井上信治の発言 (厚生労働委員会)
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○井上(信)委員 おはようございます。自由民主党の井上信治です。
本日は、大変貴重な機会をお与えいただきまして、大変ありがとうございます。
先輩方の御努力によって平成九年に臓器移植法が成立をし、そして、附則の中では三年以内に必要な検討を加えて見直しをしていく、こういう規定があったにもかかわらず、なかなか見直しが進まなかった。私も大変じくじたる思いをいたしておりました。しかし、今般、そちらに座っておられる提出者の先生方を初めとして皆さんの努力で臓器移植法改正法案が国会に提出をされ、そして大いに議論されていることに、心より敬意を表したいと思っております。
私は思います。医療の技術の発展などによりまして、これは臓器移植の問題だけではなくて、例えば生殖医療とか、クローン技術とか、尊厳死の問題など、個人の生死観や倫理観、宗教観などが問われる、そんな大きな課題が本当に多く提示をされております。このような個人の価値観にかかわる問題を、立法府を初めとして行政や司法など国家機関がどの程度関与して規律していくのかというのは大変難しい問題だと思っています。
国会議員ごときが人の生死にかかわる判断をするのはおこがましい、そういったような御指摘もありましたけれども、他方で、我々立法府が考え方を示し行動しないことには、現場は現場で途方に暮れて対応に苦慮し、あるいは救えるはずだった命が救われずに失われてしまう、こういったことも現実であると思っております。ですから、当然のことながら、科学的な検証とかあるいは社会的なコンセンサスの醸成の状況、こういったものをしっかりと見詰め、また、個人の価値観、意思決定を最大限に尊重しながらも、やはり我々が一定の枠組みをつくっていくというのは、むしろ立法府の、国民の代表たる我々の責任ではないかと私は考えております。
そのような信念に基づいておりますので、今、臓器移植が世界各国と比べてもなかなか症例がふえてこないという日本の現実にかんがみまして、そういう意味では、法案が成立すれば症例が最もふえるだろうと予想されるA案を私は支持しております。
時間が大変限られておりますので、以下、A案とD案について、特にその違いなどについて質問をさせてもらいたいと思います。
A案につきまして、ポイントは多くありますけれども、やはり大きなポイントは、脳死が人の死であるということを前提として考えておられる、そのことについて抵抗を感じている方も多いということだと思います。本当にそこまで社会的合意が進んでいるのか、それが他の案の賛同者の方々から疑問が呈されているという状況であります。
しかし、先週のA案の方々の御答弁などを伺っておりますと、これは臓器移植法でございますから臓器の移植に関連しての法律であって、臓器移植以外の場面において、一般的な脳死判定の制度あるいは統一的な死の定義を定めるものではないということで、A案において、脳死を人の死とすることは臓器移植のときに限って認めていくということだと思います。そういたしますと、前提条件としての脳死の解釈が異なっているとしましても、実際の医療の現場における効果としては余りほかの案と変わらず、過度に心配する必要はないのではないか、そんなふうにも思います。
先週、阿部議員などを初めとして、少しこの点について質疑がありましたけれども、大変重要なポイントであり、かつ、ちょっとわかりにくい部分もありますので、改めてA案の先生に御説明をいただきたいと思います。