石井勤の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)

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○参考人(石井勤君) 石井でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、全国の新聞、通信、放送、百三十九社で構成しております日本新聞協会を代表して意見を述べさせていただきます。
 憲法改正にかかわる国民投票制度を創設すべきか否か、あるいは憲法を改正すべきか否かなどにつきましては、報道各社それぞれの社論がございます。新聞協会の見解として、これらについて統一的なものを取りまとめているということはございません。したがいまして、本日は国民投票制度とメディアの関係、専らその中でも報道、言論の自由という観点から意見を述べさせていただきます。
 日本国憲法は、二十一条で言論、表現の自由を規定し、保障しております。いかなる状況下におきましても報道の自由は確保されなければならず、法律をもって報道、論評の自由を制限することは憲法の精神にも反することであるというふうな、これが新聞協会の基本的な考え方でございます。しかも、国民投票制度が対象といたしますのは憲法に関する論議でございます。憲法は国民主権の根本にかかわる最高法規であり、憲法をどのように改正するのか、あるいは改正しないのかも含めまして、幅広く国民的な論議が求められるテーマであるというふうに考えております。そうした重要なテーマを国民的な議論といたすためには、自由で活発な意見表明、報道、論評がより以上に尊重され、保障されるべきであると新聞協会は考えております。これまでどおり自由な報道、論評活動を保障することが、活発な憲法議論につながるものと確信しております。
 論評の自由については強調して更に述べておきたいと思います。
 現在の新聞の取材、報道内容に関して、法律による規定はございません。新聞の発行も自由であると。新聞各社は、報道機関であると同時に言論機関でございます。自らの主張、意見を表明し、紙面に掲載しております。何をどう取り上げ報道するか、どう論評し主張するかは、報道各社の自主的な判断で行われております。そうした自由で独立した新聞が多数存在することが前提となりまして、どの新聞を購読し、どう受け止めるのか、読者の判断、選択にゆだねられているというふうに考えております。
 憲法に関する自由な論議を通しまして、国民は自ら憲法問題について考え、判断し、その自由意思の下で国民の合意が形成されていく必要があるというふうに考えております。そのためにも、報道機関には国民に幅広い情報、判断材料を提供していく責務があるというふうに考えております。
 公職選挙法に基づいた知事、市町村長あるいは議員の選挙報道と憲法改正に関する国民投票にまつわる報道とを結び付けて論じることにも無理があるというふうに考えております。
 公職選挙法は、候補者、政党を選択する選挙制度における公正さを確保するための法律でございます。一方、憲法改正に関する国民投票制度、手続は、国の今後の在り方を選択するための制度であると言えると思います。その目的、性格も異なり、憲法改正に関する報道は、論評を含めて自由でなければならないというふうに考えております。
 国民投票制度におきまして、報道、論評にかかわる法規制は持ち込むべきではないと、これが先ほど来申し上げていることです。あくまで報道機関の自主的な対応にゆだねる必要があると。
 新聞協会は、国民の知る権利にこたえるため、言論の自由の下、高い倫理意識を備えたメディア、あらゆる権力から独立したメディアが存在することの重要性を訴え、自らを厳しく律するために新聞倫理綱領を定めております。新聞協会加盟の報道各社は、この新聞倫理綱領の精神にのっとり、自主的、自律的に正確な報道、責任ある論評を展開しているというふうに自覚しております。
 新聞各社は、自主的な判断あるいは規律の下、国民に幅広く情報を提供し、国民の判断材料となる多様な情報を届けることを使命としております。自由な報道を通じまして、国民の間で活発な論議が展開される環境が欠かせないというふうに考えております。
 新聞各社は、新聞倫理綱領の精神にのっとるだけではなく、報道を対象にした第三者機関を各社で設けるなど、外部の意見を真摯に受け止める体制を整えております。お手元に参考資料がございます。各社の今の第三者機関の状況です。ごらんいただければと思います。
 そのようにして、外部の意見を真摯に聴く構えを取りながら日ごろの取材、報道を行っております。民主主義社会を構築し、守るために、日本社会は戦後、言論、報道の自由を保障し、法律によるのではなくメディアの自律的な対応にゆだねてきたと、誇るべき歴史を築いてきたと言えるのではないでしょうか。私ども報道各社は、憲法改正にかかわる報道、論評活動におきましても、報道、言論の自由の下、正確で公正な報道、責任ある論評を展開する所存でございます。
 以上、新聞協会としてはこのような意見を述べさせていただきます。

発言情報

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発言者: 石井勤

speaker_id: 22229

日付: 2007-04-27

院: 参議院

会議名: 日本国憲法に関する調査特別委員会