近藤三津枝の発言 (予算委員会)
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○近藤(三)委員 松本環境大臣とは少し議論がかみ合ってきたように思います。
さらに御理解を深めていただくために、こちらにもう一枚パネルを用意しました。菅総理の外交に関する演説を御紹介しますが、このパネルに菅総理のコメントの数字が書き込んでありますので、ごらんいただきます。お手元の資料は六枚目になるんですけれども。
左側の二行をごらんいただけたらと思います。アメリカでは一人当たり約二十トン、日本は一人当たり約十トン、中国では約四トン、インドでは約一トン強、そして世界の平均は約四トン、一人当たりの排出と現在なっているというふうに菅総理はコメントを続けられています。
二〇五〇年までにこれを半分にしようとすれば、すなわち、総排出量を半分にしようとすればということですが、人口増を一応考えないとしても、一人当たりのCO2排出量を二トンまで下げなければなりません。この二トンというのは、表の三行目のところに書いてあります。そうすれば、アメリカは十分の一、日本は五分の一、中国も半分に引き下げなければならない。そういう共通の目標を掲げて、気候変動の地球の目標を掲げて努力を進めていくことが重要であると思う、これが菅総理のコメントです。
このコメントのポイントは、人口増を一応考えないという部分です。これは、一応ではなく、菅総理は、世界の人口は今後ふえるという現実から完全に目を背けているということです。
菅総理が言うように、これから世界の人口がふえないのなら、二〇五〇年の人口が現在と同じであるとしたならば、排出量を現在の半分にしようとすれば、一人当たりのCO2排出量は、現在の四トンを二トンに抑えることになります。このとき、この表にありますように、二〇五〇年の日本の総排出量は、右側の欄が総排出量なんですけれども、二億トンに抑えなければならないということです。
このパネルの左側の総排出量、括弧の中は、一九九〇年の排出量に比べての削減率です。日本は、先ほども言いましたように、人口が変わらないと仮定した場合の総排出量は二億トンですから、一九九〇年に比べて八一%削減、八割削減しなければならないということになります。この数字から、菅総理は、日本は二〇五〇年に現在の五分の一にしなければならないと主張しているわけです。
しかし、先ほども申したように、菅総理は、二〇五〇年に向けた世界の人口の爆発を全く考えていない。これはおかしいですよね。一九九〇年に五十三億人だった世界の人口、今は六十九億人、そして二〇五〇年には一・七倍の九十二億人になると推計されています。
実は、二〇五〇年、世界人口が九十二億人に増加したときには、現在の一人当たりのCO2排出量四トンを半減させるには、何と一人当たり一・一トンまで引き下げなければならないということ。本当は、菅総理の八割削減ではなく、一九九〇年に比べて、その右側、八九%、つまり九割もの排出削減をしなければならない。つまり、五分の一ではなくて、今の十分の一の排出量に抑えなければならないのです。
インドのことを考えてみますと、一九九〇年に一人当たりの排出量が〇・七トンと世界平均を大きく下回り、一方、人口は現在の約十二億人から二〇五〇年に十六億人に増加するので、インドの排出枠は大幅にふえます。つまり、一人当たりの排出量の指標は発展途上国に有利だということです。
最近は、中国、一人当たりで評価する基準値をほとんど主張しなくなってきているんです。なぜか。それは、中国が二〇〇八年時点で既に世界の一人当たりのCO2の平均値を超えて、長期的には人口も減少するというふうに見込まれる中で、これを主張したら我が国中国は不利であると思ったから、この一人当たりのCO2排出という指標を使わなくなったからです。
一方、インドはどうか。排出枠がふえますから、菅総理と同じく、一人当たりのCO2を排出量の基準とすることを強く主張しています。菅総理の発言は、最近中国でさえ主張しなくなった周回おくれの発言をしておられるということです。菅総理の唱える一人当たりのCO2排出を国際的な基準にするということは、決して日本にプラスにはなりません。
ここまで数字を挙げて説明をさせていただきました。
海江田経済産業大臣、菅総理がここのところ主張しています一人当たりのCO2排出を国際的な基準とすることを支持なさるんでしょうか。このような無謀な基準を国際的に政府は提唱しようとしているのか、産業政策の責任者として、海江田経済産業大臣のお考えを端的にお聞かせください。