榛葉賀津也の発言 (外交防衛委員会)

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○榛葉賀津也君 委員派遣について御報告を申し上げます。
 本委員会の佐藤公治委員長、谷岡郁子理事、岸信夫理事、佐藤正久理事、山本香苗理事、猪口邦子委員、島尻安伊子委員、山本順三委員、舛添要一委員及び私、榛葉賀津也の十名は、去る七月二十八日の一日間、東日本大震災に対する自衛隊の活動等に関する実情調査のため、宮城県及び福島県に派遣され、陸上自衛隊仙台駐屯地、同郡山駐屯地において説明聴取及び意見交換を行うとともに、Jヴィレッジにおいて説明聴取及び装備等の視察を行いました。
 以下に概要を御報告いたします。
 まず、陸上自衛隊東北方面総監部の所在する仙台駐屯地を訪れました。仙台駐屯地では、東日本大震災に対する自衛隊の災害派遣における陸海空三自衛隊の統合任務部隊司令部が置かれ、統合任務部隊指揮官を務めた君塚東北方面総監を始め主要幹部、並びに、海上自衛隊、航空自衛隊及び在日米軍の連絡官出席の下、柴田東北方面総監部幕僚副長から東日本大震災に対する自衛隊の災害派遣に関する概要説明を聴取しました。
 概要説明では、今回の活動の特徴として、大地震、大津波、原子力災害の複合災害である東日本大震災に対し、自衛隊創設以来初めてとなった災害対処のための統合任務部隊を編成したことに加え、初の原子力災害派遣が下令され、陸海空合計約十万七千人という最大規模の運用を行ったこと、大地震、大津波と東京電力福島第一原発事故という二正面における対応を実施したこと、訓練以外で初めて予備自衛官及び即応予備自衛官が招集され活動に寄与したこと、自衛隊と米軍との緊密な連携の下、救援活動を行ったこと、多数の地方自治体が大震災により機能を喪失する中、自衛隊が「最後の砦」の役割を果たしたことなどが挙げられました。
 課題としては、隊員充足率の向上、輸送力や通信力の強化、駐屯地の機能強化等について言及がありました。
 派遣委員からは、まず、自衛隊の真摯な活動と救援の成果に対し心から感謝と敬意を申し上げるとともに、自衛隊の活動、特に自らが被災された隊員も多い中、東北地方所在部隊の隊員が救援活動を優先されたことに対し被災民はもとより、国民の感謝と敬意が深まっている旨発言がありました。
 次いで、派遣委員から、今回の教訓を整理し今後の活動にいかす必要性、隊員充足率の向上を含む中期防衛力整備計画の見直し、日米間の調整の状況、医療支援等における他省庁、関係機関との連携、今回の活動に係る広報の充実等について質問、意見が述べられました。
 これに対し、民間船舶の輸送制限の緩和を含む法的枠組みを見直すなど輸送力を強化すべきこと、陸海空三自衛隊や警察、消防等との間での通信システムの共通化を図るなど通信力を強化すべきこと、駐屯地において公共機関の車両に給油した事例が紹介され、各種備蓄、井戸の整備等、日頃からの駐屯地の機能強化が大切であること等の意見が述べられました。また、「更に多くの隊員が参加できれば、より多くの人命救助ができた」との第一線部隊長の切実な声が紹介され、機械力に頼れない被災現場では何よりもマンパワーが重要であり、隊員充足率の向上を願いたいとの意見が述べられました。さらに、米軍の熱心な救援活動について紹介があり、長年の日米共同訓練の経験が今回の活動における日米調整にいかされたとの認識が示されたほか、自らも被災した予備自衛官等が活躍したことは予備自衛官等の制度の意義を発揮することができたとの認識が表明されました。
 次に、原子力災害派遣の調整所が置かれた陸上自衛隊郡山駐屯地を訪れ、山形、宮城、福島各県を所管する第六師団の久納師団長の出席の下、まず、中央即応集団所属の中央特殊武器防護隊の岩熊隊長から、東電福島第一原発事故に対する原子力災害派遣活動に関して概要説明を聴取いたしました。説明では、原発事故発生当初における原発に対する放水活動や、中央特殊武器防護隊を中心に全国から化学科部隊を集めた増強中央特殊武器防護隊による原発周辺市町村における除染所の設置と除染活動、モニタリング活動、Jヴィレッジにおける除染活動等について報告があり、八月以降は第六師団隷下の増強第六特殊武器防護隊により活動する旨の説明がありました。
 次いで、第六師団隷下の壁村第六特科連隊長から原発に隣接し住民が避難されている地域である大熊町及び富岡町における行方不明者の捜索状況に関して概要説明を聴取いたしました。
 派遣委員からは、まず、初めての原子力災害派遣に出動し、福島第一原発において爆発に遭遇し負傷した岩熊隊長を始め、化学科部隊、第六師団隷下部隊の身命を賭した活動に心から感謝と敬意を申し上げる旨発言がありました。また、派遣委員からは、八月以降における特殊武器防護隊の体制と任務、今回の原子力災害派遣を踏まえた化学科部隊としての要望、米国から派遣された海兵隊放射能等対処専門部隊(シーバーフ)と我が国の中央特殊武器防護隊との相違等について質問、意見が表明されました。
 これに対し、陸上自衛隊における化学科職種の人員が少なく、化学防護車、除染車、除染装置等の装備も少ないとの現状認識が示され、派遣委員からは人員、装備の増強の必要性について言及がありました。また、中央即応集団において中央特殊武器防護隊等にて部隊編成を行えばシーバーフと同等の任務に対応できるとの認識が示されました。
 概況説明に先立つ会食に際し、久納第六師団長から、被災民と隊員との温かい交流が見られたことなど、災害派遣における隊員の状況について説明があり、また、派遣委員も缶詰の糧食等を試食し、隊員が厳しい環境の下、救援活動に邁進されたことに思いをいたしました。
 最後に、福島第一原発事故の対処活動の拠点となっている福島県双葉郡楢葉町及び広野町にまたがるJヴィレッジを訪れました。Jヴィレッジには、自衛隊の原子力災害派遣に係る前方調整所、除染所が置かれており、青森県から派遣された陸上自衛隊第九師団隷下の及川第九化学防護隊長から除染活動等について概要説明を聴取するとともに、車両やヘリコプターの除染所や、化学防護車、除染車等の装備を視察いたしました。
 以上が今回の派遣の概要であります。
 今回の調査により、東日本大震災に対する自衛隊の困難な中で真摯に取り組まれた活動について認識を深めることができ、自衛隊の活動に対し、改めて心からなる感謝と敬意を表する次第であります。また、体験に基づく現場の貴重な御意見や御要望を伺うことができました。今後、今回の活動の教訓を整理し、複合的な事態に対処するための自衛隊を核とする危機管理態勢の在り方を踏まえつつ、原子力災害を含む災害対処の在り方、隊員充足率の向上、輸送力や通信力の強化、駐屯地の維持や機能強化、自衛隊と関係省庁等の連携、化学科部隊の拡充、今回の活動に係る広報の充実、派遣自衛隊員のメンタルヘルスケアなど、国会として果たすべき課題もたいへん多いことを痛感いたしました。
 今回の派遣に際して、御対応いただいた関係者の皆様方に対し心から感謝を申し上げ、御報告といたします。

発言情報

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発言者: 榛葉賀津也

speaker_id: 9438

日付: 2011-08-04

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会