竹本直一の発言 (内閣委員会)

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○竹本委員 何か逃げ口上を用意しているような感じがして仕方ありませんけれども、これ以上聞いたって仕方ありません。
 ただ、民主党が二年前の選挙で勝ったのは、だまされたんだけれども、やはり国民の期待があったからだと思うんですよね。言ったことを実行しない、言ったことを実行しない、言ったことを実行しない、これを三回も四回も繰り返したら民主党は消滅すると思いますよ。
 ですから、古川さんはそういったことについて真摯な心構えのある人だと思うから、あえて私はこれをしつこく聞いているのはそういうことであります。言ったことは必ず実行しなきゃいけない。自民党に反対されたから途中でやめました、こんなふうになってしまいました、そんな情けないことを言っちゃだめで、言ったことはちゃんと実行して初めて政党として、政治家としての価値が見出されるわけですからね。ぜひ言ったことはきちっとやってほしい。
 私は、申しわけないが、来年の夏になったら、まだ景気が悪いから、当初言っていた税のスケジュールを少し延期するとか何か言い出すのではないかと。TPPだってそうじゃないですか。六月に結論を出すと言って延期をして、十一月に結論を出すかがまだわからない。これを繰り返されたら国民は政治そのものに飽いてくるというふうに思いますので、念のためしつこく申し上げたのはそういうことです。
 さて、今の日本の悩みは何かというと、何といっても円高であります。円高のために、例えばトヨタは一円の円高で三百億円損失が一年間に出る、パナソニックは三十六億円ぐらい出る、こういう話は以前よく聞いておりましたけれども、最近の物すごい円高になりますとそれどころの話じゃなくなってきまして、一昨年、富山県一県で四十四の中小企業が海外流出。
 この間、五月に私はアメリカへ行って、ロサンゼルスに久しぶりに行きましたら、あそこの総領事館に聞いたんですけれども、物すごい企業がアメリカに進出を希望して、いろいろな相談を受けている、こういう状況です。ですから、日本の庭と思われる東南アジアはもっと大きいと思うんですよ。なぜならば、人件費がやはり十分の一。東南アジアなんか、十分の一でしょう。
 そのほか、電力料金が他の国の二倍ないし三倍と高い。そうすると、コスト高になって、どうしても競争力が出てこない、やむを得ず出ていかないと企業が存続できない、こういう状況に追い込まれているわけです。
 私は、基本的にこの円高問題というのは、経済は動くから円高のときもあれば円安のときもあるわけですが、円高のときは円高のメリットを大いにフルに活用する、円安になったら円安のメリットを大いにフルに活用する。そうしますと、産業間、分野間でもうかっている分野と損している分野が出てくるわけですけれども、政治にそれだけの力があれば、もうかっているところで得た利益を損失をこうむっている分野に回せば、国全体としてはそう損失はない、こういうことになるわけですけれども、なかなか事ほどさように簡単にいかない、いかないからみんな苦労しているわけであります。
 そこで、まず、この円高問題についてどのように考えるべきかということを申し上げたいと思います。
 購買力平価を用いて円高と言ったり円安と言ったり、あるいは、為替レートを用いるものもあれば、ビッグマック指数なんというものもあります。要するに、ビッグマックを円で幾ら、ドルで幾ら、そこで比較するわけですけれども。日本の企業は、採算のレートを大体一ドル当たり八十ないし八十四円ぐらいに置いております。今のレートは大体七十六円です。そうしますと、とてもじゃないが利益に結びつかない。
 そこで、政府は介入をいたします。介入をいたしましても、言ってみれば、そんなものは世界経済のバケツの中の一滴にしかすぎないわけでありまして、ほとんど効果を及ぼさない。かつての溝口介入は、三十四兆円ぐらい使っても余り効果はなかった。そんなことを考えますと、これに対する対策というのはなかなか一概に出てこないんです。ですから、私は、金を使うよりも対外的なロビー活動をもっとしっかりした方がいいと。
 我々、この間、九月七日でしたか、九月の初めに、自民党として円高対策プロジェクトチームをつくっていまして、私が座長をやっているんですが、G7、国際会議へ行かれる前に、財務大臣が行く前に心得べきことということで提言を渡してまいりました。我々は第一次提言と言っているんですが、それは、要は、日本は断固たる決意を持って、必要なときは介入をいたします、そのときは協調介入に協力しろ、こういうような話。そういったことも含めてきっちりとした話をしてきてくれと安住さんに申し入れてきたわけでありますけれども、そのとおりやってくれたかどうか、私はよくわかりませんが。
 要するに、お金はかからないわけだから、もっと国際連携を深くすることが大事。先ほどお話があったダボス会議もそうでありますが、そういったところの人脈をよく使って、効果ある円高対策をやはりやってもらう必要があるというふうに思います。
 ところで、政府は、九月二十日に円高対策の中間取りまとめを発表いたしました。円相場は急速に円高が進みまして、二十一日には一時一ドル七十六円十二銭、東京市場の戦後最高値を更新しております。また、十月二十一日には、政府が円高対策を発表すると、円相場は先週末のニューヨーク市場で一時一ドル七十五円七十八銭まで円高が進み、戦後最高値をおよそ二カ月ぶりに更新しました。そして、昨日二十五日の東京外為市場では一時一ドル七十六円六銭まで上昇し、東京市場としての戦後最高値を更新しております。そして、昨夜のニューヨーク市場では一ドル七十五円七十三銭と、これまた戦後最高値を再更新すると、円高がとまりません。
 そういった中で、二十一日に政府が発表した円高対策ですけれども、今回の円高対策は、市場関係者だけでなく、産業界からも非常に注目されていました。政府の円高対策を簡単にまとめますと、円高で苦しむ企業への支援策、産業空洞化対策など円高デメリットの防止策、日本企業の海外企業買収支援など円高メリットの活用策、介入予算の増額や介入の意思表示など過度の円高への対応、そして、日本銀行への金融緩和要請となっております。
 しかし、現実には、円高阻止への強力な意思が感じられません。日本政府がこのような対策を打てば、その後で逆に円高になっていく。これは何を意味するかというと、日本政府がもう円高対策についてはあきらめているのではないかと。断固たる決意が見えない。この間、スイスがやりましたよね。何が何でもレートを維持するんだと、不退転の決意でやった。まあ、スイスは小さい国だから、ボリュームが小さいからそれはできる、日本は大きい国だからそうはできない、それはわかるんですけれども、その決意が外国に伝わっていないのではないかと私は思うわけであります。
 ロビー活動も含め、不退転の決意をもっと示さないと、ますます円高が進む。それは日本のせいじゃなくて、ほかのヨーロッパ、アメリカの経済が弱いから相対的に買いかぶられてしまうわけですけれども、これ以上日本はもう耐えられないんだということをしっかり示す意味においても、不退転の決意を政治のメッセージとしてもっと出す努力をすべきだと思う。私は十分にやっていないと言っているんですよ。そういう意味で、そちらの御見解を聞きたいと思います。

発言情報

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発言者: 竹本直一

speaker_id: 34619

日付: 2011-10-26

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会