五十嵐敬喜の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)
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○参考人(五十嵐敬喜君) まず、憲法改正の中身と今回の投票法がどのように受け止められているかということです。
認識は、これ先生と私同じです。ただ、受け止められるのもしようがないという部分があると思うんですね。
それはどういうことかといいますと、今回の安倍政権は明らかに参議院選挙において憲法を争点にすると、それは国民投票法の手続を争点にすると言っているんじゃなくて、やっぱり九条を含めたあの内容について参議院の争点にするということを言っています。これは七月です。今回、この投票法案が五月に審議されているのは、当然のことながら、そういう憲法改正の中身と連動してその手続を定めると、国民はほとんどの人が受け取っていると思います。だから、その改憲かどうかについての議論が主になっていて、この投票法どうあるべきかについて余り具体的に議論されていないというのも、政治がそういう状況をつくっていると私はまず思っています。
それから二番目は、ちょっと外側から見て気になることがありまして、国民投票ということのイメージが、国会を含めて、きちんと国民の皆様方にうまく宣伝されていないんじゃないかと思うんですね。身近なところでは、実は住民投票というのはいろんなところでもう既に日本でもやっております。これは地方レベルですけど、そういうことありますね。そういうものの全国版を国民投票と言うんだろうと思うんですね。
それからもう一つ、小泉さんが行った郵政民営化選挙もある種の、衆議院の選挙に絡めたある種の国民投票に近い部分があるということです。
それからもう一つ、憲法改正、憲法そのものについていえば、EU憲法条約案についてフランスやオランダがやった国民投票ありまして、そういうものの功罪がちゃんと国民の方に伝われば、この手続をどうすれば一番いいのかということについてのもうちょっと確かな評価が出ると思いますけれども、これがこの国会からは一向に発信されないといいますか、だから、国民投票というのは自分たちのリアリティーをほとんど持っていない、むしろその安倍政権の政治姿勢と関連して、国民投票法制定イコール改憲議論ということがあってむしろ改憲の方に議論が行っている、そういう状況だろうと。それを覆すためには、覆すというかちょっと修正するためには、国民投票というのはどういうものかということをもっとまじめに、もっと大々的に宣伝したらどうかということです。
そういう立場でいえば、最後の質問です。私自身は、国民投票法についてはいずれ必要だし、いいものを作ったらいいと私は思っています。ただ、今言ったように、明らかに次、その参議院選挙でも九条改憲の話題にするという前提でこれ急ぐというのは、それはよく分からないんですね。だから、それは慎重にやったらいいと思います。しかし、絶対国民投票をやらないという議論では私はありません。むしろ、住民投票条例とかあるいは国民投票条例とかあるいは国政課題でもいろんなことについて、憲法に準じるような問題については国民投票していくというような法案をどんどん作るべきであると私は思っています。
ただ、政治的にはいかにもその九条改憲論議とこれは結び付いてやられているので、非常に誤解を与えているし、そういう意味では余り良くないと私は率直に思います。