塩崎恭久の発言 (経済産業委員会)

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○塩崎委員 自民党の塩崎恭久でございます。
 大変初々しい松岡さんの質問の後に、いささか、昔にああいう初々しさを持っておりました私でございますが、質問をさせていただきたいと思います。
 やっと法案審議までたどり着いて、北神筆頭と苦労してきたかいがあったかな、こう思うわけでありまして、委員長におかれましても、今後ともひとつフェアな委員会の進行をお願いしたい、こう思うわけであります。
 時間が余りありませんのでお話をさせていただきたいと思いますが、ちょうど、二〇〇七年、平成十九年に、いわゆる事業承継税制というのが大変話題になっておりました。この事業承継税制というのは、実はしかし、対象は法人成りをした株式会社等であったということでございます。
 中小企業とよく一言で言いますけれども、中小企業の中にもいろいろありまして、我が国の法人というか企業、いわゆる中小企業と呼ばれている四百二十万事業体、このうち、実は六割、六一%の二百五十七万というのがいわゆる個人事業者なんですね。我々はよく中小企業というと、何となく株式会社、あるいは有限会社の中小企業を思い浮かべますけれども、今申し上げたように、六割以上が実は法人成りをしていない個人事業者だということをまず我々は押さえなければいけないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 二〇〇七年のその事業承継税制の議論がされているときに、私は、地元で青色申告会の青年部の皆さんと勉強会をやりました。そこで大分いろいろなことを御指摘いただきました。
 要は、今行われている事業承継税制の改革議論というのは、対象はあくまでも株式会社、法人成りをしている企業だけじゃないか、そして、零細事業者の事業承継については何も考えてくれていないじゃないか、こういうことを厳しく言われました。特に、個人事業者ももちろん事業用資産というのはたくさん持っているわけでありますけれども、それについては事業承継税制の議論すらなされていなかった。言ってみれば、零細個人事業主というのは消えていくのみじゃないか、こういうふうに厳しく言われて、私もはっとしたわけでございます。
 中小企業の中核ともいうべき個人事業主については、今、松岡さんからお話がありましたように、実は、そのときに私が改めて明確に学んだのは、個人事業者には退職金の制度が、今の松岡さんのお父さんは知らなかったようでありますけれども、知っていたとしても、本人一人にしか退職金がない、こういうことだということを改めて私はそのとき知ったわけであります。
 この事業承継税制そのものは、いわゆる民法というか、家督相続制度のもとで均分相続をされるという、普通の家庭で行われるのと同じことが行われてしまうけれども、事業を営んでいる、こういう中で個人事業主の皆さん方は今日まで頑張ってきて、まさに地域の経済を支えてきたということだというふうに思います。
 下手をすれば、子供が三人いると、相続する財産は六分の一。奥さんが半分、子供たちが三人いれば六分の一しか来ない。そうすると、事業用資産があれば、それをまた兄弟から買っていかないといけないというようなこともあって大変な上に、退職金もないということでありますし、今、お母さんに聞いたという話がありましたけれども、まさに、二人で苦労して、大体夫婦で頑張っているわけでありますが、その奥さんにすら退職金がないということであったわけでございます。
 法人成りをしていれば、例えば、おやじは社長、奥さんが副社長、それから長男が専務、次男が常務、長男の嫁さんが監査役、次男の奥さんも監査役とか、そうすると、今ので合計六名、この小規模共済の対象になっちゃうんですね。ところが、同じぐらいの家族で個人事業主でやっていた場合には、たった一人、おやじさんだけが退職金をもらうという対象で、それは知っていればの話でありますけれども。
 そんなことで、このアンバランスをどう考えるんだということで、我々自民党の中で、個人事業主の退職金制度であります小規模企業共済とそれから中退共、この二つをしっかり充実しなければいけないんじゃないかということになったわけでございます。
 もちろん、税制の問題については、私は、まだ考えなければいけないケースというのはいっぱいあると思うんです。つまり、事業用資産をすごくたくさん持っている個人事業主というのは、相続が起きたときに非常に苦労することになるわけであります。したがって、これについては、民法で全部整理をするだけで本当に地域の経済を担っていくこの事業体が個人事業主として引き継いでいけるのかどうか。
 青色申告制度というのは、法人成りをしてもしなくてもちゃんとやれるように、シャウプ勧告に基づいてつくってきた、長い伝統のある制度だと思うんですね。これをやめるという話はないと思うので、そうなると、今回は、小規模企業共済と中退共、この二つの制度を充実するということで、きょう、こうして議論させていただくわけでありますけれども、本来、承継税制としても、個人事業主についても考えるべきではないかというふうに私は思うわけであります。
 今申し上げたように、六割以上が個人事業主、中小企業庁のアンケート調査では、その一割もないところが税制で困っているということだという整理をしたので、この問題については今回対象になっていませんけれども、この話に入る前に大臣に、今のような認識をお持ちかどうか。つまり、個人事業主の事業用資産についても、将来的にやはり承継税制について考えていかなければいけないという御認識をされているかどうか、まず大臣から御答弁をいただきたいというふうに思います。

発言情報

speech_id: 117404080X00320100319_017

発言者: 塩崎恭久

speaker_id: 34685

日付: 2010-03-19

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会