川上義博の発言 (本会議)

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○川上義博君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。
 今、日本にとって最も必要なものは、一刻も早い景気対策の実行です。それは、与野党を超えて、国民生活を真剣に見詰める議会人ならば共通認識になり得るのではないかと考えます。
 しかし、国会はねじれの状況にあります。与野党が突っ張ったままでは何も生まれず、国民の生活に影響が出るおそれがあります。それは絶対に避けなければなりません。
 そもそも、議会とは何を基盤に成り立っているのでしょうか。各党各会派間の信頼に基づいた徹底した対話ではないでしょうか。ただ、昨今の与野党対立は、お互いが相手の存在を全面的に否定することから始まっているような気さえします。
 たとえ政治的に対立する相手の言論からでも、必死で学ぶ姿勢が求められるはずです。対話を通じた合意こそ政治なんです。与野党という枠組みで相手を排除せず、真摯に議論を尽くし、国民のために何とか手を結べないかを真剣に考えなければならないはずです。対話なくして合意なしなんです。
 リーマン・ショック以降、我が国経済は本格的な回復に至っていません。デフレと急激な円高の進行で景気の先行き懸念は強まっています。
 先日、内閣府が公表したGDP速報は、二〇一〇年第三・四半期の実質GDPが年率三・九%増となりましたけれども、円高による輸出減少、民間企業の投資活動も低調であることなど、今後の下振れリスクも多く、今こそ迅速な景気対策の実行が強く求められております。
 本補正予算では、新卒、若年者の就職支援など切迫した重要な課題である雇用対策が盛り込まれ、環境・医療・科学技術分野での技術革新の推進など将来を見据える新成長戦略の加速を目指しております。また、安心こども基金などの子育て支援や地域医療の充実といった国民の安心、地域活性化交付金の新設やインフラ整備など地域の活性化が図られており、本補正予算の一日でも早い早期成立が大変重要なのは間違いありません。
 以上、賛成の理由を申し上げましたけれども、景気回復の道筋と国民生活の安心をより確実にするために、更に以下の点を指摘します。
 景気対策は、財政政策と金融政策の二頭立てが極めて重要です。有効需要を創出して景気の回復を図る一方、デフレから脱却しながらインフレを防止するリフレ政策を取らなければなりません。
 高橋是清が昭和初期に断行したリフレ政策は、日本経済をどん底から救いました。政府が財政出動により公共投資を積極的に行うとともに、日銀は株価などの資産価値を上げるために長期国債の買入れオペを実行して、ベースマネーを潤沢に供給することであります。
 地方経済はまだまだ疲弊化しております。地方振興の基盤となる各種のインフラ整備が遅れています。政府は、地方の高速道路や港湾の整備を進め、地方の公共投資に予算を配分し、経済振興と地域格差の解消を図るべきです。
 社会資本整備の財源は建設国債で賄います。債務返済の裏付けとなる国の信用力が高いので、国債発行残高の累増を気にする必要はありません。国債保有者の大半が国内投資家で、国債利回りが低いため、利払い費は抑制されております。したがって、景気刺激のための国債増発はちゅうちょしてはなりません。景気回復による増収で国債償還は必ず果たせます。デフレ下では財政再建など不可能なことであります。
 経済成長なくして財政再建なしなのです。景気回復でGDPが増加すれば、公的債務残高の対GDP比率は低下します。ギリシャのような国家債務不履行やハイパーインフレが起こるのではという懸念は当たりません。長期国債の買いオペなど金融政策を組み合わせることで解消することができます。その結果、国債市場の安定と安定的な経済成長を維持することができるのであります。
 加えて、財政政策では円高進行のおそれがありますが、金融政策を同時に行うことが肝心なんです。
 そこで、日銀の役割が重要になります。デフレの原因である需給ギャップを解消するためには、より多くの貨幣を中央銀行は供給すべきであります。お金の価値が上がることをデフレ、下がることをインフレと言います。インフレになれば為替相場も円安につながります。しかし、リーマン・ショック以降、日銀の金融政策ではベースマネーが増えていないこともあり、デフレが一層深刻化し、生産の低下や雇用情勢の悪化を招いています。
 ここから重要なことでありますけれども、是非皆さん、聞いてください。
 需給ギャップの原因は、需要不足ではなくて貨幣供給の不足なんです。アメリカ、イギリス、ユーロ圏は金融緩和を積極的に行い、ベースマネーを増大させております。リーマン・ショックの震源地でない日本が震源地以上の被害を受けたのは、こうした金融政策による影響もあるのではないでしょうか。
 日銀法では、日銀は物価の安定を図り、政府の経済政策の基本方針と整合性を図らなければならないと規定をしております。政府は、国家戦略室にデフレ対策の権限を与え、イニシアティブを取り、政策の目標を日銀と協議し、政府の責任で日銀を動かすべきだと考えています。もちろん、日銀の独立性とは手段の独立性であることは言うまでもありません。
 さらに、日銀に消費者物価指数、いわゆるコアCPI上昇率、GDP成長率、失業率などの目標値を定め、その達成期限を課すことなども検討していく必要があると思います。
 菅総理は、第三の道を提唱されております。私は、日本が財政出動と金融緩和から成るリフレ政策の実行こそが王道だと考えています。最大の責務である我が国の景気回復を図るため、この王道による景気対策の必要性を訴えて、私の賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 117615254X01020101126_013

発言者: 川上義博

speaker_id: 7459

日付: 2010-11-26

院: 参議院

会議名: 本会議