安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 谷博之議員にお答えをいたします。
美しい国と競争社会に関してのお尋ねがありました。
私が目指す日本の姿は、世界の人々があこがれと尊敬を抱き、子供たちの世代が自信と誇りを持つことができるように、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた「美しい国、日本」をつくることであります。自由な社会を基本とし、規律を知る凜とした国であります。先般取りまとめた「日本経済の進路と戦略」においても、日本が目指すべき経済社会の姿として、自律の精神が尊重され、自由で規律ある市場の下で民間の力が十分に発揮される社会を目指しております。
教育改革が目指す理想の人物像についてお尋ねがありました。
教育は、個人の多様な可能性を開花させ、志ある国民を育てるものであります。これがひいては品格ある「美しい国、日本」をつくることにつながるものと考えております。このため、公共の精神や自律の精神、道徳心といった価値観をしっかりと子供たちに教えていくことが必要であります。また、社会総掛かりで教育改革に取り組み、豊かな人間性と創造性を備えた規律ある人間を育成してまいります。
シュリンキングポリシーについてお尋ねがありました。
我が国は、今後本格的な人口減少を迎えることが見込まれておりますが、社会保障、農業、地域再生などの政策において、人口減少社会の到来に適切に対応し、国民がゆとりある質の高い生活を送ることができるよう取り組んでまいります。
一方、更なる少子化の進行は我が国の社会経済全体に大きな影響を及ぼすことから、社会経済の活力を維持していくためにも少子化対策を戦略的に実施していく必要があると考えております。
厚生労働大臣の発言についてお尋ねがありました。
私は、厚生労働大臣の当該発言は極めて不適切な発言だと思います。厚生労働大臣に対し厳重に注意をいたしました。閣僚の発言は重く、今回の発言によって多くの女性の心を痛めたことに対し、私も深くおわびを申し上げます。柳澤大臣も深刻に反省をしており、今後、常に国民の立場に立った厚生労働行政を進めることにより、国民の信頼を得られるよう全身全霊を傾けて職務を全うしてもらいたいと考えております。国民の皆様に改めて深くおわびを申し上げまして、御理解を賜りますようお願いを申し上げます。
難病患者に対する医療費の公費負担制度についてのお尋ねがありました。
難病患者の方々の医療費については、現在、予算事業として公費負担を行っておりますが、御指摘の法制化に関しては、難病患者の方々の中にも賛否両論の意見があることから、更に関係者の御意見をよく聞きながら検討してまいります。
希少患者の早期指定についてお尋ねがありました。
難病のうち医療費の公費負担等の対象となる特定疾患については、医学、医療の専門家から成る懇談会において選定しております。患者、御家族の実情を把握しながら、また科学的な見地を大事にしながら、公正な議論を行い適切に対応してまいります。
障害者自立支援法についてのお尋ねがありました。
本制度においては、国の負担を義務化する一方、利用者の方に原則一割の負担をお願いをしていますが、所得に応じた負担上限の設定など、きめ細やかな軽減措置を講じております。さらに、今般、法の実施状況として把握したデータや現場の声も踏まえ、もう一段の負担軽減措置や作業所の支援措置など、三年間で千二百億円規模の特別対策を実施することとしており、引き続き法の定着に万全を尽くしてまいります。また、法の附則において、就労の支援を含め障害者が所得を確保できるようにするための施策の在り方などについて検討をすることとされており、今後更に検討を進めてまいります。
難病患者や発達障害者に対する就労支援策についてお尋ねがありました。
国民一人一人が日々の生活に対し、誇り、生きがいや充実感、明日への希望を感じられることが大切であり、難病患者や発達障害者の方々も含め自立して生活できるようにしていくことが重要であると考えております。このため、障害者の就労支援策においては、障害手帳の有無にかかわらず、それぞれの方の障害の状況に応じて様々な支援を実施し、また強化しているところであります。
社会保険庁改革についてお尋ねがありました。
社会保険庁については、事業運営に関して様々な問題が生じたことを受けて、運営体制全般を刷新して新たな行政組織として再出発できるよう、昨年の通常国会に、ねんきん事業機構法案を提出いたしました。しかしながら、その後再び国民の信頼を損なう問題が生じたことから、規律の回復と事業の効率化を更に徹底すべきとの国民の声をしっかりと受け止め、非公務員型の新法人の設置など、社会保険庁の廃止・解体六分割を断行することとし、新たな改革法案を今国会に提出してまいります。
公的年金制度の抜本改革についてお尋ねがありました。
国民年金も含めた公的年金制度については、平成十六年の制度改正において、保険料水準の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みの導入等により、持続可能な仕組みを入れ込むことができたと考えております。また、年金財政においては、人口だけでなく経済の長期的な動向がどうなるかが重要であり、法律の規定に基づき、定期的に年金財政の状況を検証いたします。その一環として、昨年十二月に公表された新人口推計や平成十六年改正時より好転している近年の経済動向などを踏まえた暫定試算を急ぎ行わせており、まとまり次第公表する予定であります。
パート労働者への厚生年金の適用拡大についてのお尋ねがありました。
パート労働者への厚生年金の適用拡大については、再チャレンジを支援し、被用者としての年金保障を充実させる観点などから具体的な検討を進めているところであります。今後、幅広い関係者からの意見聴取の結果も踏まえ、週労働時間を始め勤務期間の長さ、月収の水準など総合的な観点から、厚生年金の適用にふさわしい対象者の範囲について適切に判断してまいります。
地域に開かれた学校を目指して現場からの教育改革を更に進めていくべきとのお尋ねがありました。
私は、保護者や地域と連携しながら学校運営や教育活動を展開していくことは重要と考えております。このため、国においては保護者などに対する学校の情報公開を進めております。また、保護者や地域住民が学校運営に参画する学校運営協議会制度や学校評議員制度を導入しているところであります。今後とも、これらの取組を推進して、地域に開かれた学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
教育委員会改革及び第三者評価機関についてのお尋ねがありました。
教育委員会制度については、その在り方を抜本的に問い直すとの教育再生会議報告を受け、更に議論を深め、教育に対する責任の所在を明確にし、国民の皆様から信頼される教育行政の体制を構築する具体的改革案を形作ってまいります。教育委員会に対する第三者評価機関については、教育再生会議において、教育委員会の外部評価委員会を都道府県、市町村段階に置くことについて検討することとされており、地方の教育行政がきちんと評価されることとなるよう、教育委員会制度全体の改革の中でしっかりと検討を行ってまいります。
食料自給率についてのお尋ねがありました。
食料の安定供給を確保していくためには、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これに輸入と備蓄とを組み合わせることが必要です。将来的な食料自給率は、供給熱量の五割以上を国内生産で賄うのが適当と考えています。これを前提に、政府としては実現可能性を考慮して平成二十七年度における食料自給率目標を四五%と設定し、消費、生産両面からの取組を重点的に行ってまいります。
なお、豪州とのEPA交渉については、豪州が農業大国であることから、国内農業への影響を十分に踏まえ、日本として最大限の利益を得られるよう政府一体となって取り組んでまいります。
農業政策についてのお尋ねがありました。
農業従事者の高齢化、兼業化により、かつては均質だった農業構造が変化している中で、生産性や品質の向上などの課題を解決するためには、意欲と能力のある担い手に施策を重点化することが不可欠であります。このため、担い手に対象を絞った新たな経営安定対策が農業の体質を強化する上で最善の方法と考えており、農村の活性化を図るため、その他の施策の展開と併せて、活力ある農業農村を築いてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕