阿部正俊の発言 (本会議)

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○阿部正俊君 私は、自由民主党と公明党を代表いたしまして、ただいま議題になりました柳澤厚生労働大臣の問責決議案に対しまして、断固反対の立場から討論を行うものであります。
 演説は短くやります。
 公的年金は国民一人一人の老後の生活設計の柱として掛け替えのないものである、しかも、国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきものであることは確かです。ところが、その適正な運営を任務とする社会保険庁は、今回明らかになったように、年金記録問題を始めといたしまして、これまで職員の様々な不祥事を積み重ねてきました。国民の信頼が地に落ちているということは明らかでございます。
 このような状況の中で、柳澤大臣は、文字どおり行政の先頭に立って、社会保険庁の抜本的な改革とその実現に中心的な役割を果たしてこられました。
 野党は、今回の問責決議案の理由として社会保険庁の年金記録問題への対応などを挙げております。しかしながら、政府・与党では、既に年金記録問題につきましては、国民の視点に立って、できる限り速やかに、かつ行うべきことはすべて行うという方針の下で、既に年金記録問題への新対応策を取りまとめ、大臣を中心として、年金記録に対する国民の不安の払拭とその信頼回復に全力を傾けているところであります。
 すなわち、基礎年金番号に統合されていない五千万件の年金記録については、今後一年間で、すべての年金受給者や被保険者の方々の記録と突き合わせた上で、御本人に記録の確認をお願いし、着実に年金受給権に結び付けてまいります。また、社会保険庁のマイクロフィルムや市町村が持つ記録とオンライン記録との突き合わせなど、進捗状況を公表しながら計画的に行ってまいります。
 さらに、記録を訂正したいが領収書などの証拠がないという方につきましては、総務省に年金記録確認第三者委員会という新しい機関を設置し、申し立てた方のお気持ちに立って公正に判断する仕組みを設けました、既に。
 あわせて、こうした取組を通じて、年金記録の訂正により年金給付額が増える方について、時効により増額分を受け取れないなどということがないように、今回の年金時効特例法案により特別の立法措置も併せて行ったのでございます。また、平成二十三年までには、年金記録管理システムを新しく構築し、国民だれもがいつでも自分の年金記録を知り得るカードを配付いたします。
 政府・与党では、これらの対応策を着実に実施し、国民の皆さんが本来受け取るべき大切な年金をすべて受け取れるように万全を期してまいります。
 柳澤大臣は、先頭に立って年金問題への対応に取り組んでおります。とりわけ、国会の審議において、野党からの度重なる同じような質問に対しましても誠実に答弁されてきました。
 参議院の厚生労働委員会における審議時間も、昨日までに既に四十八時間半に上り、はるかに衆議院の審議時間をオーバーし、十分に審議が尽くされたと思っております。したがって、野党の言う問責決議案の理由は誠に理不尽なものであり、その提出は暴挙のそしりを免れないものであります。
 大臣は、与党のみならず野党の諸君もよく御存じのとおり、我が国の行財政に関し他の追随を許さない豊富な経験と知識をお持ちでございます。加えて、強い使命感を持ち、厳しい財政状況が続く中で、少子高齢化が進展する難しい局面におきまして、我が国の社会保障に係る数々の難題を的確に処理し、国民福祉の発展のために奮闘されてきたのであります。
 大臣には、今後とも、厚生労働行政が抱える諸課題の解決に向け、強いリーダーシップを発揮されることが求められております。特に、社会保険庁の問題につきましては、社会保険庁を廃止、解体し、国民の立場に立って事業運営を行える新組織を実現するとともに、年金記録に関する国民の不安を解消するための一連の対策の着実な実施に全力を傾注していただくことが大臣の責務であると考えております。
 大臣は、今年一月、日本経済新聞に連載された「こころの玉手箱」という随筆の中で、石川啄木に心酔した幼いころの記憶をたどり、次の歌に心を打たれたと述べておられます。すなわち、「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る」、これが政治家柳澤伯夫の原点だと思います。大臣の原点がここにある以上、国民生活の安定につながる年金制度の構築に、温かなハートを持って厚生労働行政に対応できる柳澤伯夫大臣ほどふさわしい政治家は他に存在しないと考えるものであります。
 年金制度は国民の信頼があってこそ成り立つものであり、今回の年金記録問題については、与野党の立場を超えて政治が責任ある対応を取らなきゃなりません。にもかかわらず、野党諸君は党利党略を優先して問責決議案を提出したということは誠に残念であるとともに、年金制度に対する国民の信頼を揺るがすことになりかねないことに気付くべきであります。
 改めて野党諸君の猛省を促し、柳澤厚生労働大臣の問責決議案に対する私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 116615254X03920070629_023

発言者: 阿部正俊

speaker_id: 13814

日付: 2007-06-29

院: 参議院

会議名: 本会議