寺岡慧の発言 (厚生労働委員会臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案審査小委員会)

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○寺岡参考人 お答えします。
 慢性脳死の問題に関しましては、つい先般も新聞紙上をにぎわしまして、私もそれは読んでおります。
 この問題には幾つかの問題があるかと存じます。これはさきの参考人質疑の場におきましても問題になりましたが、そのような方々が正確で厳正な脳死判定を受けておられるかどうか、この点に関しましては大いに疑問があります。これはさきの参考人質疑で阿部議員もお答えになっておりますように、ほとんどの方がきちんとした脳死判定を受けておられない。また、今回の新聞報道によりましても、無呼吸テストをやっていないということでありまして、無呼吸テストをやっていなければ、現在の日本の法的脳死診断からは外れるわけでございます。
 それからまた、どのような条件下で脳波を検査されたか。現在の脳波の検査は感度を上げてとることが規定されておりますが、そのようなことが一切記載されておりません。また、きちんとした脳幹反射の検査がどの程度行われて、どれが陰性で、どれがどうだったのかということも判明しておりません。
 こういったことから、きちんとした法的脳死判定基準に従って判定されたものは、昨今の新聞報道に見られる事例におきましてはなかったというふうに判断せざるを得ません。
 もう一つは、そういったことをあらわす一つの根拠としまして、先ほど加藤先生の方から提出された資料でございます。例えば、二〇〇七年十一月十八日の読売関西版、「“脳死”とされた子供」、脳死に点々と振ってあります。それから、その次のページの「長期脳死児」、これは毎日新聞の記事でございますが、長期脳死児にかぎ括弧がついております。これをお聞きしましたところ、これは本当の意味での脳死ではないから、こういうふうな点々を打ったんだ、かぎ括弧をつけたんだということでございまして、これはある意味では非常に、何といいますか、無責任な書き方ではないか、一般の読者に誤解を与える書き方ではないかと思います。
 さて、もう一つの本質的な問題としまして、きちんと脳死判定をされた方々がどれぐらい生存できるだろうかということに関しましては、これは確かに御指摘のように変わってきています。しかし、それには、例えばADHといいまして、抗利尿ホルモンというホルモン、これは脳下垂体から出るホルモンでございます。それから、甲状腺ホルモンとか、そういったいろいろな生体環境を脳のコントロールにかわって外からコントロールして、やっと心臓の拍動を維持できるという意味でございます。そういった形で、本来は脳あるいは身体の中での恒常性の維持、ホメオスタシスの維持といいまして、自動的に調整されている機能がバランスを失っているために、外から人為的にそういった環境を維持しますと、心拍動を人工的に維持する期間は、例えば二カ月、三カ月、あるいは、ひょっとしたら一年に及ぶかもしれないということが言われております。
 先ほどから何度も例に出ますアラン・シューモンさんの症例に関しましても、これは厳密に脳死判定を行われたものは非常に少なく、そして、福嶌先生の御意見では、大阪大学でそのようなホルモンを投与して心機能を維持された事例があるということでありますが、それも引用されています。その大阪大学の症例に関しましては、きちんとした脳死診断がされているということでございますが、そのほかの事例に関しましては、アラン・シューモンさんが引用された事例ですら、きちんとした脳死診断はしていないというのが実情でございます。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 寺岡慧

speaker_id: 24860

日付: 2007-12-11

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案審査小委員会