津田弥太郎の発言 (本会議)

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○津田弥太郎君 解説をします。一回目は儀礼的な礼です。二回目は、年金不信を解消すべき本院がその責任を果たせていないことを国民の皆様におわびを申し上げました民主党の津田弥太郎であります。
 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました厚生労働大臣柳澤伯夫君問責決議案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、厚生労働大臣柳澤伯夫君を問責する。
   右決議する。
 以上であります。
 以下、具体的に提案の趣旨を丁寧に御説明申し上げます。
 冒頭において私が特に強調をしておきたいのは、本院は今年開設されて六十周年、すなわち還暦を迎えた慶賀すべき年であるということであります。
 二院制を採用した我が国における本院の存在意義とは何でしょうか。よく言われるのが、一つ、良識の府であります。また、衆議院の審議を補い、必要とあれば修正をして衆議院に差し戻す、二つ目、再考の府。そして、衆議院の行き過ぎをチェックする、三つ目、賢者の府とも言われております。これは、本院の場合、議員の任期は六年で、衆議院とは異なり解散がないため、じっくりと重要政策を議論できるメリットを持っているからであります。
 こうした本院の持つ機能や存在理由を踏まえた上で、厚生労働大臣である柳澤伯夫君の厚生労働委員会における年金問題審議の対応や年金行政に対する取組を子細にチェックしますと、その無責任さ、指導力のなさが極めて顕著に現れております。私は、厚生労働委員会の理事としてこの間の大臣の言動をつぶさに見てまいりましたが、柳澤大臣はもはやその任に堪えることは到底できません。本来なら、任命責任を持つ安倍総理大臣が罷免すべきであります。
 そもそも、厚生労働省が提案した日本年金機構法案、国民年金法等の改正案は欠陥だらけであり、これを速やかに撤回した上で、私たち民主党が提案しました歳入庁設置法案など三つの対案を採用すべきでありました。
 さらに、法案の内容に加えて、審議で最大の焦点となりました消えた年金問題に対する柳澤厚生労働大臣の答弁や対応にも多くの問題がありました。(発言する者あり)よく聞きなさい。宙に浮いた年金、しかし、被害者の立場からすれば正に消えた年金にほかならない。基礎年金番号の記録漏れについては、我々民主党の再三の要請を受けて、政府は渋々その数が五千九十五万件に達していることをお認めになりました。しかし、実態の究明や調査はいずれも後手後手に回ったことは言うまでもありません。
 安倍総理は六月十一日の決算委員会で、放置してきたのは大きな問題だった、情報の把握も極めて甘かったと率直に認めなければならないと安倍総理自身の責任を認めました。しかし、年金問題についてずぶの素人である安倍総理に対しては、年金行政を所管をする柳澤大臣が早期に適切な進言を行うべきでありました。にもかかわらず、何らの進言をなさなかったばかりか、二人して対岸の火事として眺めていたことは断じて許すわけにはまいりません。
 安倍総理は、わずか一か月余り前、このような答弁を行いました。「すべての被保険者、年金受給者に対して納付記録を送付し点検をお願いすることは、大部分の方の記録が真正なものであることを考えれば、非効率な面が大きいのではないかと考えます。」。とんでもない。現在、政府自身が全加入者への履歴通知の送付を行う方向へと方針転換を余儀なくされたことは御案内のとおりであります。こうした総理の対応については、事の重大性を見過ごしてきた柳澤大臣の責任が大きいものと言わざるを得ません。
 また、厚生労働委員会における審議では、社会保険庁の隠ぺい体質と虚偽答弁が日に日にエスカレートしていきました。例えば、全国三百九か所の社会保険事務所から十件ずつ抜き出した特殊台帳のサンプル調査については、三千九十件の調査に何と四十日間も掛け、挙げ句に記録のミスは当初四件しかないと、大臣御自身が委員会の場で答弁をいたしました。しかし、後になってから二十七件、次いで三十五件と、ミスの件数が次々に訂正をされていきました。
 また、昨日の委員会では、年金記録などを扱うコンピューターシステムの契約書について、社会保険庁から契約書は存在するとの答弁がなされましたが、その直後に会計検査院の局長から、契約書は存在しておらず、社会保険庁の答弁が虚偽であったことが明らかにされるという前代未聞の不祥事が発生をいたしました。
 これらは、できるだけ都合の悪い事実を隠しておこうという社会保険庁の体質からきたものとしか思えず、このような部下、職員、とりわけ答弁を頻繁に行った厚生労働省から出向中の二人の部長、これを放置をしてきた柳澤大臣の監督責任は厳しく問われなければなりません。しかるに、柳澤大臣は、官僚に対する責任を問う質問についても、官僚が作成した答弁書を読むばかりであり、これでは何らの指導力も発揮できないことは明白なのであります。
 柳澤大臣が監督責任に欠けていることは、日本年金機構法案でも明らかであります。非公務員による特殊法人に移管することで、社会保険庁のときにあった年金保険料の無駄遣いやずさんな記録管理はなくなると答弁されましたが、皆さん、本当でしょうか。
 かつて、東京地検の特捜部検事としてロッキード事件の捜査などで活躍し、今弁護士、堀田力さんはマスコミのインタビューに、非公務員にするという与党案は首が猫で胴体が犬のようなもので、どこも責任を取らない仕組みになっていると厳しく指摘をされております。堀田さんは、二〇〇四年九月から二年間、社会保険庁の最高顧問に就任し、立て直しに協力した人物であり、この発言は極めて重いものであります。
 さて、六月八日、厚生労働委員会では、消えた年金の被害者の方に参考人として出席をしていただき、その悲痛な訴えを聞かせていただきました。大変に筋道の立ったお話でありながら、三十年前の領収書がないことから納付記録が訂正をされていないのが実情です。柳澤大臣の就任後も、自らの年金納付記録の訂正を求めて多くの方が社会保険事務所を訪れました。しかし、安倍総理さえも持っていない二十年前、三十年前の領収書がないことにより、二万人以上の方が何と門前払いをされております。領収書がない方は、ただの一人も年金記録が訂正をされていないのです。
 こうした社会保険庁の対応を断じて許すわけにはいかず、社会保険庁長官の任命権者でもあり、社会保険庁に対する監督責任を有する柳澤厚生労働大臣に対し、消えた年金被害者からは怨嗟の声が寄せられております。また、保険料を支払ったのに年金がもらえないということが、いかに国民の公的年金への不信感を加速させているかも真摯に受け止めるべきであります。
 今国会を振り返れば、厚生労働委員会を揺るがす三つの事件が発生しました。言うまでもなく、柳澤大臣の産む機械発言、一つ。これを起因した厚生労働省の綱紀の乱れによる雇用保険法に関する文書配付問題、二つ。そして、今回の未曾有の年金不信、三つであります。世間において、組織の長は結果責任を引き受け、辞職を余儀なくされることがしばしばあります。しかし、今述べた三つの事件は、いずれも結果責任どころではなく、原因そのものが柳澤厚生労働大臣に帰するものであり、弁明の余地がありません。
 以上、様々な角度から、いかに柳澤伯夫君が厚労大臣にとどまることがふさわしくないかを具体的に明らかにしてまいりました。
 さて、今回、柳澤大臣は、自らの賞与の一部を国庫に返納するという、パフォーマンス以外の何物でもない行為をあえて行いました。私は、柳澤大臣が本気で国民に対する責任を感じているとは到底思えません。仮に、本気で責任を感じているとしたならば、柳澤大臣が考える自らの責任とは五十一万円の重みしかないのでしょうか。国民をばかにするにもほどがある。柳澤大臣、大臣が国民の前に返上しなければならないのは、五十一万円ではなく、厚生労働大臣の地位そのものではないでしょうか。
 柳澤厚生労働大臣の罷免こそが、我が国の公的年金の信頼を回復し、消えた年金問題の解決に向けた最良の処方せんであることを強く訴え、良識の府参議院の皆様が与野党の立場を乗り越えて本決議案に御賛同をいただき、速やかに可決されんことをお願いし、趣旨説明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

speech_id: 116615254X03920070629_021

発言者: 津田弥太郎

speaker_id: 28996

日付: 2007-06-29

院: 参議院

会議名: 本会議