山田正彦の発言 (農林水産委員会)
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○山田国務大臣 農林水産委員会における農林水産大臣の所信をこれから述べさせていただきます。
農林水産委員会の開催に当たりまして、委員長にお許しをいただき、所管大臣として所信の一端を申し述べます。
初めに、宮崎県の口蹄疫の発生農家及び関係農家の方々には心からお見舞い申し上げます。また、昼夜を問わず防疫対応に従事された方々に心から感謝申し上げます。
今回の口蹄疫の防疫対応については、四月二十日の発生以降、自衛隊、警察などの御協力をいただきながら、政府と宮崎県が一丸となって、一般道を含む消毒や家畜の処分、埋却等の防疫措置を実施してまいりました。その結果、七月二十七日午前零時をもって、すべての移動制限、搬出制限が解除されました。
しかしながら、大量の家畜排せつ物に含まれるウイルスについては、ブルーシート等による封じ込めを行ったものの、完全に死滅するには一定の時間を要します。引き続き、現地に職員を駐在させ、家畜排せつ物の適切な処理や消毒等を徹底することとしております。
今後、口蹄疫の蔓延防止のために殺処分に応じていただいた方々の犠牲を無駄にせず、また、炎天下や雨の中で黙々と埋却等の作業に御協力いただいた方々の労苦に報いるべく、第三者検証委員会を設置し、今回の対応を徹底検証するとともに、今後は、二度と今回のような大量殺処分といった事態を招かないよう、国と地方が一体となって取り組んでまいります。
また、宮崎県の畜産の復興、地域の再建については、農林水産省に経営再開を支援する特別チームを設置し、一日も早い農家の経営再開が行われるよう努めてまいります。
昨年の歴史的な政権交代により、農林水産分野でも大きな改革が始まりました。私の役割は、この流れを確定的なものとし、我が国の第一次産業を元気にすることであります。そして、国家の基本的責務である食料の安定供給の確保に向け、十年後の食料自給率五〇%を達成する道筋をつけることであります。農林水産業、農山漁村が再生し活力を取り戻すよう、さらに国民全体でこれらを支える社会が創造されるよう力を尽くしてまいります。
以下、主要な農林水産政策について申し述べます。
まず一点目は、戸別所得補償制度の本格実施です。
農林水産業は、食料の安定供給や多面的機能の発揮など国民生活に重要な役割を果たしております。こうした役割を維持するため、戸別所得補償制度により、意欲ある農林漁業者が将来にわたって農林水産業に取り組むことができる環境を整備する必要があります。
本年度スタートした戸別所得補償モデル対策には、幅広い支持をいただき、百三十万を超える販売農家、集落営農に参加をいただきました。今後、さらにその実施状況を検証しつつ、段階的に畑作物その他の品目及び農業以外の分野にも拡大し、本格的に実施してまいります。
二点目は、品質、安全、安心といった消費者ニーズにかなった生産体制への転換です。
近年の食品に関する不祥事等の発生もあって、食の安全、安心が大きく損なわれています。
このため、後始末より未然防止の考え方を基本に、国産農林水産物や食品の安全性向上のための科学的知見に基づく施策の推進に加え、トレーサビリティー、HACCP、GAPの定着を図ってまいります。
三点目は、六次産業化による活力ある農山漁村の再生です。
農林水産業を成長産業化し、地域を再生するためには、農林水産業、農山漁村の秘める力を最大限に発揮することが重要です。
このため、農林漁業者がみずから加工、販売へ進出することや、バイオマス資源などの地域資源を発掘し新産業を創出する農山漁村の六次産業化を推進し、雇用と所得を生み出してまいります。
その際、食文化を軸とする観光、文化政策や、医療、介護、福祉政策との新しい連携についても、各省庁との協力はもとより産学官一体となって取り組み、将来への展望を切り開いてまいります。
四点目は、森林・林業政策の転換です。
現在、森林・林業には、低炭素社会での新たな役割も期待されており、一方、材価の低迷などにより、森林所有者の林業への関心が低下し、貴重な資源の活用に支障を来すことが危惧されております。
このため、昨年十二月に策定した森林・林業再生プランに沿って、路網の整備、森林施業の集約化、人材の育成などを実施するとともに、建築材からエネルギー源に至るまでさまざまな形での木材利用を推進し、十年後の木材自給率五〇%以上を目指してまいります。
五点目は、水産政策の転換です。
我が国水産業については、非常に高い潜在能力を持ちながら、資源状況の低迷等により厳しい状況にあります。
このため、藻場、干潟の保全等により水産資源の回復を図りつつ、漁業所得補償制度を導入し、適切な資源管理と漁業経営の安定を軸とした政策体系に大きく転換してまいります。また、国際的な管理下にある水産資源について、科学的知見に基づき持続的な利用が確保されるよう努めてまいります。
六点目は、国際交渉への対応です。
WTOなど、EPA、FTA交渉につきましては、我が国が食料輸入国であることを踏まえた対応が必要です。このため、安全な食品の安定供給、食料自給率の向上、国内農業、農村の振興等を損なうことは行わないことを基本として対応してまいります。
以上、農林水産政策に関する基本的な考え方を申し上げました。
現在、平成二十三年度予算概算要求に向けた検討を精力的に行っておりますが、厳しい財政状況も踏まえ、農林水産業、農山漁村の活性化に真に役立つ政策に少しでも多くの予算を振り分けるべく、前例にとらわれず予算の無駄を徹底的に排除し、真に必要な諸施策を集中的、重点的に実施してまいる所存です。
委員長を初め委員の各位におかれましては、今後とも一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。(拍手)
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