四宮啓の発言 (法務委員会)
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○参考人(四宮啓君) ありがとうございます。
今度の制度は専門家と非専門家、専門家でない人がそれぞれの知恵を出し合っていいものにしようという制度ですので、今、丸山先生御指摘のとおり、裁判官がずっと沈黙していたのではこの制度の意味がないと思います。ですから、裁判官に期待されている役割は、まさに今も御指摘のとおり、法律専門家として法律の知識と裁判の経験があるということからの意見をやっぱり言うべきだと思います。しかし、そのこととは別に、裁判員はもうそれだけで裁判官を尊敬してしまっているわけです。やっぱり自分とは違う、裁判は、裁判官がやることは正しいのだというふうにどうしても思ってしまいます。ですから、兼ね合いが難しいですね。
だから、私、さっき申し上げたように、裁判官は、しかし裁判官の法律の知識と裁判の経験だけで正しい判断ができるわけではないということを自覚していただかなきゃいけない。また裁判員も、法律の知識と裁判の経験があればいい判断ができるのではないということを考えてもらわなきゃいけない。これは、最初からそういうつもりで来てくださいというのは私は無理だと思います。
じゃ、どうするかというと、これは法律家の役割、つまり検察官や弁護士、特に弁護士の役割が私、大事だと思いますけれども。裁判員の皆さんは選ばれてからいきなり評議室で評議をするわけじゃありません。法廷で証拠を見聞きするわけですね。弁論を見聞きする。その中で弁護士が繰り返し繰り返し何が一番大事なのか、ルールは何なのか、そして皆さんに期待されている役割は何なのか、皆さんの使命は何なのか、何をしたときに胸を張って裁判所を後にできるのかということを法廷で伝えることが一番大事だと思うんです。そうすれば多くの方々は、特に一回だけですので、正しいことをしようと思って来ていらっしゃると思います。そこが、そうして裁判官が評議では自分の役割をきちんとわきまえていただける、そうなればいい議論ができていくと私は思います。