中川義雄の発言 (文教科学委員会)
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○中川義雄君 第二班につきまして御報告いたします。
派遣委員は、佐藤泰介理事、神取忍委員、林久美子委員、福本潤一委員、井上哲士委員及び団長を務めました私、中川義雄の六名であり、去る十一日及び十二日、横浜市及び名古屋市において地方公聴会を開催し、それぞれ四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
まず、横浜市での公述の要旨を御報告申し上げます。
最初に、横浜市教育委員会教育委員長今田忠彦君からは、昨年の教育基本法改正の意義は大きく、今後関係法の整備が望まれる。義務教育の目標の設定や新しい職の設置は、学校教育を充実させるため必要である。地教行法改正案による教育委員会の権限拡大の方向性は評価できる。国からの是正の要求は、限定的かつ慎重に行われるべきだが、国が責任を担保する仕組みは必要である。教員免許法改正の意義を前向きに考えることが大切であり、採用前研修の充実が必要などの意見が述べられました。
次に、横浜国立大学教育人間科学部教授府川源一郎君からは、教員の研修は教育を受ける子どもたちのために教員自身が自主的主体的に取り組むものであり、必要不可欠なものであるが、免許更新制とリンクさせて失職の不安により教員を萎縮させるような政策は採るべきではない。更新制の実施により、事務量の増大や更新講習の主体となる大学側及び現場の教員の多忙化が予想されるが、子どもたちの未来に直接責任を持つ教員の仕事への信頼感を醸成する施策の実現を願うなどの意見が述べられました。
次に、元公立小学校長加藤澄代君からは、若い教員が研修のため大事な時期に担任の学級を見ることができないなどの実態があり、教員研修の在り方を考える必要がある。免許更新制は意味があるがその方法については形式だけではない実のあるものとなるよう吟味が必要である。定数不足により教員は担任を持ちながら様々な職を兼務するなど多忙であり、まじめないい先生が壊されるような状況には考慮が必要であるなどの意見が述べられました。
最後に、弁護士阪田勝彦君からは、政府案は、教育課程に関する事項、学校評価の基準、免許状更新講習の手続や内容などを国が定めることとしており、それらの基準を国に白紙委任するかのような法案は危険である。文部科学大臣に是正要求や指示の権限を与えることとしているが、いじめや未履修問題を理由に地方自治法の規定以上に指示権限を強めることは地方分権の趣旨に反することになるなどの意見が述べられました。
公述人の意見に対し、各委員より、改正案により期待される教育委員会の意識改革、教員免許更新制導入についての見解と教員の養成・研修の在り方、小学校の学級編制の適正規模についての見解、校長のリーダーシップ発揮と学校の組織運営の在り方など、多岐にわたる質疑が行われました。
続いて、名古屋市での公述の要旨を御報告申し上げます。
最初に、前東海市教育委員会教育長深谷孟延君からは、学校教育法改正案について、改正の趣旨が現場に伝わる工夫をしてほしい。新しい職の設置が組織としての学校に生まれ変わる一助となれば良い。地教行法改正案については、国と地方の役割分担・相互協力に関し更に議論を深める必要がある。教育は長いスパンで考える必要があるため首長ではなく教育委員会が担うのが順当である。教員免許更新講習の内容を時代に即したものにすべきであるなどの意見が述べられました。
次に、愛知教育大学長田原賢一君からは、教員養成の多様化の観点から、本学では教員養成段階に、大学院との連携による六年一貫の教員養成コースと既卒者用の小学校教員免許状取得コースの二つを設けている。大学院レベルの教員養成は、中教審答申でも検討課題とされており、是非必要である。教員免許法改正案による更新講習時間は三十時間では不十分であり、少なくとも六十時間は必要などの意見が述べられました。
次に、東京福祉大学名誉教授、学校法人中島恒雄学園理事坪田要三君からは、現在の教育論議には人づくりという視点からの検討が欠けている。場当たり的な教育改革では、教育に関する国としての考え方が末端まで浸透しない。米国では教員免許の更新制が導入されており、我が国においても教員免許制度の改革は必要と考えられるなどの意見が述べられました。
最後に、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授、名古屋大学教育学部附属中学校高等学校校長植田健男君からは、学校教育法改正案では、小中学校を義務教育としての普通教育、高等学校を高度な普通教育に分け中等教育の概念をあいまいにしている。教育は「異質共同」の体制で仕事を進めるものであり、副校長等の職の創設は教職員を上意下達の構造にはめ込むことにつながる。学校評価に国が画一的な基準を定めたり、評価結果を財源配分の基礎にするようなことはすべきでないなどの意見が述べられました。
公述人の意見に対し、各委員より、教員免許更新制に係る費用負担及び講習内容の在り方、未来への先行投資としての教育予算に関する見解、学校の自己点検・評価による学校改善の可能性、十年経験者研修の評価など、多岐にわたる質疑が行われました。
会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
以上で第二班の報告を終わります。