白川方明の発言 (財務金融委員会経済産業委員会連合審査会)
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○白川参考人 お答えいたします。
為替相場でございますけれども、議員のお尋ねは、主として円・ドルレートで御説明がございました。
先ほども申しましたとおり、現在の円高水準というのは既往ピークに近い水準でございまして、日本銀行としてももちろん問題意識を持っております。
そう申し上げた上で、この現在の為替相場をどう理解するかということでございますけれども、これを見ていますと、円高というよりか、ドルの全面安という色彩が強いように思います。
これは出発時点をどこでとるかによって、もちろん随分数字は変わってまいりますけれども、例えば年初来ということで申し上げますと、一番上昇していますのがスイス・フラン、これが一九%、次にニュージーランド・ドル、これが一四%、次いでオーストラリア・ドル、これが八・七%、次いでユーロ、ブラジル・レアルと続きまして、日本の円だけが上がっているわけではございません。そういう意味で、現在は、ドルの全面安の中で円についても急激な円高が生じているということでございます。
いずれにせよ、このドル安をどういうふうに理解するかということでございます。
これはもちろん、為替相場ですから、私が余り踏み込んだ詳しい説明をするというのは、必ずしも立場上適切ではないと思いますけれども、マーケットのコメント、こういったものを総合いたしますと、世界経済全体として現在はリスクが高まっているというふうに投資家が認識するときには、とりあえず相対的にリスクが高い通貨を外していく、よくリスクオフという言葉で表現していますけれども、そうした動きが広がりやすいわけでございます。
アメリカの経済それ自体については、実質GDPは必ずしもパフォーマンスが悪いわけではないというのは議員の御指摘のとおりでありますけれども、しかし、アメリカは、これに経常収支の赤字、それからアメリカの国債については、半分は海外に依存しているわけであります。
振り返ってみますと、さまざまな金融危機は、これは最終的には流動性の問題から出てくるわけでございます。欧州もそうでございます。そういう意味で、将来はともかくとして、とりあえずどこのリスクが高いのかということを投資家が選択し、消去法的に、安全と見られる他の通貨にドルからシフトをしているということだろうと思います。
それから、日本銀行に固有の御質問として、マネタリーベースについての御質問がございました。
これまでも国会のいろいろな委員会でよく指摘を受けておりますけれども、我々自身は今、マネタリーベースを含めて潤沢に資金を供給しております。現在、マネタリーベースあるいは中央銀行のバランスシートの対GDP比という意味では、日本銀行が一番拡張している。これはとる時点によって多少イメージが違ってまいりますので、先生のとっているこのベースではそうでございますけれども、日本銀行は、GDPとの比率で見ますと、一番拡張した中央銀行でございます。
その上で、マネタリーベースと為替との関係を見てみますと、詳しい説明は省略いたしますけれども、明確な関係は見られないというのが、事実から言えることだというふうに思います。