下條正男の発言 (外務委員会)

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○下條参考人 遅くなりまして申しわけございません。拓殖大学の下條と申します。
 今、田代先生の方から対馬家文書についてお話がありましたが、私は、朝鮮王室儀軌引き渡しの歴史的な背景について、つまり、対馬家文書をどうするかとか朝鮮王室儀軌をどうするかという問題ではなくて、その背後にある問題というものをお話をしておきたいと思います。
 お手元の資料を、十分で非常に限られていますので早口でお話ししますが、一番から四番に分かれております。朝鮮王室儀軌等の引き渡しの課題、どういう課題があるのか。二番目は、文化財の引き渡しの根底にあるのが実は竹島問題だという実態、このことをここにお集まりの議員の皆様がどれだけ認識されておるのかどうか、これが非常に大きな問題です。それから三番目が、歴史認識と歴史事実の違い、これがどのようなものかということをやはり理解していただきたい。それから四番目、日韓の和解。これは、こういった問題の原点は竹島問題にあるわけですから、竹島が返還されてからこういった話し合いをしても構わないのではないかというふうに私は考えております。
 その理由。まず一番、朝鮮王室儀軌、こういった引き渡しの前提として、既に二〇〇六年七月十四日、東京大学から朝鮮王朝実録というものがソウル大学に寄贈されております。それから、北関大捷碑、これは二〇〇五年十月に韓国を通じて、北朝鮮側に返されております。
 こういった問題は、本来、起こるべくして起こったものではなく、起こされたものだ。なぜなら、一九六五年の六月二十二日、日韓は基本条約を締結しておりまして、そのとき文化財及び文化協力に関する日本国及び大韓民国との間の協定が結ばれておりまして、一応こういった問題は解決していたということ、一応区切りがついていたということです。そして今、韓国側は新たに、過去の清算であるとか未来志向の日韓関係、歴史の和解というような言葉を使いながら、文化財の返還、引き渡しではなくて返還を求めております。
 なぜこのような状況になったのか。それは、二番目のところなんですね。一番目に、竹島の日条例というのが、二〇〇五年三月十六日に島根県議会によって制定されました。ここから竹島問題が浮上してまいります。顕在化してくるわけですね。
 これは、今までの日本の外交が、こういった国家主権にかかわる問題にほとんど目をつぶってきた。皆さんここにブルーのリボンなんかつけておられますが、実際に今動いていませんね。北方領土もそうですね。尖閣に関しても何も言えないですね。竹島についても、極端に言うと、奪われたにもかかわらず、何も言ってきませんでした。つまり、効果的なことは何もできなかった。それが、竹島の日条例というものがあることによって大きな変化が出てきます。こういった対応は、日本よりも韓国の方がはるかに早いです。
 というのは、竹島の日条例を制定するほぼ一週間前に、韓国側は、二番目のところ、二の二、対抗措置として、東北アジアの平和のための正しい歴史定立企画団というものがつくられます。これは後に、二〇〇六年九月に東北アジア歴史財団となり、李明博政権になってから独島研究所設置です。これは二〇〇八年の八月ですが、七月、日本の中学校の学習指導要領解説書に竹島問題が記載されたということに対する対抗措置ですね。
 そういった意味では、盧武鉉大統領、潘基文という外務大臣、彼と、李明博さん、すべて国策によってこういったことが行われているんです。そして、この文化財の引き渡し、返還もその運動の中の一つだということをまず御認識いただきたいと思います。
 そういった中で、二〇〇六年九月から、東北アジアの平和のための正しい歴史定立企画団というものが東北アジア歴史財団となりまして、戦略的テーマが変わります。竹島問題、それから日本海の呼称問題、これについては私はすべて論破してございます。それから東北工程、高句麗史問題ですね。
 この高句麗史問題というのは、実は韓流ドラマと極めて深いかかわりがあります。皆さんもファンがいらっしゃるかと思うんですけれども、「朱蒙」とか「太王四神記」というのは、これは日本人あるいは韓国人を洗脳するためのドラマだということですね。つまり、高句麗というのは、歴史的には、韓国の領土でもありませんし、中国の領土でもありません。それを、自国の領土だということを主張するために使った、つくったものが、「朱蒙」であり「太王四神記」だということですね。そういう意味では、日本は一生懸命今協力しているわけですね。
 この高句麗史問題というのは中国と韓国の間で盛んに、もう今はちょっと沈着していますけれども、中国側から見た日本側の動きは極めて不愉快な動きだと思います。
 そういうこと、これも中国側、韓国側の主張には全く根拠がないということは既に明らかにしております。それは、そこに「拙稿」と書いてありますけれども、拓大の「海外事情」という雑誌の中で既に述べております。そのとき、もう既にこういう問題が起こるということで、大体、二〇〇三年、二〇〇四年、五年ぐらいの間で明らかにしております。
 それから、慰安婦問題。これは、二〇〇七年、アメリカの下院とかカナダとかオランダで批判決議案が出されますね。この背後で動いていたのがやはり韓国側です。そして、東北アジア歴史財団もこういったところに深くかかわっています。歴史教科書問題、靖国参拝問題、白頭山問題、これはすべて韓国側、政府が行っているものです。
 そういった中で、韓国は歴史NGO世界大会というものを開くのです。これは、世界各国の歴史NGO団体に対して、旅費と滞在費全部韓国持ちですね。ですから、大々的に人を集めてどういうことをやるか。その成果を、皆さんのお手元の資料、次のページのところに、この財団の理事長、鄭在貞、鄭さんという方なんですが、この方は非常に正直な方で、財団はどんな仕事をしたか、一番下のところですね。
 その次には、政策をつくるのに一定部分の役割を果たしたと考えている、菅直人日本政府が八月十日、声明を出した、いわゆる談話ですね、一定の寄与をしたと。強制併合に関する談話の内容が十分ではないけれども、談話が出たということ自体は意味がある、当時日本政府は衆議院選挙を前にして支持率が下落していたし、政治的に相当難しいときであった、このようなときに日本政府を説得し、説得したんですよ、結局、菅総理の談話をつくり出したんだというふうに自負しています。
 その中で、菅談話の核心内容というのは、韓国人の意思に反して植民地支配をした、これに対して痛切な反省と謝罪をするということ、それ以前になかったアクションプランも提示したが、その中の一部が、朝鮮総督府を経由して搬出された韓国の文化財を返還するということ、それから、サハリン強制徴用同胞を支援する、日本の中に散在する朝鮮人遺骨を戻すと。このことを仕込んだわけですね。
 それがどうしてできたか。それが、去年の七月二十七日、両国の国会議員らが参席するシンポジウムをソウルで開いた、我が方からは日韓の議員代表、日本側からは渡部恒三さんが出て、そして両方が会ったんだ、でも、ほかには話していないんだと。私たちがあっせんしたものは、松下政経塾を通じてそのきっかけをつくった、政経塾というのは右派だ、日本を動かすには右派を攻略すべきだ、責任者を呼んできて講演をさせて、そしてついに百年、一緒に協力しようということにしたと。結局、松下政経塾出身の国会議員数十人いるが、その人々を皆呼んで、韓日の議員が集いを持つことになった、韓日百年の歴史に対する省察と未来ビジョンを一緒に議論した、こういったところから菅談話ができたと言っているんですね。
 そして、ほかにしたことは何があるかというと、事業の実行の側面では、日本の歴史教科書の是正、それから日韓の市民団体を集めて、国内六十、日本四十ぐらいのNGOを一つにまとめて、そして、昨年八月に出されましたけれども、韓国の強制併合市民共同委員会というものをつくって、そして共同宣言文をつくったということを言っています。
 つまり、こういった背景にあるんですね。ですから、この流れの中に朝鮮王室儀軌の問題が潜んでいるということになります。
 そして、こういったことに対して、今お坊さんたちもいらっしゃいますが、実は前回ここに参加された、朝鮮王室儀軌早ければ来月末に戻ってくる、聯合ニュース、四月二十五日の配信です。これをごらんになりますと、一番下だと思うんですが、これは、自民党を除いた方、自民党以外は全部賛成するだろうということを予測して、下の方、還収委員会は、参議院で協定が最終批准されれば、五月中旬、日本で朝鮮王室儀軌還収のために努力した日本関係者など二百人余りを招請し、歓迎レセプションを開くんだということですね。ですから、この中にもこれに参加される方が多分いらっしゃるかもしれませんね。
 そして、最後に、文化財還収運動の価値と成果を共有しながら、これからも日本国内のほかの文化財返還運動の開始点となるだろうというふうに述べております。つまり、ここが出発ですね。
 しかし、問題は、竹島がなぜ韓国側によって奪われているのか。これは、日韓の国交正常化交渉のときに韓国側の外交カードとして使われたものです。歴史的根拠として見たときには、韓国側には竹島を領有する根拠というのは全くありません。にもかかわらず、日本側が何もしない間に韓国側がいろいろな手を打ってきているということ、そして、さまざまな歴史問題は、日本を封じ込めるための手段にすぎないということです。
 そういったことから見ていくと、李承晩ラインで、実は、拿捕、抑留された人、この人たちが人質となって、在日韓国人の法的地位を与えるということ、文化財返還ということ、それから朝鮮半島に残してきた日本人の資産、それを全部ゼロにするということ、外交カードですね。しかし、拿捕、抑留された三千名はいまだに救済されていません、謝罪もされていません。
 そういうことを考えていきますと、非常に大きな問題があるということを認識していただかなければならない。逆に言うと、下手なことをやると、つまり、竹島問題を解決しない状態でこれを続けていくということが、これから同じような問題が続々と出てくるということですね。そのことを御認識いただきたいと思います。
 済みません、十分では話が十分にできませんが、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 117703968X00920110427_004

発言者: 下條正男

speaker_id: 34266

日付: 2011-04-27

院: 衆議院

会議名: 外務委員会