小野晋也の発言 (環境委員会)

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○小野(晋)委員 おはようございます。
 私は、実は次期の総選挙に出馬しないということを表明いたしております。したがいまして、この質問席に立たせていただくのも恐らくきょうが最後ということになるんだろうと思います。ぜひきょうは斉藤大臣と率直な意見交換をさせていただいて、きょうのこの質疑が環境行政関係者に対する遺言となる気持ちで行いたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、私の基本的な考え方を少し述べさせていただきたいと思うのでございますけれども、このごろ、百年に一度の危機という言葉がよく使われます。先日の江田委員の御質問でも、この百年に一度というまくら言葉を使われて質問を始められたことが記憶にあるわけでありますけれども、百年に一度というのは一体どういう意味であるかということをるる考えてみますと、小さな循環論的な意味での変化ではあり得ないということを意味していると解釈してよろしいんだろうと思うのですね。人類の歴史の中において非常に大きな変化がこれから起こってくる、それは恐らく文明次元における変化であろうというふうに考えるべき問題だと思うのであります。
 振り返りますと、人類の歴史上、多くの文明が盛衰を繰り返してまいりました。多くの文明が次々とその役割を果たしながら、人類社会を進化させてきたと評価することができるのであろうと思うのでございます。その歴史を振り返るときの教訓というものは、必ず何かの中心軸を持っていたということが言えるのだろうと思うのであります。
 つまり、何らかのものがその中心役を果たし、そこに経済ですとか社会のさまざまな要素、教育、いろいろなものを巻き込みながら新しい人類の文明社会を築き上げてきたというふうにとらえてまいりましたときに、私は、基本的にこれからは環境問題がグローバル社会における大きな文明転換の中心軸になる可能性をはらんでいる、こう評価していいと思うのであります。
 随分大時代がかってくるのでありますが、かつて孔子は、政をなすに徳をもってすれば、北辰、北極星ですね、北辰のその場にいて衆星のこれに向かうがごとしと言い、徳治政治を訴え、徳こそがその中心になるものだと語ったのでありますが、これは恐らく、小国寡民という当時の社会の中にあって言うことができた論なんだろうと思います。
 その後、活動エリアが拡大される中でどういうものが力を持ってきたかといえば、文明学者でありますところのアルビン・トフラー氏によれば、当初は武力である、軍事的な力を持ち戦争に勝てるところがその力をもって文明を動かしたという評価を行い、そしてその次には金力、経済力ですね、経済こそがその中心軸である。現代は何であるかというと、トフラー氏いわく、知恵であるというふうなことを言われるのであります。
 この知恵というものを軸に考えてまいりますときに、私はまた三つの基本的な要素が存在すると思うのであります。その一つは、多くの人が深刻に課題を共有できるということが条件として必要だと思いますね。二つ目には、普遍的な手段をもってその問題を解決する道筋が理解できる、そういうものをつくることができるという問題が二つ目にあります。それから三つ目には、その取り組みが一過性のものではない、その取り組みを継続的に行うことを通して蓄積的に世の中の変化を導くという要素を持っているということ、こういうふうなことが満たされるときに大きな文明転換が起こる、こういうふうな気持ちがいたしておるわけであります。
 そこで、先ほど提起いたしました環境の問題でございますけれども、まさに現代の時代において、いろいろ疑義を唱える方もまだ一部にはいますけれども、その深刻な問題認識という面で見ますならば、地球温暖化問題を中心とするこの大規模な環境問題が人類の存亡にかかわる問題だとかなり幅広く認識されているというので、第一条件を満たしておるわけであります。
 それから第二の条件として、その原因と結果の間を結びつけるものがかなり明瞭になってきていることを通して、例えば二酸化炭素排出量を減らしましょうといったような、具体的であり、しかも普遍性を伴うところの解決策が我々の前に提示されている問題がございます。
 それから第三点目に蓄積性の問題を述べましたけれども、この取り組みは、決してきょうこれに対策を打てばそれで終わるという問題ではなく、一年で終わる問題でもなく、十年かかり百年かかる、こういう長大な期間を想定しながら取り組まねばならないという意味での条件も満たすということから考えますと、まさに環境問題こそが、今人類が知恵を絞り、また、さまざまな努力を重ねながら、新しい文明の地平を切り開くための中心の軸として動いていく要素になってくる問題である、こういうふうな認識を持つことができるのではなかろうかと思うわけであります。
 その大きな時代の潮流の中にあって、大変化と言われる潮流の中にあってこそ、いろいろな経済問題が発生し、また、人の心の問題が発生し、さまざまな社会問題が発生する。すなわち、これら全体を巻き込みながら、環境問題が軸となりつつ、全世界的であり、また、総合的な課題の解決に立ち向かっていくことが二十一世紀の時代というものを特色づけるのではなかろうか、これが私自身の見解でございますけれども、この点、非常に見識深く、幅広く問題に取り組んでおられる斉藤大臣、いかなる御所見をお持ちになっておられるか、まずお尋ねをしたいと思うのであります。

発言情報

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発言者: 小野晋也

speaker_id: 14105

日付: 2009-04-07

院: 衆議院

会議名: 環境委員会