前川清成の発言 (予算委員会)

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○前川清成君 国家公務員の皆さん方が六十歳だとかあるいは五十七、八歳だとかでお辞めになっているという実態があります。しかし、その方々が仮に六十歳まで、公務員法で定められた定年まで、あるいは仮に総理が今おっしゃったような六十五歳までお勤めになったとしても、その人件費と天下り先に流れている十二兆六千億円、てんびんに掛ければ国の財政にとってどちらが得かははっきりしていると思うんです。だから、私は、この天下りというのこそむしろ無駄な公共工事の温床になっているのではないかな、そんなふうに思っています。
 それともう一つ、無駄かどうかという話より更に超えて、少子高齢化やあるいは人口減少社会をどう乗り越えていくのかという問題があります。いつまでも右肩上がりの経済を楽観的に期待することもできないんだろうと思っているんです。ですから、私は、あれもこれもという行政ではなくて、あれかこれか、選択が政治の大切な役割になってくるんではないかなと、そんなふうに思っています。
 そういうコンテクストで、少し防衛予算について調べさせていただきました。
 平成十六年の十二月十日に閣議決定されました防衛大綱にも、あるいは中期防衛力整備計画の中にも、我が国に対する本格的な侵略の可能性は低下しているので、従来のような冷戦型の整備構想を転換すると、こういうふうに書かれています。
 ところが、陸上自衛隊には約八百両の戦車がありまして、最新の九〇式戦車は、東千歳に二百二十両、帯広に四十二両、旭川に七十両配備されています。この配備は、冷戦当時の、ソ連が北海道に上陸してくる、それを戦車で迎え撃つという時代の発想そのものではないかなと思っています。冷戦型の整備構想を転換すると言いながら、陸海空の縦割りのために冷戦型の組織や装備がそのまま続いているのではないか。
 そこで、私は、日本をめぐる安全保障の環境が変化した節目節目に着目しつつ、陸海空の防衛予算を調べて、そのシェアをグラフにいたしました。
 まず、一九八九年の十一月にベルリンの壁が崩壊して、翌月に米ソの冷戦終結宣言がありましたけれども、この前年、一九八八年の防衛関係費は三兆七千三億円で、うち陸上自衛隊が一兆三千三百三億円、全体の三五・九%になります。海上自衛隊は九千四百七億円で二五%、航空自衛隊は九千三百四十二億円で二五%、こんな具合でこのグラフを作っています。
 ベルリンの壁崩壊の翌年、一九九〇年の防衛関係費は四兆一千五百九十三億円で、うち陸上自衛隊が一兆四千七百四十九億円、全体の三五・四%という具合です。
 一九九八年八月に北朝鮮がテポドンを発射をいたしました。翌一九九九年の防衛関係費、四兆九千二百一億円、陸上自衛隊が全体の三七%を占めています。
 二〇〇六年の七月に北朝鮮がミサイルを発射して、十月には核実験もいたしました。それでも、翌二〇〇七年の防衛関係費は四兆七千八百十八億円で、陸上自衛隊のシェアは全体の三六%。
 要するに、冷戦が終わり、ソ連が崩壊して北海道侵攻の脅威が減じても陸上自衛隊のシェアはおおむね三六%。北朝鮮のミサイルが大きな脅威となって、ミサイル防衛を海上自衛隊のイージス艦であるとか航空自衛隊のPAC3が担うようになっても、海上自衛隊、航空自衛隊の予算シェアは二三%前後で、ほぼ一定であります。
 数字は正直ですから、その時々の真に必要な防衛力を整備するべきであって、陸海空の縄張と既得権益を守る必要はない。この点で、防衛予算についても、あれもこれもではなくて、あれかこれかの選択をしなければならないのではないかと、こんなふうに考えています。
 中期防が来年度で終わりますので、この防衛予算についてどのようなめり張りを付けていくのか、防衛大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

発言情報

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発言者: 前川清成

speaker_id: 22257

日付: 2009-03-16

院: 参議院

会議名: 予算委員会