片山善博の発言 (総務委員会)
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○片山国務大臣 この問題は、一つは経緯の問題、それから理念の問題があると思います。
経緯でいいますと、先ほど逢坂政務官が御答弁申し上げましたように、昭和二十年代それから三十年、そのころに寄附の禁止という規定が設けられたのでありますけれども、一九五四年、昭和二十九年に自治体の多くが赤字になりまして、私の記憶では八割ぐらいの自治体が赤字になったと思います。それで、財政を再建するための特別措置が必要だということで財政再建特別措置法ができたわけです。
その多くの自治体が赤字になった要因の一つに、国に対して自発的な寄附を多額にしていた、自発的とはいえども、実質的には半強制のようなものもあった、そういう実態にかんがみて、この地方財政再建特別措置法の中に「当分の間、」ということで、そのころの財政再建を進めるために当分の間、国に対する寄附は禁止をする、例外として、当時の所管官庁の許可を得ればいい、こういう仕組みを設けたわけです。
ですから、あくまでもその寄附の禁止というのは、昭和二十年代、三十年代初頭の地方財政の混乱を収束させるための規定だったわけであります。それが、ずっと当分の間が続きまして、あろうことか、夕張の破綻のときに新しい地方公共団体の財政の健全化に関する法律をつくりましたけれども、その中にもすっぽり入れてしまいまして、恒久法の中に入れてしまったわけでありまして、やはり昭和二十年代、三十年代初頭の対策のものはそれで収束させるべきだ。もとの、本来自治体の自主性に任せている、これは当初そうでありましたから、そこに戻すべきだというのが経緯からいう事柄であります。
それから理念としては、自治体は主体性のある法人であります。ちゃんと議事機関もあって意思決定をするわけであります。ところが、その意思決定がまかりならぬ、国の許可がなければ寄附ができないというのは、これは非常に、自治体に対する行為制限であります。世の中で贈与を一般的にしてはならないとされておりますのは、未成年者、成年後見制度下にある方、それから地方公共団体でありまして、本当に地域主権改革とか地方分権改革を標榜して、これから地域を担っていく主体であるとされている地方公共団体が、未成年、成年後見制度、地方自治体という関係でいいのかどうかという、これは理念の問題であります。そういうことから、今回、これはすっぱりと外しておこうと。
ただ、そうはいいましても、実態として国の方からいろいろ圧力がかかったりする可能性はないわけではない。しかし、それは昭和二十年代、三十年とは全く違います。ですから、あえて法律的手段によらずとも、閣議決定でいいのではないかという判断をしたわけであります。
もし、これから、これを奇貨として各省がいろいろな、あの手この手で寄附を求めるようなことがあるとすれば、それはそのときまた、今日的な環境の中で法的措置をお願いせざるを得ないことも万が一あるかもしれませんけれども、今はそこまで考えなくてもいいのではないかという判断をしているところであります。