赤嶺政賢の発言 (本会議)
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○赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、海賊対処法案の再議決に反対の討論を行います。(拍手)
まず、本日参議院で否決された海賊対処法案、租税特別措置法案、国民年金法案の三つの法案について、政府・与党が、参議院の意思を一顧だにせず、直ちに衆議院で再議決し成立させようとしていることに強く抗議するものであります。
参議院で与野党の議席が逆転して以降、福田内閣での新テロ法を初め、三分の二の多数による再議決が計六回行われましたが、今回は、たった一日で、内容の異なる重要法案を三本まとめて押し通そうとしています。前代未聞の暴挙であり、断じて容認できません。
本法案は、海賊対処を口実にして、自衛隊の海外活動と武器使用権限を拡大し、憲法九条が禁ずる海外での武力行使に道を開くものであり、断じて容認できません。
この間の審議ではっきりしたことは、軍隊の派遣でソマリア沖の海賊問題を解決できないことです。
そもそも、ソマリアは、欧米列強やエチオピアの植民地として分割統治され、一九六〇年の独立後は、米ソが競い合って軍事政権を援助し、大量の武器の流入を招きました。九一年に内戦状態に陥って以降は、国連の平和執行部隊の派遣が失敗し、対テロ戦争の名による米軍の空爆と軍事介入が行われてきました。そのもとで、外国船による違法操業、有毒廃棄物の不法投棄が横行し、追い詰められた漁民らが海賊に動員される状況を生み出したのです。
外部勢力の不当な介入に翻弄されてきた歴史を持つ国で、海賊対処と称して軍隊を派遣することは、ソマリアの人々にさらなる不信を広げるだけであります。
昨年から各国がソマリア沖に軍隊を派遣しましたが、海賊事件は、減るどころか、ふえているのが実態です。四月には、米軍が人質救出のために海賊三人を射殺し、海賊が報復を宣言する事態になりました。力でねじ伏せるやり方は、事態を悪化させるだけであります。
ソマリア沖の海賊問題を解決する道は、軍隊を派遣することではありません。長期にわたる内戦を終結させ、人々が生活できる環境をつくる、そのための支援こそ必要です。
ソマリアでは、地域主導の粘り強い和平努力が行われ、昨年八月、暫定連邦政府とソマリア再解放連盟の穏健派グループが武力行使の停止などで合意しました。今、かつてない広範な勢力が結集した暫定連邦政府を中心に、さまざまな問題を抱えながらも、内戦終結と国民的和解に向けた努力が続けられています。
憲法九条を持つ日本は、こうした地域主導の和平努力への支援、民生支援こそ積極的に行うべきです。船舶の安全確保は航路の迂回などで可能であり、現にそうした方法をとっている商船も少なくありません。
それでも政府が自衛隊派遣に固執するのは、結局、米軍支援が目的と言わなければなりません。
シーファー前駐日大使は、一月の講演で、オバマ新政権に対し日本ができることをみずから提案するよう促し、その一つに、海賊からのシーレーン防衛を挙げました。
海上自衛隊のP3C哨戒機の派遣は、米軍の要請を受けたものであり、対アフガン作戦に哨戒機を集中させた米軍の肩がわりにほかなりません。P3Cによる情報提供は、海賊対処だけでなく、対テロ戦争、ソマリア本土への空爆など、米軍の軍事作戦全体を支援することになるのであります。
しかも、政府は、治安の安定が指摘されるジブチに、海外派遣の中核部隊として新編した陸上自衛隊中央即応連隊を派遣しました。インド洋で給油活動を行う海上自衛隊と合わせ、陸海空三自衛隊約九百人がアデン湾周辺に展開する事態になっているのであります。
アメリカ言いなりで自衛隊を海外に派遣するのは、やめるべきです。法案を押し通し、自衛隊海外派兵恒久法への突破口にするなど、言語道断であります。
以上、法案は廃案にし、海賊問題の解決に逆行する自衛隊派遣は直ちに中止するよう重ねて求め、討論を終わります。(拍手)