今井一の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)
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○参考人(今井一君) 一年ぐらい前ですかね、朝まで生テレビ!という番組に行ったときに、番組の冒頭で田原さん、あるいはその司会者だったと思うんで、どっちかだったかな、まず最初に今日のパネリストに、憲法改正に賛成か反対か、まずそこから聞きたいというふうにおっしゃったんですよね。
私は、本当にもう次元が低いというか、今そういう時代じゃないんですよ。世論調査を見ても、憲法改正に賛成か反対か聞くだけじゃなくて、じゃ九条はどうかというふうになっているわけですね。大ざっぱに改憲派とか護憲派とかいう時代はもう過ぎたんですね。国会でもメディアの方でもそういった使い方はもうやめなければいけない。第一章改憲派とか第一章護憲派とか、九条改憲派とか九条護憲派とか九十六条改憲派とかですね、条項を添えて言うべきです。余りにも水準が低いと思う。ヨーロッパではこんな議論してませんよ。条項ごとに議論しています。まず、それが一つですね。
それから、これおとといの朝日新聞ですけれども、大阪本社版ですから東京は載ってないかもしれませんけど、堺の人が「憲法を勝手に変えんとって」と言って、「安倍はん わたしら、憲法大好きなんや。」って、これ大阪本社版やからって大阪弁になっているわけじゃなくて、「九条のこと、大好きなんや。」と。ずっと行ってですね、最後の方に「憲法は国民が為政者をしっかり監視するためのもんなんや。」と、これはそのとおりですよね。それを気にいらんから言うて為政者が勝手に憲法を変えんとってって、こうなっているわけですよね。
要するに、憲法を勝手に変えんとってと。憲法を勝手に国会は変えられると思っているわけですよね。その程度なんですよ。これは、メディアにも責任があるし、立法府にも責任があるんじゃないかと思うんです。提案しかできないんだと。中曽根さんが先日、スタートは国会が切るけれども、ゴールは国民で決めてほしいというふうに言われたと聞いています。こういう基本的なことを九条護憲派の方々あるいは改憲派の方々の中でどれぐらい分かっていらっしゃるのか、そこがまた大切なんじゃないかというふうに私は思っています。
それから、この国民投票法制定に反対するいわゆる九条護憲派の方々に、私、二種類あると思っています、それは議員であれ市民であれ。中身にいろいろ不備があるから、こういう手続法だったら駄目だという御主張と、どういう内容であっても、物すごく自分たちにとっていいと、あるいは客観的に見て非常に合理性が高いものであっても駄目だと言う人と二つあるんですよね。あるいは、これは改正の手続法で思惑があるから、安倍さんやその他の人々に九条改憲の思惑があるから駄目だと言う人もいます。
私は、これはおかしな議論だと思うんですよ。これ改正手続法なんだから、改憲の一里塚になって当たり前なんですよ、それは九条であっても八十九条であっても。これ、改憲の一里塚にならない改正手続法なんてあり得ないわけですよね。
それから、思惑があってと言いますけれども、かつて神戸空港の住民投票のとき、それから徳島の住民投票のとき、人吉のダムに関する住民投票のとき、すべて、当時反対した人たちは署名集めをしている人たちに、要するに直接請求で署名集めしている人たちに思惑があるからだと、それは空港反対の思惑があるからだと、吉野川でいったら可動堰反対の思惑があるからだと。思惑があろうがなかろうが関係ないことなんですよね。それを思惑があるからといって反対するんだったら、この現在審議されている憲法改正手続法についてもそういう理由があるから駄目だというんだったら、当時、神戸空港や吉野川や長野の住民投票で住民で決めるべきだと言った人たちは筋が通らなくなります。だからそういうことを言っちゃ駄目だと思います。
最後に、はっきり申し上げておきますけれども、憲法を、九条を、もうはっきり九条と言いますけれども、変えたくない人は主権者です、しかし変えたい人も主権者なんですね。だから、変えたい人も変えたくない人も主権者であって、変えたいという人の主権行使の機会を手続法を制定させないということで奪ってはいけないと思います。
それは、先般行われた東京都知事選挙で、たとえですよ、これ、そうだと言っていません、たとえ石原慎太郎さんが知事になることが誤りだとしても、世論調査で二週間前にどうも石原慎太郎さんが圧勝するということが分かっているからといって石原慎太郎に反対するグループが急に公職選挙法を停止させたり、都知事選挙だけ延期させたりするわけにいかないわけですよね。自分と意見が違う人たちが憲法に基づいて、あるいは憲法にのっとった公職選挙法や憲法改正手続法にのっとって主権行使をする機会を奪ってはいけないということです。そういうことに力を注ぐんじゃなくて、できるだけ合理的なルール作りに励んでいただきたいと、そういうことです。