白川方明の発言 (財務金融委員会)

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○白川参考人 お答えいたします。
 最初にドルの問題でございますけれども、短期の問題と長期の問題を分けてお話しさせていただこうと思います。
 まず短期でございますけれども、国際金融市場におきましては、米国のサブプライム問題に端を発しました動揺が続いております。そうしたもとで、為替市場についても振れの大きな展開となっております。こうした動きは、基本的には、さまざまな金融資産のリスク再評価の過程でございまして、これは、日本の経験からしましても、ある程度時間のかかるプロセスだというふうに思います。したがいまして、その間は金融市場の調整が経済の調整とあわせて秩序立って進むということが大変大事だというふうに思っております。
 そのために今、各国中央銀行は、流動性の供給の面でも、その対応を円滑に進める努力をしておるというふうに理解しております。
 一方、長期的な問題でございますけれども、国際的な貿易取引や金融取引にどのような通貨が用いられ、あるいはその準備資産としてどの国の通貨を保有するかということは、基本的には、各国の短期的な経済の状況だけではなくて、その国の持っている基礎的な力、国際社会における地位や、厚みのある強固な金融市場の存在、さまざまな要因に依存してまいります。そうした要因を反映しましてどの通貨を選んでいくのか、これまではドルが基軸通貨として使われておったわけでございますけれども、このドルの基軸通貨としての地位がどういうふうになっていくのかというのが、委員の御質問の背後にある一つのまた大きな問題意識かというふうに理解いたしました。
 この面でいきますと、当面、今申し上げたような基礎的な条件が大きく変わるというふうには見ておりませんけれども、しかし、こうした中長期的な側面も含めまして、今後の国際通貨情勢、為替相場の動向については注意深く見ていく必要があるというふうに思っております。
 それで、実効為替レートでございますけれども、委員が御指摘のように、今、各国の中央銀行、国際機関、実効為替レート、つまり貿易量で加重平均をしました為替レートの数字を計算し、定期的に公表をしております。日本の場合にも日本銀行が公表をしておりますけれども、現在のところ公表されておる実効レートは、これは、すべて実は輸出金額でもって加重平均しております。したがいまして、輸入金額も反映していませんし、それから、委員が御指摘になった資本取引についても反映しておりません。
 なぜ、そうした実効為替レートが現状において計算されていないのかといいますと、結局、加重平均をするときのウエート、これをどういうふうに計算するのかというのがなかなか難しくて、多分それは、局面局面で変わっていくという性格のものでもまたあるというふうに思います。
 貿易の場合ですと、例えば、アメリカ向けの輸出ウエートあるいは中国向けの輸出ウエートが短期的に大きく変わるということは、これはございません。金融取引の場合には、これは、その通貨、為替レートに対する信認でもってまた大きく変動してまいりますし、なかなか機械的に加重平均レートを計算することが難しいということでございます。
 ただ、委員が御指摘のような、単に貿易量だけ見てはだめなんだ、資本取引も含めて、あるいは先ほど御指摘のあった投信、つまり、機関投資家の動きも含めて資本の動きを十分見て為替レートの動きを判断しないといけない、背後にある資本の動きを判断しないといけないという問題意識自体は、これはどの中央銀行にも共通でございます。日本銀行もそうした角度でもって分析をしているというふうに理解しております。

発言情報

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発言者: 白川方明

speaker_id: 24444

日付: 2008-03-25

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会