厚生労働委員会

2010-04-27 参議院 全263発言

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会議録情報#0
平成二十二年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     下田 敦子君
     米長 晴信君     長浜 博行君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     平山  誠君
     下田 敦子君     平山 幸司君
     辻  泰弘君     轟木 利治君
     森田  高君     川上 義博君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                川上 義博君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                轟木 利治君
                長浜 博行君
                平山 幸司君
                平山  誠君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                伊達 忠一君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                丸川 珠代君
                木庭健太郎君
                小池  晃君
                近藤 正道君
   国務大臣
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
   参考人
       全国町村会常任
       理事
       新潟県聖籠町長  渡邊 廣吉君
       健康保険組合連
       合会専務理事   白川 修二君
       全国健康保険協
       会理事長     小林  剛君
       東京民主医療機
       関連合会会長
       医療法人財団健
       康文化会理事長  石川  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○医療保険制度の安定的運営を図るための国民健
 康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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柳田稔#1
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、姫井由美子君及び米長晴信君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君及び長浜博行君が選任されました。
    ─────────────
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柳田稔#2
○委員長(柳田稔君) 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、全国町村会常任理事・新潟県聖籠町長渡邊廣吉君、健康保険組合連合会専務理事白川修二君、全国健康保険協会理事長小林剛君及び東京民主医療機関連合会会長・医療法人財団健康文化会理事長石川徹君でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、本当にどうもありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず渡邊参考人にお願いいたします。渡邊参考人。
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渡邊廣吉#3
○参考人(渡邊廣吉君) おはようございます。
 ただいま参考人として御指名を受けました全国町村会常任理事を務めております新潟県聖籠町長の渡邊でございます。
 本日は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を審議する参議院厚生労働委員会に私どもが参考人として意見を述べる機会をいただき、まずは心から感謝申し上げます。
 また、平素から町村行政の運営につきましては格別な御理解と御高配を賜っておりますことに、この場を借りて厚く感謝と御礼を申し上げる次第であります。
 それでは、初めに、私どもが保険者として運営いたしております国民健康保険の現状について、委員の先生方には十分御理解をいただいておるとは存じますが、参考までに若干の説明をさせていただきます。
 国民健康保険は、農林水産業や商工業などの自営業者を中心に、私ども市町村が保険者となり運営する医療保険制度であり、昭和三十六年に創設されて以来五十年近くが経過しております。他の医療保険に属さない方すべてを被保険者としているため高齢化や産業構造の変化などの影響を受けやすく、制度の発足当時と比べ高齢者の割合が増加するとともに農林水産業や自営業者の割合が減少し、現在では無職者の割合が四五%にもなっております。
 また、平成二十年秋からの世界的な経済不況や金融不安の高まりとともに雇用情勢が急速に悪化したことにより、会社の倒産や事業所の閉鎖、人員整理などによる非自発的失業者が急増しており、結果として、これらの方たちも国保に加入している現状にあります。
 さらに、年々、医療給付費や後期高齢者医療支援金が増加していくという状況の中で、各市町村では、制度の安定的な運営を図るため、被保険者に何かと御理解をいただきながらでも保険料を引き上げる努力をいたしている現状にあります。
 しかしながら、被保険者の負担能力も限界に達しているため、多くの市町村では苦しい財政状況であるものの、法律で定められた負担のほかに、やむなく一般会計からの繰入れをしなければならない状況下にもあります。平成二十年度においては、このような法定外の負担分として二千五百億円もの巨費を投入しております。
 一般会計から法定外で繰入れを行うことは、本来市町村が行うべき他の事業の予算の減額を意味し、各種の福祉施策や行政サービスを阻害することにもなりかねません。また、国保の被保険者のみならず、他の被用者保険の加入を含めた全住民が国保の赤字を補てんするための負担をしているということにもなります。
 このようなことから、私どもの聖籠町では、法定外の繰入れは行わず、被保険者の皆さんに何とか御理解いただきながら、約三年ごとに保険料の見直しを行ってきたところでもございます。
 しかし、結果として、当新潟県内においては割合医療費は低い現状にあるにもかかわりませんが、保険料は県平均を上回る高い水準になっており、これ以上の引上げは非常に厳しく、被保険者の御理解が得られない状況になっております。
 国保財政の状況を見ても分かるように、平成二十年度決算では二千四百億円もの赤字となっており、さらに、後期高齢者医療制度の創設により保険料の収納率の高い七十五歳以上の被保険者が国保制度から抜けたことなどにより、保険料の徴収率は前年度と比較して二・一四%低下し八八・三五%と厳しい状況下にあり、国民皆保険となった昭和三十六年以降最低の数値となっております。
 以上のような状況から考えますと、国保は実質的に破綻状態と言っても過言ではないのではないかと思っている次第であります。今後、国民健康保険制度を円滑に運営をしていくためには、財源の確保が最も重要な課題であるということをまずもって御意見といたしまして申し上げさせていただきたいと存じます。
 それでは、このような国保制度を取り巻く現状を踏まえつつ、今回の一部改正法律案について私の考え方を申し述べさせていただきます。
 初めに、この一部改正法律案に盛り込まれております国保財政基盤強化策等の延長措置について、私どもといたしましては、基本的に賛意を表する立場でこの一部改正法律案の速やかな成立を求めるものであります。
 所得の低い方や高齢者が多いという構造的な問題を抱える国保を支援するため、保険基盤安定制度、高額医療費共同事業への財政支援、財政安定化支援事業における地方財政措置などの財政支援はいずれも平成十八年度から平成二十一年までの四年間の暫定措置でありまして、これらの財政基盤強化策については、保険料の増加を抑制する効果や国保財政を安定化させる効果が著しく大きく、全国町村会は昨年からこの強化策を延長するように強く要請を図ってきたところであります。
 しかしながら、残念でありますが既に期限が切れてしまいました。この強化策があってさえ先ほど申し上げましたように厳しい財政状況にあることから、延長がされない場合には自前で財源を確保する必要があります。
 先ほど申し上げましたように、これ以上の保険料の引上げや一般会計からの繰入れは到底できない現状にあります。我が町においては、この強化策が継続されなかった場合の影響を試算してみますと、一人当たりの保険料、約五万七千円となっておりますが、更に一万円以上も引き上げることになり、我が町の国保財政は崩壊の危険性すら危惧される状況となっております。
 更に申し上げれば、所得から支出している保険料の割合について、低所得者が多い国保と被用者保険で比べると国保は二倍以上にもなっていることから、この強化策を早急に拡充強化し、国民の間の保険料負担を平準化すべきと考える次第であります。
 厚生労働委員会の委員の先生方におかれましては、市町村国保の置かれている現状に御理解を賜り、一刻も早くこの一部改正法律案を成立させていただき、現在の不安定な状況を解消されることを切望する次第であります。
 次に、一部改正法律案には、国民健康保険の広域化を推進するための新たな仕組みも盛り込まれております。
 国民健康保険は、市町村が運営しているため一般的に財政単位が小さく、財政運営が不安定になりがちという課題を抱えております。特に、我々町村にとっては、財政運営の広域化は関係者の悲願でもあります。これは私ども町村の能力や事務執行体制に起因するものではありませんが、被保険者の規模が小さい保険は財政的に安定しないという保険の数理計数上の原理に基づくものでございます。
 一部改正法律案では、都道府県が地域の実情に応じて市町村国保の広域化を支援するための広域化等支援方針を策定することができることとされております。全国町村会は以前から負担と給付の公平化を図り、国民皆保険を守るために医療保険制度の一本化を主張してまいりました。また、それまでの過程として、まず都道府県を軸とした保険の再編統合の推進を主張してまいりました。今回の仕組みは、その成立をさせていただき、現在の不安定な状況が解消されることを切望している次第であります。大変失礼しました。このような方向に向けた第一歩となるものと大いに期待しているところでございます。
 私どもといたしましては、一部改正法案を早期に成立させていただいた上で、すべての都道府県が市町村の意見を十分に踏まえて円滑に広域化等支援方針を策定できるように、国においては十分な協力をお願いしたいと考えているところでございます。
 次に、この一部改正法律案には、資格証明書を、発行世帯に属する高校世代に短期被保険者証を交付することが盛り込まれております。
 親の事情により子が必要な医療を受けられないといった事態を回避するために、前回の法改正では対象にならなかった高校世代に短期証交付の範囲を広げるとするその旨には賛同いたしますが、現場で制度運営に当たっている立場から申し上げますと、同じ保険料滞納世帯であっても、実際には払う能力があるにもかかわらずお支払いをしていただけないケースが相当数ございます。
 私どもといたしましては、納税相談を受けていただくという本来の手続を呼びかけ、お願いしてきた経緯を考えますと、資格証明書を、世帯に一律に短期証を交付することはモラルハザードを引き起こしかねないのではと考え、若干の危惧を抱いておるところでもございます。このため、今後、今回のような措置を子供以外の者に対してむやみに拡大していかないようにお願いしたいと思います。
 次に、今回の一部改正法律案には、後期高齢者医療制度を廃止し、新たな制度を創設するまでの間、現在の保険料軽減措置などを延長する措置が盛り込まれております。これに関連して、住民に直接対応する現場を預かる立場から、高齢者医療制度改革について意見を述べさせていただきます。
 後期高齢者医療制度は、制度施行当初は混乱が生じましたが、それは主に名称や保険料、年金天引き等に起因するものであり、それらの課題は制度施行後の対策等によりほぼ解消し、現在では制度は安定しているものと理解しております。
 こうした状況の中で、政府は現行制度を廃止し新たな制度を創設するとしていますが、現行制度創設の経緯と制度定着の現状をかんがみれば、現行制度の根幹となる部分や利点は引き継ぐように制度設計されるべきものと考えます。かつての老人保健制度に戻したり大きな見直しを行うとなると、被保険者を始め市町村の現場に無用な混乱や膨大な経費が生ずることとなりますので、町村の意見を十分尊重した上で慎重に検討を進めていただきたいと思います。
 また、現行制度の問題点とされる費用負担の在り方等については十分に議論されなければならないと思います。特に保険料については慎重に議論すべきであります。保険料が急激に上昇をすると大きな混乱をもたらすということはもちろんですが、今回の一部改正法律案にもありますように、財政安定化基金を保険料引上げの抑制効果として活用するということは決して本来の姿ではございません。保険料、被用者負担の面から持続可能な制度設計がされるように望むものでございます。
 そして、新たな高齢者医療制度については、市町村国保を広域化した上で一体的に運営することを検討されていると伺っておりますが、運営主体については都道府県が主体的な役割を果たすことが重要かと存じます。私個人といたしましては、保険料徴収や保健事業に対して市町村がその役割を果たすことは重要なことであると考えております。国保財政に関しては、都道府県が主体的にその役割を果たさない限り制度の持続可能性はないと考えます。
 加えて、都道府県が保険者になるのか、都道府県を含む広域連合とするのかは議論があるところでございましょうし、保険料の設定方法等難しい面もありますので、全国町村会といたしまして、いずれ意見を集約したところで要請を図ってまいりたいと考えております。
 その中で、都道府県が国保運営を行うことについては、都道府県で一定の温度差はあるものの非常に消極的であり、国がその役割を果たす決意を示さない限り都道府県もまたその役割を果たそうとは思わないと考えます。その意味では、今回の改革の成否は国がどこまで責任を持つかということに懸かっていると言っても過言でないと思いますので、今後、先生方におかれましてはこの点についても御検討をお願いしたいと考える次第であります。
 以上、私の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
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柳田稔#4
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 次に、白川参考人にお願いいたします。白川参考人。
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白川修二#5
○参考人(白川修二君) 着座のまま失礼いたします。健康保険組合連合会の白川でございます。
 本日は、このような意見陳述の場を与えていただきましたことに対しまして、厚生労働委員会に深く感謝申し上げます。また、平素から健保連あるいは健康保険組合に対しまして様々な御指導あるいは御支援を賜っておりますことをこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 ただいま御審議中の今回の法案、国民健康保険法等の一部を改正する法律案の中で私どもが申し上げたい箇所はただ一点でございます。協会けんぽへの国庫助成額の増額に関連して、後期高齢者医療制度への支援金の算定方式を変更し、その三分の一の部分を総報酬割に改定するという案になっている点でございます。私どもは、本法案のこの部分一か所のみについて反対をしておりますので、本日は法案のこの部分に限定して意見を述べさせていただきます。
 私どもが反対する理由を整理して、三点意見を申し上げます。
 第一点は、本来国が負担すべき協会けんぽへの国庫補助金の一部を健保組合と共済組合に実質的に負担肩代わりさせる法案になっているという点でございます。
 協会けんぽに対する国庫補助に関する規定は、健康保険法百五十三条において一六・四%から二〇%までの範囲内で政令で定める割合となっておりまして、これが本則であります。この百五十三条が法制化された後、附則が付けられ、当分の間一三%とするとされ、これが現在まで適用されてきたわけでございますが、同じく附則の中に、中期的財政運営等を勘案し、必要があると認めるときは、この規定について検討を加え、所要の措置を講ずるとされております。
 平成二十一年度の協会けんぽの収支見込みは約六千億円の経常赤字、準備金は約四千五百億円の不足と伺っておりますが、こうした財政状況を見ますと、今こそ附則にある所要の措置を講じるときであり、国庫補助を現行の一三%から本則である一六・四%から二〇%に戻すべきときであるというふうに考えます。
 国庫補助を本則に戻すための財源は国が負担すべきでありますが、今回の法案では、その約半分を健保組合や共済組合が代わって負担するということになっております。国の財政が厳しい状態であることは私どもも十分認識しておりますが、それでも本来国の責任で賄うべき国庫補助の増額部分の一部を健保組合や共済組合が代わって負担するということに対して私どもは納得がいかないということを申し上げたいと思います。
 二点目の理由は、この負担肩代わりを後期高齢者支援金の負担方法を変えることによって賄おうとしている点でございます。
 御高承のとおり、昨年十一月に高齢者医療制度改革会議が発足し、本年八月の中間取りまとめに向けて現在議論が進められております。高齢者の医療費をどのように負担していくかは、この高齢者医療制度改革会議の最重要課題の一つであります。こうした検討のさなかに現行の後期高齢者支援金の算定方法を変更するというのは、私どもとしては得心できないということでございます。
 三点目は、健保組合の財政が悪化し、これ以上の負担増には耐えられないという点でございます。
 お手元に資料を配付させていただきましたが、平成二十年度に医療制度改革法が施行されまして以来、健保組合の財政は悪化しております。二十年度決算で約三千億円の経常赤字、二十一年度予算では約六千百五十億円の赤字、また本年度予算の早期集計では約六千六百億円の赤字となっており、高齢化の進展に伴って健保組合の財政は悪化の一途をたどっております。
 財政悪化の主因は、高齢者医療制度に対する支援金納付金が平成二十年度以降約四千億円も負担増になったことに加え、昨今の経済低迷による標準報酬、賞与の減額によって保険料収入が大きく減少したことが大きく影響しております。こうした財政状況の厳しさは、今後中期的にも続くものと見ております。したがいまして、これ以上の負担増には耐えられないということでございます。
 私どもが訴えたい点は今まで申し上げた三点でございますが、この機会に我が国の医療保険制度に対する私どもの基本的な考え方を御説明させていただくとともに、要望を二点申し上げたいと思います。
 一点目は、公費投入の拡大に関する要望であります。
 我が国の医療保険制度、国民皆保険制度は、世界に誇れるすばらしい制度であると認識しております。こうしたすばらしい制度をつくり上げた先輩方に深く敬意を表すると同時に、この制度を次の世代に残していく責任があると強く覚悟しております。
 その際に最も重要な課題は、約三十四兆円の国民医療費のうち、その半分を占める高齢者の医療費をどのように負担していくかであろうと考えております。私どもは、高齢者の医療費は国民全体で支えるべきという考えに賛同しておりますし、したがって、いわゆる若年層、現役世代も高齢者医療を支えるために応分の負担をしていくべきという考えに立っております。
 その場合、負担の公平性や負担する側の納得性が必要なわけであります。私ども健保組合も、加入者や事業主に対し何度も説明し、理解を求める活動を続けてまいりましたし、それなりの納得も得てきたというふうに思っております。
 しかしながら、現在、健保組合の保険料収入に占める高齢者医療制度への支援金、納付金の割合は既に平均で四三%を超えております。保険料収入の五〇%以上を拠出している健保組合が全体の三分の一に達する状況にありますし、高齢化の進展とともに更にこの率は増加すると思われます。この状態が続けば、加入者、若年層、事業主の納得の限界を超えてしまう危険性があると感じております。
 千四百六十二の健保組合のうち約九割の健保組合が経常赤字という状態、また協会けんぽも非常に厳しい財政状態が続いておりますが、こうした被用者保険の財政不安が更に拡大すれば、我が国の皆保険制度の持続性そのものに悪影響を及ぼすのではないかと危惧する次第です。
 現在、高齢者医療制度改革会議で議論が進められておりますが、世代間の負担の公平性の観点から、働く世代の負担が過重とならないよう、新しい制度において公費投入の拡大を是非お願いしたいと思います。また、改革が実現するまでの間、高齢者医療制度への支援金、納付金の負担増をしのぐため、被用者保険全体に対する財政支援をお願いしたいと思います。
 二点目は、我が国の社会保障全体のグランドデザイン構築が是非とも必要という点であります。
 医療保険制度の問題点の一部はるる申し上げましたが、もちろんそれ以外の多くの課題もございます。また、年金制度、介護制度等我が国の他の社会保障制度についても、急速な少子高齢化の進展の中で、その制度の安定性や持続性が揺らぎ始めていることは御高承のとおりであります。今こそ、我が国の社会保障制度全体を見渡したグランドデザインを描く時期ではないかと感じております。
 厚生労働委員会の先生方におかれましても、是非ともこの点を御検討いただくようお願い申し上げます。
 最後に、私ども健保連、健保組合は、今後も世界に冠たる国民皆保険制度をより良いものにしていくため、全力を傾注する所存でございます。先生方には、引き続き御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げます。
 御清聴ありがとうございました。
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柳田稔#6
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 次に、小林参考人にお願いいたします。小林参考人。
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小林剛#7
○参考人(小林剛君) 全国健康保険協会理事長小林でございます。よろしくお願いいたします。
 着席で説明させていただきます。
 まず、私ども協会けんぽの財政再建のための特例措置に関する法案について御審議いただいておりますことに対し、まず御礼申し上げます。また、本日、こういう機会をいただいたことに対し、重ねて御礼申し上げます。
 早速、お手元の資料に即して、全国健康保険協会の概況について、財政状況を中心に御説明申し上げます。
 まず、一ページを御覧いただきたいと存じます。
 一昨年十月、全国健康保険協会は、中小企業の従業員を中心として、健康保険組合に入っていない百六十万事業所の三千五百万人の被用者、御家族が加入する健康保険事業を国から引き継いで設立されました。当協会は非公務員型の法人であり、私も含め、四十七都道府県支部長はすべて民間出身であります。そして、民間組織としてサービスの向上や業務の効率化を進めております。協会には、事業主代表、加入者代表、有識者から構成される運営委員会が設置されており、保険料、予算、事業計画などが審議されております。また、地域の実情に応じて運営していくため、四十七都道府県支部にそれぞれ評議会が置かれ、支部の運営に関する事項が審議されております。
 二ページを御覧いただきたいと存じます。
 協会には全国百六十万の事業所が加入していると申し上げましたが、事業所数の六割が従業員五人未満、四分の三以上が従業員十人未満であり、中小零細の事業所が大多数を占めております。
 次に、三ページを御覧ください。
 これは被用者保険の各制度を比較した表ですが、表の下から二段目を御覧ください。被保険者一人当たりの標準報酬総額、すなわち平均年収で見ますと、協会けんぽが三百八十五万円、健保組合五百五十四万円、共済組合六百八十一万円となっており、大きな格差があります。このように、当協会は、他の被用者保険に比べて財政力が脆弱な保険者であることを御理解いただきたいと存じます。
 次に、四ページを御覧ください。
 協会けんぽと健保組合の平均年収の推移ですが、この平均年収の格差は拡大する傾向にあります。平成十四年度から十五年度にかけて点線になっております。これは、保険料の基礎となる報酬の範囲として新たにボーナスを含めることとされたわけですが、ボーナスは大企業と中小企業との間で大きな開きがあることから、これを反映して報酬格差が拡大しております。
 本法案の中で、後期高齢者支援金の負担方法として、総報酬割が一部導入されることが盛り込まれておりますが、御覧のとおり、協会のような財政力の弱い保険者にとっては、財政力に応じた負担という点で、より公平な負担方法につながると考えております。
 次に、五ページ御覧ください。
 これは、協会けんぽの加入者の報酬月額の水準の年次推移についての表です。これを見ると、加入者の報酬水準の下落傾向が明らかです。
 次に、六ページを御覧ください。
 さて、今年度の保険料率についてです。急激な財政悪化を受け、二十二年度予算編成過程において、平成四年以降引き下げられていた国庫補助率を法律本則上の補助率に戻していただき、保険料率の上昇幅を圧縮していただくよう、協会として関係方面に要請してまいりました。そして、法案に盛られているこの三年間の特例措置を取りまとめていただき、これにより保険料率の上昇幅が〇・六%程度抑制されることになります。すなわち、全国平均で八・二%だった保険料率は、特例措置がなければ全国平均で九・九%まで上昇してしまいますが、九・三四%に抑えられることになります。このような特例措置を盛り込んだ本法案については、是非、今国会で成立を図っていただくようお願い申し上げます。
 なお、保険料率改定に当たっては、事前に協会において都道府県支部から意見を聴くこととされておりますが、幾つかの支部からは、料率の引上げ幅を更に縮小すべき、料率について再考、再度考え直すようにお願いしたいとの意見もありましたが、大半はやむを得ないという意見でした。これらを踏まえ、運営委員会で了承をいただいております。
 次に、七ページを御覧いただきたいと思います。
 ここには、これまでの保険料率と国庫補助率の推移を参考までにお示ししております。
 続きまして、八ページを御覧いただきたいと思います。
 昨年の九月以降、都道府県ごとに地域の医療費水準を反映した保険料率が導入されており、今般の改定により今年度の保険料率は全国平均で九・三四%となり、最高は北海道の九・四二%、最低は長野の九・二六%となっております。
 次に、九ページを御覧ください。
 この都道府県単位保険料率の改定に当たっては、都道府県間の保険料率の差が急激に大きくならないように、都道府県ごとの医療費水準を反映した保険料率と全国平均の保険料率の差について、これを十分の一・五に圧縮する、いわゆる激変緩和措置が講じられております。
 この措置については、支部評議会や運営委員会から、保険料率が高い支部の保険料率が更に上がることは避けるよう配慮すべきとの意見や、激変緩和期間は延長してほしいとの意見をいただき、協会として政府に要請したところ、これらの点についても法案などに盛り込んでいただきました。
 次に、十ページを御覧ください。
 今回の保険料率の引上げの背景について御説明いたします。
 これは、平成十五年度の医療費、保険料率をそれぞれ一とした場合の指数をグラフにしたものです。近年、高齢化等の影響で医療費が年々増える一方、保険料収入は横ばいないし下落傾向にあることが分かります。
 次に、十一ページ御覧ください。
 これは、単年度収支差と準備金残高の推移をグラフにしたものです。準備金については十八年度に六千億円ありましたが、十九年度からは単年度収支差がマイナスとなり、準備金を取り崩しながら運営し、二十一年度は、一昨年秋のリーマン・ショック以降の経済不況の影響を受けて、単年度収支差はマイナス六千億円、準備金残高はマイナス四千五百億円となり、借入れをしながら運営する状況となっております。
 次に、十二ページを御覧ください。
 十八年度以降の被保険者一人当たりの報酬月額の推移を示すグラフです。御覧のとおり、十八年度から二十年度のグラフの形と二十一年度のグラフの形は異なっております。二十年度までのパターンは、九月には四月以降の昇給等の状況を反映して一定程度上昇し、その後の年度後半にかけて下がっていくというパターンでした。しかしながら、二十一年度については、前年のリーマン・ショックの影響を大きく受け、これまでのパターンと異なり一度も上昇せずに下降傾向が続いており、依然として厳しい状況で推移しております。
 十三ページ御覧ください。
 次に、医療費支出について申し上げます。これは、インフルエンザの報告数の推移について、平成十一年度以降の各月の報告数を見たものです。例年、一月から三月にかけて報告数が増え、医療費支出にも影響しますが、二十一年度は、秋以降の新型インフルエンザの流行により医療費支出が膨らんでおります。
 次に、十四ページを御覧ください。
 今後の平均保険料率の見通しについて若干申し上げたいと存じます。
 今般の特例措置を前提として、平成二十三年度、二十四年度の保険料率を試算すると、更に引上げが必要となる見通しとなっております。中ほど、「参考」とありますが、賃金上昇率についてはケースAからケースDまでの四つの前提条件を置いて、それぞれ、上の段の表で黒く囲んだとおり、二十三年度、二十四年度の保険料率を試算いたしました。いずれの賃金上昇率のケースでも保険料率は上昇し、二十四年度はケースによっては一〇%を超える試算となっております。
 次に、十五ページを御覧ください。
 これは、二十一年度の実績見込みと二十二年度の収支見込みについての表です。
 二十一年度末の、四千五百億円もの借入れを要する見通しになっていると先ほど申し上げましたが、この借入金は特例措置により三年間で返済することとされております。この表の、二十一年度の下の方の単年度収支差と準備金残高を御覧ください。単年度収支差はマイナス六千億円、準備金残高はマイナス四千五百億円となっており、二十二年度の方を御覧いただくと、単年度収支差千五百億円とし、これを返済に充てることとし、準備金残高はマイナス四千五百億円からマイナス三千億円に減少しております。二十三年度、二十四年度についても同様に、単年度収支差をプラス千五百億円として着実に返済し、二十四年度中に赤字を解消していく方針です。
 なお、表の支出欄のその他に含まれている業務経費等に関して若干御説明申し上げます。
 表の下に、米印のとおり、業務経費と一般管理費について記載しております。業務経費は前年比八十一億円の増加ですが、このうち保険者の義務である健診や保健指導については百六億円を増額し、一方、それ以外の経費については二十五億円を削減しております。一般管理費、これは人件費や事務費等に当たりますが、前年比十二億円を削減しております。
 いずれにしましても、今般の特例措置の実施を前提に、協会けんぽが担っております被用者保険のセーフティーネットとしての機能をしっかり維持しながら、二十二年度から二十四年度までの三年間の財政再建を成し遂げられるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、十六ページ御覧いただきたいと思いますが、協会けんぽの保険者機能の強化について申し上げます。
 協会発足後、運営委員会での御審議もいただきまして、保険者機能強化に向けたアクションプランを策定して、ジェネリック医薬品の使用促進や保健指導の推進、地域の医療費分析などを進めており、これらについては今後とも強化していく方針でございます。あわせて、医療費適正化の取組はもとより、お客様の声を踏まえて、業務改革やサービスの向上、意識改革を更に進めてまいりたいと考えております。
 最後に、この法律案の早期成立を改めてお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
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柳田稔#8
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 次に、石川参考人にお願いいたします。石川参考人。
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石川徹#9
○参考人(石川徹君) 東京都板橋区にあります医療法人財団健康文化会の理事長で内科医師の石川です。また、都内の十五か所の病院、百二十一か所の診療所など、合計三百四十二の事業所が加盟する東京民主医療機関連合会、以下民医連と略します、の会長で全日本民医連の理事、また東京都板橋区医師会の理事も務めております。
 本日は、参議院厚生労働委員会の貴重な審議時間の中で意見を陳述させていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 この間、前政権下で推し進められてきた医療制度改革は、国や大企業の負担を軽減し、その一方で地方自治体や健康保険組合の負担、そして患者、住民の保険料や医療費の窓口負担を増やし続けてきました。医療難民、介護難民、そして医療崩壊、こういう言葉がすっかり一般化し、昨年の政権交代以降も医療機関にとっては医師、看護師不足、医療経営の困難はいまだ変わりはありません。
 また、患者、国民にとっては、この間、高くなり過ぎて払えない保険料のため資格証明書などで無保険状態になってしまう、あるいは保険料を払っていても三割という医療費の窓口負担、この支払が困難などのために病気になっても医療機関にかかれない、患者になれない、こういった不幸な事態が拡大し続けています。
 今回の法案は、高校生世代までの無保険を解消する、こういう賛成できる項目もありますが、全体を見れば今までの政策の転換を目指しているものではない、このように思います。
 現在の政権樹立に当たっての三党の政策合意では、後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険制度を守る、廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援するとしていました。
 また、民主党は、野党時代の二〇〇八年には、後期高齢者分とそれから市町村国保そのものの赤字体質の是正、それを図るために九千億弱の予算措置を我が党が政権を取った暁にはさせていただくと述べておられたにもかかわらず、後期高齢者医療制度の廃止は数年先に先送りしようとしており、また、今回の法案により国保財政に投入する予算は見当たりません。今回の法案は、後期高齢者医療制度の先送り、これを前提とし、国民健康保険の広域化などと抱き合わせ、一体化を推し進めようとしているものであると考えざるを得ません。
 今回の国民健康保険の広域化支援方針には、国保事務の共同化や保険料の納付状況の改善など、具体的な施策を盛り込むものとされています。国庫負担の引上げなしに国保の広域化を進めれば、結局は保険料が負担の高い方に引き上げることにもなりかねず、また、国保の事務を広域連合に移行させてしまえば、現在の後期高齢者医療の広域連合がそうであるように、住民の声が今まで以上に反映しにくくなる、こういうことが危惧されます。
 また、国保料の納付率が悪い自治体に対して財源の支援は何ら行わず、広域化等支援方針により収納対策を押し付けるものであり、都道府県調整交付金についても、収納率の低い自治体に対する都道府県交付金を用いたペナルティーを都道府県の判断で導入する、こういうことが可能になっているなど大きな問題だと言わざるを得ません。
 また、協会けんぽについても、国庫補助率を二〇一〇年から二〇一二年度までの三年間のみ一六・四%に引き上げる、こういうもので、このままではその後は再び一三%に戻ってしまうことになります。そもそも健康保険法で国庫補助は一六・四%から二〇%の範囲内で行うことができると規定されているはずで、国庫補助率は二〇%まで引き上げるべきです。
 また、今回の法案では、協会けんぽの後期高齢者支援金に対する国庫負担を実質的には削減する内容になっており、こういった内容ではそれぞれの保険、保険者間での負担の押し付け合い、こういう構造を脱却することはできないのではないでしょうか。
 また、協会けんぽの保険料率を上限一〇%から一二%に引き上げる、こういう点も問題です。国庫負担は上限まで行わず、一方で保険料は上限を引き上げ、被保険者の負担を増やし続けよう、こういうものです。
 今回いただいた参考資料の冒頭に、国民がいつでも、どこでも、だれでも安心して適切な医療を受けることができる国民皆保険制度は、これまで半世紀の間、国民の健康保持と国民生活の安定に大きな役割を果たしてきたと述べられていますが、今これが大きく揺らいでいます。今回の医療保険制度の安定的運営とは、だれのための、何のための安定なのか、このことが問われています。
 医療の第一線の現場で仕事をしている者として、この間、私たちが経験をしている地域の患者さんの状況をお話ししたいと思います。
 お手元の参考人関連資料等の中に、私たち民医連が三月十一日に発表した二〇〇九年国民健康保険など死亡事例調査報告を入れさせていただきました。三月十二日の東京新聞一面のトップ記事など、マスコミでも大きく取り上げられた報告書です。お読みになっていただきたいというふうに思います。
 この調査は、経済的事由により医療機関への受診が遅れ、結果として死亡に至ったと考えられる事例調査であり、保険証がない、あるいは保険証があっても手持ちのお金がなくて医療機関への受診が遅れ死亡につながった調査報告です。
 昨年一年間に民医連の病院や診療所がかかわった人で、四十七名の死亡例が報告されています。うち二十七名は一切の保険証を持っていない無保険の人でした。国民皆保険の国で保険証を持たない国民が増加していることは大問題です。この亡くなられた四十七人中二十五人が五十代以下の働き盛りの方々、しかもこの方の多くは非正規雇用あるいは職を失った方です。
 死亡された東京都内の方のを挙げさせていただきます。家のリフォームなどの仕事をされていた自営業の男性です。二〇〇八年からは仕事がほとんどなくなり、借金がかさみ、国民健康保険の保険料も払えず無保険となり、医療機関も受診することができず、糖尿病などの持病も悪化をしました。いよいよ体調も悪くなり、民医連の診療所が行っている医療・介護なんでも相談会を訪れました。相談の結果、自己破産の手続も行い、生活保護を申請、下肢の静脈瘤の手術を行い、再入院を予定していましたが、入院待ちの間に腹部のヘルニアが破裂して、アパートの自室にて孤独死されてしまいました。
 今回の四十七名の死亡例は、私ども連合会に所属する医療機関で集計できた氷山の一角にすぎません。孤独死は東京都で年間三千人にも及ぶとされています。全国の医療機関で、このような経済的事由により医療機関への受診が遅れ、結果として死亡に至ったと考える、こういう事例がどれだけあるのか、是非、厚生労働省自ら調査もしていただき、このようなことが起きない医療制度を確立していただきたい、このように思います。
 二〇〇八年末から行われた年越し派遣村に、私ども民医連の医師を始め多くの職員がボランティアとしてかかわりました。二〇〇九年一月四日の一日だけで百三十人もの医療相談を受けましたが、全員が無保険でした。
 このうち、重症で即日に入院という方もおられました。一人は肺結核、ガフキー八号、こういう方です。この方は派遣社員として社員寮に住み込みで仕事をされていました。体調が悪くなってからも、仕事を休んだら解雇されるから医療機関を受診することができず、とうとう仕事に行けなくなって解雇、社員寮も追い出され、サウナ、ネットカフェなどで過ごし、年越し派遣村にたどり着いた、こういうものです。もう一人は強度の貧血、ヘモグロビンが三・三グラム、これで即刻輸血、こういう方でした。お二人ともまさしく危機一髪、もう少し遅れていたら命にかかわる事態でした。
 これら患者さんは、いずれももっと早期に発見し、早期に治療すれば、多くの医療費を掛けることもなく治療することができ、御本人も早く仕事に復帰できるわけであり、患者にとって国民健康保険始め各種の医療保険制度を安心して使えるように運営していくこと、これが必要と考えます。
 また、正規の保険証があるにもかかわらず、三割の窓口負担が困難なために受診することができない、必要な治療を受けることができない患者さんも急増しております。
 私自身の外来で最近経験している例をお話しします。六十三歳の男性です。C型の慢性肝炎で十年以上前から通院しておられます。昨年は年間で三回のみの受診でした。昨年の最後の受診は十一月。そのときのお話では、この四か月間全く仕事がなくなり、医療に回すお金がない、血液検査など必要だということはよく分かっているけれども、とにかく今日は薬だけにしてくれ、来年になったら何とかお金をためて検査に来るから、こういうことでございました。この方とは今年まだお会いすることができておりません。
 その他にも、糖尿病でインシュリン治療を行い、間質性肺炎を合併したために在宅酸素療法を行っていた患者さんで、医療費と電気代の負担が困難のために何か月後かに在宅酸素療法は中止してしまったという患者さん。肝炎でインターフェロン治療が必要だけれども、仕事を休むことができず、また医療費も払うこともできず、健診での血液検査しかできない、こういう患者さんもおられます。
 保険証がなく無保険、また、毎年上がり続け高額となった保険料を払い続けながらも実際には医療を受けることができない、こういった状況が日本中で広がっていると思います。
 二〇〇九年十二月の国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、過去一年間の医療機関の利用状況について、健康ではなかったが行かなかった、こういう回答をした世帯のうちの一七・〇%でした。経済的な理由が最も多く三八・四%。そのうち、健康保険に加入していない、こういう回答が一四・二%もありました。また、二〇一〇年二月の日本医療政策機構による調査においても、自身や家族の将来を考えたとき不安を感じるかとの問いに、深刻な病気にかかったときに医療費を払えないを挙げた回答者は七九%の高率を占めています。
 各保険への国庫補助を引き上げて、国民健康保険始め高過ぎる保険料を引き下げること、あわせて、患者の窓口負担金、これも引き下げていくことが必要だと思います。
 憲法二十五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と国民の権利、生存権を保障し、その第二項で国の責務を明確にしています。そして、国民健康保険法はその第一条で、「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与すること」としています。
 社会保障として医療を国民すべてに公的に保障する制度、これが国民皆保険制度です。今回審議される閣法が、すべての国民の命と健康を守る法律となりますように十分に審議を尽くされますこと、これをお願いいたしまして、私の意見を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
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柳田稔#10
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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島田智哉子#11
○島田智哉子君 民主党の島田智哉子でございます。
 本日は参考人の皆様方に、大変お忙しい中、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、誠にありがとうございます。お時間の都合上、全員の参考人の方にお聞きできないかもしれませんけれども、御容赦願いたいと思います。
 まずは最初に、白川参考人にお伺いしたいと思います。
 先日の衆議院でも、また本日の本院での御発言の中でも、今回の政府案に対する厳しい御意見がございました。長妻厚生労働大臣は、これまでの委員会審議の中でも、政府内でもぎりぎりの判断をしたんだ、協会けんぽの財政が急速に悪化し保険料の急上昇があるという中で、国庫補助率を三年間に限り本則であります一六・四%に引き上げる、また総報酬割という仕組みの中でぎりぎりの判断をしたんだと。また、長妻大臣あるいは長浜副大臣からは、健保連の皆様とも何度も足を運び御理解を得る努力をしてきた、また、今後も御理解を求める努力を続けてまいりたいという御発言もございました。また、衆議院の審議の中では、我が党の委員の中からも健康保険組合の財政が厳しい状況にあることを踏まえた御議論があったことも御案内のことと思います。
 そうした中で、今回の政府案、これは選択の幅の少ない状況の中でお願いをし続けている、また今後も御理解を求める努力を続けていくという政府の姿勢について、白川参考人の改めてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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白川修二#12
○参考人(白川修二君) 今先生のおっしゃるとおりといいますか、長妻大臣、長浜副大臣以下厚生労働省の方々からも、政府の案については詳しく御説明は受けております。
 ただ、私どもがこれに納得できないという理由は、私の意見陳述の中で申し上げたとおりですけれども、一つ、国の財政が非常に厳しいということも理解をしております。ただ、私どもは、健康保険組合で加入者、事業主の方々に説明をして御理解を得なきゃいけない立場にございまして、当然、様々な国の財政でありますとか、私ども健保組合の財政の問題でありますとか、協会けんぽの問題でありますとかも含めて御説明をして、納得した上で、その総意としてこの法案に賛成か反対かと、こういうことになるんだと思うんですけれども、口幅ったい言い方で大変申し訳ございませんが、説得できる理屈が私どもには思い付かないということでございます。政府の財政状況とかいろいろあるのは分かりますが、加入者、事業主の方々にしてみれば単純に自分たちの負担が増えるという話でございますので、それでもその方々に納得いただけるような理由が私どもには見出せないということで、反対の立場を今までも貫いてきているわけでございます。
 以上でございます。
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島田智哉子#13
○島田智哉子君 すべての国民がどこかの医療保険に加入しているわけでありますから、健保連の皆様に御理解をいただけるように、引き続き政府におかれてもその努力を続けていくということでありますから、政府には改めて別の機会に要請をいたしたいと思います。
 そこで、小林参考人にお聞かせをいただきたいと思います。
 これまでの審議の中でも、今後、協会けんぽの健全な運営をどのように担保していくのかという御議論がございました。この点につきまして、政府の御答弁では、例えば後発医薬品の促進によって医療費のコストを下げていく、あるいはレセプトの点検業務を細かく行うなど、いわゆるコストを削減する努力を徹底させていきたいと、このような御発言がございました。
 協会けんぽ御自身が、医療費の適正化や事務コストの削減に対して具体的にどのような御努力をされてきたのか、また今後どのように対応されていくのか、その点につきまして小林参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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小林剛#14
○参考人(小林剛君) 今先生御指摘のとおり、今回、大変大幅な保険料引上げとなるということでありまして、保険者としては、やはり医療費適正化の最大限の努力、それから経費削減の最大限の努力が不可欠であるというふうに考えております。
 医療費適正化の具体的な取組といたしましては、レセプト点検を強化する、昨年よりは四十億円上積みして二百七十億円の医療費削減効果を図ることとしておりまして、またジェネリック医薬品、これを使用促進するためのモデル事業、これを昨年、広島支部で先行的に実施した、その成果を今年度については全国の支部、これで実施をしております。これによりまして五十億円の医療費の削減効果を図るということとしております。
 このほか、現金給付の不正受給防止だとか債権回収についての、これもやはり支部で先行的にやった成果、こういったものを今年度は全支部で実施してまいりたいというふうに考えております。
 さらに、経費削減の取組としましては、業務経費全体としては前年比で八十一億の増加となっておりますけれども、このうち法定の義務であります健診とか保健指導については百六億円増額しておりますけれども、それ以外の経費については二十五億円を削減いたしました。また、人件費や事務費等に当たります一般管理費も、前年比十二億円を削減いたします。さらに、スリム化に向けて、業務処理方法の見直しだとか今後のシステムの刷新、こういったものについての検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 済みません、先ほどの、ここで、私の意見陳述の中で配付いたしました資料に基づいて、これは十一ページですか、単年度収支差と準備金残高の推移について御説明申し上げましたけれども、準備金については十八年度を六千億円と申しましたけれども、この表のとおり五千億円が正しいものでありますので、訂正させていただきたいと存じます。
 先生、どうも途中で失礼いたしました。
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島田智哉子#15
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 それでは次に、渡邊参考人に、市町村国保の広域化についてお聞きをいたしたいと思います。
 今回の改正案におきましては、都道府県では国保事業の運営の広域化、国保財政の安定化を促進するために広域化等支援方針を策定できるようにするとされております。長妻厚生労働大臣の答弁の中では、市町村単位で住民に目配りができる保険者機能ということも重要であるけれども、しかしその場合は財政力に差が付く、保険料率が非常に大きな差が付いてしまう、こうした問題に対して都道府県という広域化を促進する必要があるとしております。
 この市町村国保の広域化について、国の協力はどうあるべきか、また、国に対して協力を求める点に対する渡邊参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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渡邊廣吉#16
○参考人(渡邊廣吉君) 先ほども意見陳述の中で申し上げましたけれども、私ども、国保財政を見る限り、市町村単位で保険料の高騰を抑えるにも限界が来ているという現状にあります。
 そういう中で、いかに広域的な視点に立って、都道府県若しくは介護保険制度と同じように広域連合みたいな形の中で広域化単位で行うことによって、いわゆる私ども全国の町村サイドでは被保険者の加入率が極めて少ない状況にあるわけでありますので、それらを、分子と分母という表現はいいか悪いかは別としまして、保険料を算定する際に、保険料の平準化を求めるのに非常に困難を来している。そういう中で、都道府県が保険者となって対応していった場合、非常に私どもとしては、確かに市町村格差というのはこれまでもありますけれども、それらが都道府県単位に応じて平準化に寄与することができるのでなかろうかというふうに基本的には考えております。
 よく、介護保険もそうですけれども、都道府県単位では、知事さん方は保険者になることを嫌っているんですね、正直なところ。ということは、結局自分たちに責任をなすりつけられて、市町村は、じゃ関与しないんじゃないか、自分たちが今までやってきた市町村国保の責任を逃避してしまうのでないかという懸念もあるようであります。また、基本的には、国家財政と同じように、都道府県単位での財政を考えた場合、非常に都道府県単位で国保財政を広域化してやった場合、それが確保されるのかという問題点もあることは事実であります。
 ですから、あくまでも私どもは、これまでやってきた市町村の国保の運営主体、それを役割分担をきちんとした中で、そして保険料の平準化を求めながら、なおかつ、それぞれの医療給付関連での対応とそれからいわゆる保健事業、これの役割分担をきちんとやっていくことによってその辺の解決策は見ることができるんではなかろうか。
 そういう意味で、国に求めたいのは、その辺のことをかんがみながら、お互いにそれぞれの役割分担をしながら対応することによって可能な手続もあるわけでありますので、財政的なバックアップも当然でありますけれども、その辺、都道府県に対する強力な指導を基にして対応していただきたいというのが私の基本的な考えでございます。
 以上です。
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島田智哉子#17
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 もう一点、渡邊参考人にお伺いしたいと思います。
 今回の改正案には無保険状態にある高校生世代に対しても短期被保険者証が交付されることとされております。既に無保険状態の中学生世代に対してはその交付が始まっておりますけれども、昨年の九月の調査では三・二%に当たる千百六十一枚が未達になっているということが明らかになりました。その後、厚生労働省より一層の工夫をしていただくようにお願いされたともお聞きしております。
 せっかくの制度を無駄にしないように、今後周知の徹底を図っていくことが必要であると思いますが、地方自治体におかれての実務面での問題等々ございましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。
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渡邊廣吉#18
○参考人(渡邊廣吉君) 資格証明書の交付、そしてまた被保険証の交付というところで、今度の中学生、そしてこの度の改正では高校世代までということであるわけでありますが、先ほども意見陳述の中で申し上げましたけれども、私ども末端の町村の中で、いわゆる滞納世帯に対する納税相談の経緯、これらを現場サイドでいろいろと相談を重ねながら対応してきた立場から考えますと、保険制度の中には減免、経済的に恵まれない方々に対する減免制度もあるわけですし、なおかつ今まで雇用が確保されて収入が得られてきた、だけど経済不況によって倒産等により仕事がなくなったという実態もあるわけでございますので、そういう方々に対しては、素直な意味で納税相談を通じながら、分割納付等を促しながら対応を現場サイドでやっております。そういう方々には、基本的には短期証を交付したり、又は資格証明書に切り替えたりということはいたしておりません。
 しかし、法律で中学世代までになったわけでありますし、また高校世代までになるということは、先ほども申し上げましたけれども、親の責任を子供に帰するわけにいきませんので、当然やっぱりそれは医療を守るという制度から私は当然のことだと主張しておりますけれども、ただ単に滞納しておるだけで、そしてそれも、納税相談を、ルール守らないと言うと失礼なんですけれども、約束を守らないそういう方々も、経済的に恵まれていても、現場サイドでは多くあるんですよ、正直申し上げますとね。
 そういう方々には、やはり私どもは厳格な立場で対応していかねば駄目だ。我々の保険者としての責務もあるわけです。そのことによって、健全な形で納税義務を果たしてくれている方々の、被保険者の皆さん方の立場を守っていかなければならない、両方の立場もございますので。そういうことで、基本的には幅を広げていってくれるのは大変、子供たちに罪はありませんから、有り難いことなんですけれども、しかし保険者の立場から言い換えればそういう矛盾も感ずる。
 ですから、その辺のことをいかに納税相談の中に、また納税義務を守っておられる被保険者の方々に理解を求めていくか、そして短期証の交付、証明書の交付について、その辺の是非、どう確保していくかということが現場に求められる我々の大事な判断の基本に立つんじゃなかろうかなと思っております。しかし、法律で定められたことはきちんと義務を果たさなければなりませんので、そのように基本的に考えております。
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島田智哉子#19
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 終わります。
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衛藤晟一#20
○衛藤晟一君 自民党の衛藤晟一でございます。座らせていただきます。
 まず、白川参考人にお尋ねをいたします。
 先日発表されました平成二十二年度の健保組合の予算早期集計結果によれば、健保組合の約九割が赤字になったと、そして二十二年度予算では過去最悪の六千六百億円の赤字という報告を聞いています。極めて厳しい財政状況にあることは明らかにされたわけでございますけれども、今回の法改正による被用者保険の後期高齢者支援金への総報酬割の導入には健保組合の財政にどのような影響を与えるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
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白川修二#21
○参考人(白川修二君) お答えいたします。
 今回の総報酬割導入に伴いまして、二十二年度は、七月導入という提案というふうに伺っておりますので、それでいきますと、二十二年度は約三百三十億円の負担増ということでございますので、単純に足しますと、六千六百億プラス三百三十ということで、七千億円弱のマイナスということになります。
 時限立法、特例措置ということで、二十三年度以降は五百億円負担が増えるというふうに聞いております。
 以上でございます。
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衛藤晟一#22
○衛藤晟一君 協会けんぽの平均保険料は、平成二十一年度の八・二%から二十二年度には九・三四%に、過去最大一・一四%引き上げられると、健保組合の保険料も九%を超えるところが一割近くに達するということを聞いています。
 さらに、このような景気状況の中で、雇用保険法の改正によりまして雇用保険の保険料率も〇・四五%引き上げられましたし、介護保険、厚生年金保険の保険料率も軒並み引き上げられるという状況でございます。
 現在の非常に厳しい経済状況の下でこれら社会保険料率が大幅に引き上げられるということは、被用者の生活や会社経営というものを直撃して、日本経済の回復にも悪影響を及ぼす懸念があるという具合に思っておりますが、まず白川参考人の御意見をお伺いをさせていただきたいと思っております。
 さらに、こういう厳しい状況にあるからこそ、こういう時期であるからこそ、今、国が思い切った財政出動を何よりも行いまして医療保険財政を支えるべきだと考えておりますけれども、これも白川参考人の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、以上のことを踏まえまして、小林参考人に同じように、一・一四%の過去最大のアップ、一応いろんな措置を講じて〇・六%圧縮したという具合に言われていますけれども、それにしてもこの景気状況の中で極めて大きいアップ率でございます。そのことについて更なる財政出動が必要ではなかったのかと思うわけでありますけれども、それについての御意見をお聞かせをいただきたいと思います。これは小林参考人にも同じようにお聞かせをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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柳田稔#23
○委員長(柳田稔君) では、まず白川参考人。
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白川修二#24
○参考人(白川修二君) 衛藤先生御指摘のとおり、社会保険料、医療保険だけではなくて、すべてについて少しずつ上がっているというのが現状かと思います。
 確かに、経済状況といわゆる社会保険料の収入というのは密接に関係がございますので、逆に経済が回復しない限り、特に医療保険の保険者の財政は悪くなる一方ということだと思います。これが事業主の方、それから加入者の方々、被保険者の方々の可処分所得を減らしていくということになりますので、経済への悪循環ということも我々はもちろん懸念をしております。
 ただ、これは健保組合だけでどうこうできる話ではございませんので、我々としてはそういう苦しい財政の中でも、いわゆる保険者機能の発揮ということで、疾病予防でありますとか、健康増進でありますとか、医療費の効率的な使用でありますとか、そういったことにこれからもむしろ注力をしていかなければいけないというふうな覚悟はしております。
 先生の御質問の二点目でございますが、今こそ国は財政出動すべきではないかという御指摘でございまして、私も全く同じ意見でございます。苦しいときに少し国の助成を増やしていただいて足腰をしっかりさせれば、あと五年、十年は大丈夫というふうに思っておりまして、今こそ国が積極的な財政支援に踏み切るべきだというのが私どもの主張で、衛藤先生と全く同じ意見でございます。
 以上でございます。
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小林剛#25
○参考人(小林剛君) 衛藤議員の御質問、御指摘でございますけれども、元々やっぱり今回大幅な保険料率を引上げしなければいけなかったというのは、中小企業の皆さんの、加入者の皆さん、この方の給料が下がったということで保険料収入が下がったと。これが大幅に下がったという結果、その保険料収入が減少したということ。それから、一方で医療費の問題もございますけれども、そういったことで今回大幅な引上げをせざるを得なかったということで、そういう非常に厳しい状況の中で更に今回平均八・二%が九・三四%に引き上げざるを得なくなったということ。実は介護保険もこれは増えておりまして、これは一・一九から一・五〇になったということで、合算しますと、私ども、平均的な年収であります三百七十四万に対しまして、合算でいきますと年間で五万四千円の増ということで、本人は二万七千円の増加ということで、加入者の皆さんには大変厳しい状況になるということであります。
 私どもとしましても、大幅な保険料引上げになりますので、何とかこれを本則の一三%から一六・四ないしは二〇%、特に運営委員会だとかあるいは評議会の皆さんの御意見、これ、何とか二〇%という声もございましたが、二十二年度については国の財政が非常に厳しい中での予算編成だということで、ぎりぎりの調整の結果ということで私どもとしてはこれは受け止めなければいけないというふうに考えております。
 以上でございます。
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衛藤晟一#26
○衛藤晟一君 小林参考人にもそういう具合に取っていただけたというのは非常に有り難いことなんでしょうけれども、実際のところ予算は大幅に増やして、ほかのところにずっと行ったからでありまして、子ども手当とかいろいろなところにはずっと行ったんでありますけれども、ここにはなかなか行けなかったというところなんだと思いますので、そこのところについては、正直言って、どう考えておられるのかですね。
 さらには、先ほども白川参考人にもお聞かせをいただきましたけれども、総報酬割を導入する代わりに総報酬割に対する国庫補助をやめることという具合になったわけでございますけれども、それに対する見解についてお聞かせをいただきたいと思います、小林参考人に。
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小林剛#27
○参考人(小林剛君) 繰り返しになりますけれども、そういった意味では私どもとしてはできるだけ加入者の皆さんの保険料率は抑えるということが大事だということでありますけれども、そういった今の非常に厳しい状況の中で今回の案というのはぎりぎりの調整の結果ということで、これを私ども、繰り返しになりますけれども、受け止めざるを得ないというふうに考えております。
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衛藤晟一#28
○衛藤晟一君 そうですね、協会けんぽとしては、やっぱりみんなからバックアップしてもらわなきゃいけない、しかし大きな、大幅な料率アップは困るという中で、やっぱりある程度のバックアップをしてもらえるんだからこれ以上の現時点においては無理は言えないという心境だということでございますね。
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小林剛#29
○参考人(小林剛君) はい。
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