山口廣秀の発言 (議院運営委員会)
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○参考人(山口廣秀君) 日本銀行理事の山口でございます。
本日は所信を述べる機会を与えていただきまして、誠に光栄に存じます。
私は、日本銀行に入行して以来三十年余り、ほぼ一貫して中央銀行の実務に携わってまいりました。一昨年理事に就任して以降は、金融政策、金融システム、内部管理等の仕事に従事してまいりました。
日本銀行の使命は、物価の安定と信用秩序の維持を達成することであります。これら二つのことが実現されて初めて我が国経済が持続的に発展していくための基盤が整うということであります。それだけに、日本銀行に課された使命は誠に重大であると認識しております。
日本銀行は、あくまでも中央銀行という銀行であります。したがいまして、使命の達成も、銀行業務、言い換えますと、銀行券の発行、預金の提供、貸出しの実行といった業務を通じて行うことになります。ここに、行政機関ではない日本銀行の特徴がありますし、日本銀行の仕事に中央銀行としての専門性が求められるゆえんがあると考えています。
内外の経済金融情勢に目を向けますと、現在、国際金融資本市場及び金融システムは、米欧を中心に近年例を見ないほどの緊張下にあります。景気は米国等で減速の動きがはっきりしてきていますし、インフレ率は世界的になお高い水準となっています。先行きについては、金融と実体経済のマイナスの相互作用がどのように展開するのかといったこととも関連して、見通しが大変難しくなっています。
一方、我が国の状況を見ますと、金融資本市場は欧米に比べれば落ち着いていますが、緊張感が次第に広がっています。株価や円相場は極めて神経質な展開を示しています。景気は、輸出の伸び悩みなどから既に停滞局面に入っていますし、当面停滞を続ける見通しです。消費者物価は、このところ前年比二%台半ばの上昇となり、ここしばらくはこれに近い上昇率を続けると見られます。我が国経済の先行きにつきましても、国際的な経済金融の動きが見通しにくいということでありますだけに、不確実性が更に高まっております。
このように内外経済についての情勢判断が非常に難しくなっている下にありまして、日本銀行の政策運営のかじ取りも一段と難しさを増しています。仮に副総裁を拝命することになりました場合には、果たすべき役割を十分にわきまえて職務に邁進することがこれまで以上に重要になっていると考えます。
副総裁の役割として特に大事であると思いますのは、第一に、言うまでもありませんが、総裁をしっかりと補佐することであります。これまでに培ってきました知識や経験を生かしながら、金融政策を始めとして、日本銀行の遂行する政策・業務運営全般にわたって総裁を適切に補佐していかなければならないと考えます。
二つ目は、日本銀行がその組織力を最大限に発揮できるよう努力することであります。組織は人であります。日本銀行に長く勤務した経験を基に、職員一人一人の持てる力や専門性を引き出し、日本銀行の組織力をフルに発揮させていくことが重要な任務であると考えます。
仮に副総裁を拝命することになるとすれば、ただいま申し述べた役割を十分に認識し、また独立性と透明性という日本銀行の政策運営を律する基本原則をしっかり踏まえながら、全身全霊を傾けて職務に取り組む所存であります。
どうかよろしくお願い申し上げます。