安倍晋三の発言 (文教科学委員会)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は、戦後、ある意味では旧教育基本法によって、言わば機会均等、教育の機会均等によってすべての子供たちがひとしく教育を受ける機会が保障され、そして学問の自由も保障されたわけでございます。その中で日本は優秀な人材を育て、そして見事に高度経済成長を達成をし豊かな国になったと、このように思うわけでございます。
しかしながら、と同時に、やはりその過程において経済至上主義のところがなかったかといえばそうではないわけでございまして、言わば価値の基準について、損得に価値の基準をやはり置き過ぎてきたのではないか、そういう風潮があったのではないかということは我々が反省すべき点であろうと、こう思うわけであります。
正に損得を超えた価値、それは例えば公共の精神、家族を大切にする、家族の価値観であったり、あるいは自分たちをはぐくんできた地域を大切にする心であったり国を愛する心ではないか。そういうことをやはりきっちりと子供たちにも教えていかなければ日本という国は危うくなってしまう、ただ経済のみ繁栄してそうした心を忘れてはいつか私は滅んでしまうのではないか、このように思うところでございます。その中にありまして、やはり今こそ教育の再生、改革が必要である、こう固く信じているところでございます。
日本というのは今でもやはり世界各国から高く評価をされているのは事実であろうと、こう思うところでございます。先般も、五月に訪問した湾岸諸国におきまして、日本の教育を、自分たちも教育の仕組みを導入をしたい、また、多くの子供たちに日本語を勉強させて日本に留学をさせたいと。なぜならば、今は天然ガス、石油、天然の資源に恵まれているけれども、四十年、五十年後だんだんそれは減少していく中において、自分たちの国の正にこれは財源、宝は、財産は、これやはり人材であると。その人材を育てたい、資源なしで立派にやっている日本を見習いたいと。そしてまた、日本に旅行した人たちが、日本人の立ち居振る舞いというのは大変立派だという、そういう評価をいただいているのも事実でございます。
ですから、私たちは決して自信を失う必要はないわけでありますが、しかしながら、このまま行ってしまいますと、そうした人たちがせっかく褒めていただいている、そういう日本人の美徳まで失ってしまう危険があるわけでございます。ですから、そういう意味におきましても、今こそ改革が必要であろう。そして、それと同時に、やはり今や経済がグローバル化する中において、世界の中での競争に勝ち抜いていくという競争力、たくましさも必要であります。この競争力、たくましさ、そして美しい心、このバランスが私は大変大切なんだろうな、このバランスを達成するのも教育の役割であろうと、このように思っているところでございます。