大久保潔重の発言 (本会議)
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○大久保潔重君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の大久保潔重でございます。ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案に対し、会派を代表して質問させていただきます。
本題に入ります前に、私は日本の最西端である長崎県の出身であります。長崎県の離島・半島地域から海を介して西方を眺めれば、朝鮮半島から中国大陸が広がっております。その大陸内部の砂漠から偏西風に乗って飛来する黄砂現象は、私が幼少のころは郷土の春の風物詩でございました。しかし、近年は、まさに迷惑千万、その頻度や被害が拡大しており、発生原因はこれまでの自然現象から人為的要因との指摘もなされております。
また、地元において度々観測される酸性雨や光化学オキシダントなどの越境大気汚染や、南西から海流に乗って海岸に打ち寄せる外国製由来の漂流・漂着ごみ、さらには大村湾や有明海などの閉鎖性海域の水質保全など、常に監視を厳しくしながら地域の環境問題に取り組んでいかなければならない立場にいる中で、今回、今や待ったなしの世界的な課題であります地球温暖化対策に関し、与党を代表し、本会議に初登壇する機会を与えていただきましたことに、改めて先輩並びに同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
さて、去る五月十二日の気象庁の発表によりますと、国内で観測している温室効果ガスの二酸化炭素について、二〇〇九年は大気中濃度の年平均値が観測史上最高になりました。一九八七年以降、都市化の影響が少ないポイントで定点観測を行っているにもかかわらず上昇傾向が続いておりますが、これは経済発展に伴うエネルギー需要の増加などで化石燃料の使用による二酸化炭素の排出が続いており、国内でも上昇傾向が収まる兆しは見られないというのが気象庁の見解であります。
申すまでもなく、鳩山総理は昨年九月、総理就任後初めての国際的舞台である国連の気候変動に関する首脳会議に出席され、日本は温室効果ガスの排出量を二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減するとの野心的なスピーチをされました。この二五%削減は鳩山総理の国際公約になったわけでありますが、これに対し、電力産業など関係業界が衝撃を受けたのは記憶に新しいところであります。
そこで、鳩山総理にお尋ねします。当時、経済界など業界団体からの強い反対が予測される中、世論的にも目標が時期尚早かなと推測される中、こうした野心的なスピーチを抜き打ちでされたそのねらいは何であったのか、是非お聞かせください。また、今回の地球温暖化対策基本法の成立によって排出量削減の実現をどう図っていくのか、総理の自信のほどを明確に語っていただきたいと思います。
法案の趣旨説明に当たり、小沢環境大臣は、地球温暖化は世界全体で協力して対処すべき人類共通の課題であり、我が国は国際的なリーダーシップを発揮していくとの決意表明をされました。その決意は了でありますが、具体的にどのようなリーダーシップを発揮されるのですか。また、世界各国の協力を取り付けるために当面どのような取組をなされるのか、環境大臣にお尋ねをいたします。
法案には、中期の目標だけでなく、長期目標として五〇年度までに八〇%削減を目指すことが明記されました。また、一次エネルギー供給に占める太陽光発電などの再生可能エネルギーの割合を二〇年までに一〇%に引き上げる目標も掲げられました。さらに、目標達成の仕組みとして、温室効果ガスの国内排出量取引制度の創設、地球温暖化対策税の導入、再生可能エネルギー発電の全量固定価格買取り制度の創設なども盛り込まれました。今からちょうど二年前、当時の参議院環境委員会での地球温暖化対策に関する議論を思い起こすにつけ、前政権下では踏み込めなかったこれらの内容が明記されたことは、実に画期的であると同時に評価をするものであります。
しかしながら、今日までの専門家の方々の識見なども参考にしながら、この法案が抱えている幾つかの不明点をクリアにするために質問を続けさせていただきます。
まず、国際的枠組み条項についてでありますが、第一条には、すべての主要な国が参加する公平なかつ実効性が確保された国際的枠組みの下に取り組むとの規定があります。では、国際的枠組みが構築できなければ、この法律は無効になるのですか。小沢環境大臣の御見解をお示しください。
次に、第三条七項の経済活動条項についてでありますが、経済活動及び国民生活に及ぶ効果及び影響について事業者及び国民の理解を得つつ、適正な財政運営に配慮しながらと規定しておりますが、この表現だと、仮に経済活動に影響が大きい場合は温暖化対策を後退させてもよいと解釈される余地が生じるのではないかとの懸念を持ちますが、小沢環境大臣の素直な御所見をお伺いいたします。
さらに、国内排出量取引制度の創設に関してお尋ねいたします。
政府は、国内での温室効果ガス排出事業所に総量規制に沿った削減枠を定め、削減コストが高い企業は低い企業から排出枠を購入するなどの取引をする中で排出量削減を着実に実施しようとしております。
ところが、第十三条の三項で、排出量の総量の限度として定める方法を基本としつつ、生産量その他事業活動の規模を表す量の一単位当たりの温室効果ガスの排出量の限度として定める方法についても、検討を行うと規定をしております。この内容だと、必ずしも総量規制にこだわらず原単位方式の選択肢もあるように考えられますが、あくまで総量規制を貫くのかどうか、環境大臣の御見解をお聞かせください。
このほか、第十六条の原子力条項についてお尋ねをいたします。
地球温暖化対策の必要な手段として、クリーンエネルギーである原子力に係る施策を推進するのは理解できますが、全面的に原子力に依存するのが果たしていかがなものか。他の再生可能エネルギーの開発が進捗しないのではないかなどの心配をするわけであります。今後の原子力とのかかわりについて、小沢環境大臣の御見解をお聞かせください。
今回の地球温暖化対策基本法案は、温室効果ガス削減への道筋を付けるための理念法であり、これから政府が具体的に定める基本計画を決定して初めて実現に向けての一歩を踏み出すわけであります。基本法を生かし、日本を本格的な低炭素社会に構築するには、基本計画が大変重要であると考えますが、基本計画作成に当たっての御決意並びに今後の作成に向けた段取りについてお示し願えたらと思います。
最後になりますが、私は三年前、国民生活が第一をスローガンに掲げ、議席を与えていただきました。今後も炎のチャレンジャーとして国民生活を守ることを第一義に、さらには、地球を守ることも意識しながら、シンクグローバリー、アクトローカリーを地道に実践し、国民の皆さんの負託にこたえるよう頑張ってまいる所存でございます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕