通貨の国際的な価値を高めていったから、それによって単位当たりの購買力を高めたから、要するに、石油危機というもののインパクトを吸収できたんだという部分と、それから省エネルギーということを蓄積したからだということをきちっと説明して、中国の人たちも最近そういうことについて大きく理解が一歩前に出てきているなというのが最近の実感です。
そういう中で、おっしゃるように、アジアでの金融連携というのはなかなか容易ではないんですけれども、私はやっぱりマニラのアジア開発銀行なんていうのが日本がやっぱり大変な影響力を持っている大変重要な国際機関であって、あそこでアジアの広域の利害につながるようなプロジェクトを具体的にしっかり提示し推進することによって、それだったならばその仕組みの中に参画しようという機運を盛り上げて、さっき話題にした韓国、日本、中国でもって二兆ドルを超す外貨準備というやつの資金が健全な意味でやっぱりアジアに還流するような努力をしなきゃいけないんじゃないか。それから、国際機関の役割と、そのアジア還流の仕組みづくりというのは非常に重要であって、その前にやっぱり明快なプロジェクトというものを見せていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。
以上です。