小林剛の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(小林剛君) 全国健康保険協会理事長小林でございます。よろしくお願いいたします。
着席で説明させていただきます。
まず、私ども協会けんぽの財政再建のための特例措置に関する法案について御審議いただいておりますことに対し、まず御礼申し上げます。また、本日、こういう機会をいただいたことに対し、重ねて御礼申し上げます。
早速、お手元の資料に即して、全国健康保険協会の概況について、財政状況を中心に御説明申し上げます。
まず、一ページを御覧いただきたいと存じます。
一昨年十月、全国健康保険協会は、中小企業の従業員を中心として、健康保険組合に入っていない百六十万事業所の三千五百万人の被用者、御家族が加入する健康保険事業を国から引き継いで設立されました。当協会は非公務員型の法人であり、私も含め、四十七都道府県支部長はすべて民間出身であります。そして、民間組織としてサービスの向上や業務の効率化を進めております。協会には、事業主代表、加入者代表、有識者から構成される運営委員会が設置されており、保険料、予算、事業計画などが審議されております。また、地域の実情に応じて運営していくため、四十七都道府県支部にそれぞれ評議会が置かれ、支部の運営に関する事項が審議されております。
二ページを御覧いただきたいと存じます。
協会には全国百六十万の事業所が加入していると申し上げましたが、事業所数の六割が従業員五人未満、四分の三以上が従業員十人未満であり、中小零細の事業所が大多数を占めております。
次に、三ページを御覧ください。
これは被用者保険の各制度を比較した表ですが、表の下から二段目を御覧ください。被保険者一人当たりの標準報酬総額、すなわち平均年収で見ますと、協会けんぽが三百八十五万円、健保組合五百五十四万円、共済組合六百八十一万円となっており、大きな格差があります。このように、当協会は、他の被用者保険に比べて財政力が脆弱な保険者であることを御理解いただきたいと存じます。
次に、四ページを御覧ください。
協会けんぽと健保組合の平均年収の推移ですが、この平均年収の格差は拡大する傾向にあります。平成十四年度から十五年度にかけて点線になっております。これは、保険料の基礎となる報酬の範囲として新たにボーナスを含めることとされたわけですが、ボーナスは大企業と中小企業との間で大きな開きがあることから、これを反映して報酬格差が拡大しております。
本法案の中で、後期高齢者支援金の負担方法として、総報酬割が一部導入されることが盛り込まれておりますが、御覧のとおり、協会のような財政力の弱い保険者にとっては、財政力に応じた負担という点で、より公平な負担方法につながると考えております。
次に、五ページ御覧ください。
これは、協会けんぽの加入者の報酬月額の水準の年次推移についての表です。これを見ると、加入者の報酬水準の下落傾向が明らかです。
次に、六ページを御覧ください。
さて、今年度の保険料率についてです。急激な財政悪化を受け、二十二年度予算編成過程において、平成四年以降引き下げられていた国庫補助率を法律本則上の補助率に戻していただき、保険料率の上昇幅を圧縮していただくよう、協会として関係方面に要請してまいりました。そして、法案に盛られているこの三年間の特例措置を取りまとめていただき、これにより保険料率の上昇幅が〇・六%程度抑制されることになります。すなわち、全国平均で八・二%だった保険料率は、特例措置がなければ全国平均で九・九%まで上昇してしまいますが、九・三四%に抑えられることになります。このような特例措置を盛り込んだ本法案については、是非、今国会で成立を図っていただくようお願い申し上げます。
なお、保険料率改定に当たっては、事前に協会において都道府県支部から意見を聴くこととされておりますが、幾つかの支部からは、料率の引上げ幅を更に縮小すべき、料率について再考、再度考え直すようにお願いしたいとの意見もありましたが、大半はやむを得ないという意見でした。これらを踏まえ、運営委員会で了承をいただいております。
次に、七ページを御覧いただきたいと思います。
ここには、これまでの保険料率と国庫補助率の推移を参考までにお示ししております。
続きまして、八ページを御覧いただきたいと思います。
昨年の九月以降、都道府県ごとに地域の医療費水準を反映した保険料率が導入されており、今般の改定により今年度の保険料率は全国平均で九・三四%となり、最高は北海道の九・四二%、最低は長野の九・二六%となっております。
次に、九ページを御覧ください。
この都道府県単位保険料率の改定に当たっては、都道府県間の保険料率の差が急激に大きくならないように、都道府県ごとの医療費水準を反映した保険料率と全国平均の保険料率の差について、これを十分の一・五に圧縮する、いわゆる激変緩和措置が講じられております。
この措置については、支部評議会や運営委員会から、保険料率が高い支部の保険料率が更に上がることは避けるよう配慮すべきとの意見や、激変緩和期間は延長してほしいとの意見をいただき、協会として政府に要請したところ、これらの点についても法案などに盛り込んでいただきました。
次に、十ページを御覧ください。
今回の保険料率の引上げの背景について御説明いたします。
これは、平成十五年度の医療費、保険料率をそれぞれ一とした場合の指数をグラフにしたものです。近年、高齢化等の影響で医療費が年々増える一方、保険料収入は横ばいないし下落傾向にあることが分かります。
次に、十一ページ御覧ください。
これは、単年度収支差と準備金残高の推移をグラフにしたものです。準備金については十八年度に六千億円ありましたが、十九年度からは単年度収支差がマイナスとなり、準備金を取り崩しながら運営し、二十一年度は、一昨年秋のリーマン・ショック以降の経済不況の影響を受けて、単年度収支差はマイナス六千億円、準備金残高はマイナス四千五百億円となり、借入れをしながら運営する状況となっております。
次に、十二ページを御覧ください。
十八年度以降の被保険者一人当たりの報酬月額の推移を示すグラフです。御覧のとおり、十八年度から二十年度のグラフの形と二十一年度のグラフの形は異なっております。二十年度までのパターンは、九月には四月以降の昇給等の状況を反映して一定程度上昇し、その後の年度後半にかけて下がっていくというパターンでした。しかしながら、二十一年度については、前年のリーマン・ショックの影響を大きく受け、これまでのパターンと異なり一度も上昇せずに下降傾向が続いており、依然として厳しい状況で推移しております。
十三ページ御覧ください。
次に、医療費支出について申し上げます。これは、インフルエンザの報告数の推移について、平成十一年度以降の各月の報告数を見たものです。例年、一月から三月にかけて報告数が増え、医療費支出にも影響しますが、二十一年度は、秋以降の新型インフルエンザの流行により医療費支出が膨らんでおります。
次に、十四ページを御覧ください。
今後の平均保険料率の見通しについて若干申し上げたいと存じます。
今般の特例措置を前提として、平成二十三年度、二十四年度の保険料率を試算すると、更に引上げが必要となる見通しとなっております。中ほど、「参考」とありますが、賃金上昇率についてはケースAからケースDまでの四つの前提条件を置いて、それぞれ、上の段の表で黒く囲んだとおり、二十三年度、二十四年度の保険料率を試算いたしました。いずれの賃金上昇率のケースでも保険料率は上昇し、二十四年度はケースによっては一〇%を超える試算となっております。
次に、十五ページを御覧ください。
これは、二十一年度の実績見込みと二十二年度の収支見込みについての表です。
二十一年度末の、四千五百億円もの借入れを要する見通しになっていると先ほど申し上げましたが、この借入金は特例措置により三年間で返済することとされております。この表の、二十一年度の下の方の単年度収支差と準備金残高を御覧ください。単年度収支差はマイナス六千億円、準備金残高はマイナス四千五百億円となっており、二十二年度の方を御覧いただくと、単年度収支差千五百億円とし、これを返済に充てることとし、準備金残高はマイナス四千五百億円からマイナス三千億円に減少しております。二十三年度、二十四年度についても同様に、単年度収支差をプラス千五百億円として着実に返済し、二十四年度中に赤字を解消していく方針です。
なお、表の支出欄のその他に含まれている業務経費等に関して若干御説明申し上げます。
表の下に、米印のとおり、業務経費と一般管理費について記載しております。業務経費は前年比八十一億円の増加ですが、このうち保険者の義務である健診や保健指導については百六億円を増額し、一方、それ以外の経費については二十五億円を削減しております。一般管理費、これは人件費や事務費等に当たりますが、前年比十二億円を削減しております。
いずれにしましても、今般の特例措置の実施を前提に、協会けんぽが担っております被用者保険のセーフティーネットとしての機能をしっかり維持しながら、二十二年度から二十四年度までの三年間の財政再建を成し遂げられるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、十六ページ御覧いただきたいと思いますが、協会けんぽの保険者機能の強化について申し上げます。
協会発足後、運営委員会での御審議もいただきまして、保険者機能強化に向けたアクションプランを策定して、ジェネリック医薬品の使用促進や保健指導の推進、地域の医療費分析などを進めており、これらについては今後とも強化していく方針でございます。あわせて、医療費適正化の取組はもとより、お客様の声を踏まえて、業務改革やサービスの向上、意識改革を更に進めてまいりたいと考えております。
最後に、この法律案の早期成立を改めてお願い申し上げます。
ありがとうございました。