木挽司の発言 (総務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○木挽委員 私は、時代の変化に伴ってあらゆるものの位置づけが変わってきた日本にあって、今ここで改めて道路特定財源の性質を考える時期に来ていると考えております。
 かつてぜいたく品の代表選手であった自動車、そうした考え方が残っている一方で、最低限の生活インフラとしての自動車それ自体と道路は維持されなければならないのは事実だと思っております。しかし、自動車が一般的なものになってきたことで、各家庭で購入すればそれでいいじゃないかと言わんばかりに、もちろん採算が合わないからということもありますが、各地方の路線を廃止するバスや鉄道があらわれてきたことも事実だと思っております。道路ができたのだから車を買うだろう、あるいは車を利用する人がふえたからバス路線を減少させようとかローカル線を廃止しようという話があるのも、私は本当に目の前で見てきております。
 住民にすれば、公共交通機関が有効に機能していれば、高いと感じる車をわざわざ保有しなくてもいいという事実も存在していると思います。最近国に申請されている中心市街地の再活性化案などを見ると、そうした住民の考え方を反映した計画も見られております。
 自動車がふえて、税金で道路ができ、その結果公共交通機関が廃止される、この因果関係。ここで重要なのは、必ずしもすべての人が車を運転できるわけではないということだと思っております。かくして、過疎化が進行する上に自動車がふえて渋滞が発生し、温暖化は進む。さらに、自動車でしか行けない郊外の大型ショッピングセンターは中心市街地の空洞化に拍車をかけ、コミュニティーが破壊される。
 自動車は買う、維持する、走らせるの三段階で課税されておりますが、自動車と道路が依然として生活インフラであり、まだつながっていない、できていないものを完成させる必要があることを踏まえつつ、そのことによって外部不経済を受けている分野に配分していく時期にあるのではないかと考えております。その意味で、本来この税制は、時代の変化と受益と負担の関係の変化を踏まえるならば、例えば、長ったらしいですが、交通インフラ格差是正のための税制だとか、いわゆる自動車使用に伴う外部不経済を是正するための税制とでも表現するべきかなというふうにも考えております。
 さて、ちょっと私見が続きますけれども、さらに選挙区を歩いていて、この一連の話題でいつも腑に落ちないと言われるのが、やはり暫定という言葉です。私自身が学生時代から習った国語の領域では、この暫定という言葉の意味は今使われているのとは違うのかなと。政治が今まで以上に厳しい目で見られている現在で、意見の対立もいいし、自分の信念で物を言うのはもちろんいいと思います。しかし、だめなのは、やはりごまかそうとすることだと思っています。これまでも暫定といいながら長きにわたって続けてきたし、今回も暫定といいながら十年というのは納得がいかないという声は確かに地元で聞いております。
 私自身は、道路は耐用年数が長くて、かつ完成まで長くかかるのが通常であり、現在厳しい財政状況の中で、先ほどから述べておりますが、つくりかけの道路やつながなければ価値が半減するものなどを含めて、道路そのもののあり方を見直す時期だからこそ、その意味を込めて暫定と。当初の暫定とは意味合いが変わってきているのかなというふうに解釈もしております。世間で、暫定といいながら、しかしながらだらだらと続けているという印象を解くための努力をもっと政府や関係省庁に望みたいとも思っております。
 そこで、ここで、特定財源が特定財源であるべき理由について、国交省と総務省それぞれにお尋ねしたいと思います。国と地方によってその意味合いも変わってくるとは思いますが。
 私は、物づくり、一般産業機械、設備機械のメーカーを経営しておりました。トップセールスで国内外を飛び歩くということが多かったんです。今でこそそんなことないですが、十年ちょっと前ほどには、東南アジアにコンピューター制御を搭載した最新鋭の機械を輸出すると、制御が思うように機能しなかったり、高速回転する回転体の金属部分が異様に摩耗したりというトラブルが頻繁に発生することがありました。現地へ足を運ぶと原因は単純で、電力供給事業が不安定なことだったり、生産ラインが設置されている工場そのものの環境が劣悪だったということが起因して、例えば異常な暑さや、雨漏りだったり、ほこりが原因となることも間々あったわけです。
 当然、そうした環境とは違って、国内の生産現場では、精密部品などの生産工程や、特に高速回転する部分の組み立て工程で小さなごみやほこり一つにも神経をとがらせて作業する社員の就労環境を維持することは、品質を保持する上でも非常に大切でした。それは文字どおり我が社の生命線を維持することとイコールで、同時に、こうした生産工場施設の修理を含む維持管理費に要する費用は、資金繰りと切り離して用意しておく必要がありました。
 家計でも、生活に絶対必要なお金については天引きにするか、主婦の方でも別口座にしておくというのはよくあることだと私は思っております。この別口座にしておくことと節約することは話が違うと思います。道路もこのような考え方で特定財源としていると思うのですが、どうでしょうか。まず、国交省の御意見をお伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 116904601X00820080228_012

発言者: 木挽司

speaker_id: 29196

日付: 2008-02-28

院: 衆議院

会議名: 総務委員会