湯浅誠の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(湯浅誠君) 今この部屋に入る前に赤井さんと少しお話ししていたら、何かちょっと違う、私が間違っているようで、専門ではないので私よく分からないんですけど、私は素朴にこう思っているんですね。
要するに、日本の社会保障費はOECD平均に比べてずっと低いよということですね。これはそのとおり、数字のとおり。だけど、日本の社会ってそれなりに回ってきた。何で回ってきたんだろう、何が社会保障的な機能を果たしてきたんだろうということですよね。何かがそこを補っていなければ問題が起こっていたはずなんですけど、大きな意味では問題が起こっていなかった。じゃ何なのかというと、それは公共事業だったんじゃないかと思うんですね。公共事業が、特に地方財政について、経済については言ってみれば雇用の確保とかそういう社会保障的な機能を担ってきていた、だから公的なセーフティーネットというのは必ずしもそんなに昔から強くなかったけど、それなりにやれる人が多かったということなんではないか。
今、企業福祉と家族福祉が全体縮小していって貧困が見えてきちゃう中で、やっぱり社会保障費を上げなきゃいけないということは出てくるんだと思うんですけど、その中でもう一つ考えてみたらいいんじゃないかというのは、やっぱり公共事業のそういう社会保障的な性格というのをもうちょっと強めるというようなことはできないものなのかと思っているんですね。例えば、今公共事業は、入札は、例えば人件費に幾ら掛かるよ、それにどんどん部品に幾ら掛かるよという積み上げ方式らしいですけれども、それで全体でこれを受注するためにはこれだけのお金が掛かりますというふうにして入札するそうなんですが、そのときに出てくる人件費って、これ元請の人件費なんですよね。だけど、それは下請、孫請と下りていくうちに、やっぱりどんどん日給五千円とか六千円になっちゃって、結局、地方の工務店の人が孫請で請けるときには、もうそんな余裕ないから、現場で働く人にはもうこれぐらいでやってもらうしかないみたいな感じで最賃すれすれの賃金になっちゃったりする。
だとしたら、もうちょっと現場に下りていくときの、この現場で働く人の賃金はこれだけなんだと、そこにいろいろ積み上げていくようにして公共事業みたいのをやれないか。あるいは、この公共事業というのはそういう意味で社会保障的な機能を担っているんだから、例えば地元の人を何%以上雇わなきゃいけないとか、そういうのが公契約条例と言われたりするんだと思うんですけど、そういう要素をいろいろ入れていってそこである程度は支えていくというふうに、もちろんそこからこぼれちゃう人はそれはそれでやらないといけませんが、何かそういうふうにもうちょっと明確にしてもいいんじゃないかということを、私は素人考えですが、素朴に思っているということですね。
そうでないと、何かみんなが公的なセーフティーネットだけで支えるんだというのもやっぱりそれは今までの日本の社会の流れからいってもうまくいかないだろうし、でも、かといって、じゃ、今までのままではいかぬし、だとすると、そこら辺のメッセージをもう一回明確に出して、削らなきゃいけない部分ももちろん公共事業の中で出てくると思いますが、そこは分配の仕方を変えて、あとは全体を見直すという意味で、そういうところに手を付けることで社会保障の問題も公共事業の問題と一体的に考えていくみたいなことができないものなのかなと思っているということです。